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やさぐれガール、読書に救いを求める

こんばんは。私、今夜はやさぐれています。オバハンになれる心の余裕もなくて、ガールとか言っちゃうぐらい、むしゃくしゃしています。

こういう時こそ何か書いて昇華させるべきかもしれないし、新たな発見があるかも知れない。なんか、最近継続して書くことが楽しくなってきたので、そんなやさぐれナイトにお送りします。

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それまで色んなメディアを飛び飛びだった書き物を、noteに集中して毎日書いてみようと思ったのは、仕事をやめようと思ったからだ。これまで20年近く関わってきた大学業界を少し飛び出してみようと。

方向性を決めるまでは、色々しがらみが断ち切れず、出世欲もあって逡巡して苦しかったけれど、飛び出すと決めてからは、むしろすっきりと前向きになれた。職場からも理解を得られて、ゆっくり有給を消化しつつ、仕事も引き継ぎをして円満退職を進められそうだった。

しかし、チケットが余ったcotreeでなんとなく継続カウンセリングを受けてみたら、まだ退職を受け止めきれていない自分がいて、ダーっと涙が出てしまった。すごいな、あのカウンセラーの先生。

その上、仕事を辞めるきっかけとなった、人間関係で問題があった方面からさらなる追い討ちが…。

嫌なことをされたこととか、明らかに違法なことを、念のため書き留めたりはしていたけど、目的は自己防衛のためであって、それを使って復讐するためではなかった。

でも、追い討ちをかけられたことで、ダークサイドが復讐せよと呼びかけてくる。

いや、私は負けない。そっちには落ちない。大きな人生の目標を見定めるんや。

といいつつ、今後自分を愛して気持ち良く生きていくために、今回自分を傷つけた人を許していいのか、という迷いもある。

救いの言葉をネットで探していると、許さなくても感謝すれば良い、という考え方を発見した。

うん、腹立つし、まだダラダラと傷口から血が流れているように感じるほど心が痛いけれど、もしかするとこれがすごい転機になる予感は持っている。

つまらない出世の終点も見えながら、そこにすらたどり着けないような息苦しいミドルエイジクライシスに陥る中、もっと自分らしい生き方があるんじゃないかと感じていた。

そして、仕事をやめることを決めた。今後は、仕事なんか生きがいにするものか。

1年ほど前、この泉谷さんという人の考え方に最初に触れた時、一瞬光が見えたようで、でも現実的には無理なんじゃないかと拒絶反応が出ていた。けれど、今回窮地に陥って初めて、スルスルと言葉が入ってくる。

機械によって労働から解放されつつある今こそ、仕事という名の「労働」ではなく価値を生み出す本来の「仕事」に集中すること。

芸術というのは自分らしさを表現するもので、けれどそこには表現せざるを得ない痛みもあって。自由には責任も苦しみもあって。

でも、私たちは自由の中で自分を表現して生きていくこと、価値を生み出していくことに触れ続けなければ、もっと苦しい。自分が自分でなくなっていく苦しみ。

人間のモチベーションは、愛と自発性。受動的人間であることは苦しい。と、エーリッヒ・フロムも言っているらしい。

私は、にこにこと心からの笑顔で仕事ができるチームにいたいし、一生懸命人の話を聞いて理解して、自分の意見を言いたい。でも、そんな風に他者への愛と尊敬を持って、自発的に仕事をするのはすごくエネルギーがいる。1日8時間は無理だ。

そして、そのエネルギーを当然のことのように搾取したり、それが得られないからと怒りだすような人とは仕事はできない。

ということに気づくべきだった。

cotreeのカウンセリングの中でも、「以前の私は自分ではない誰かになろうとしていた気がする」という言葉がこぼれ出た。そうなんやな。感情のコントロールが器用ではなかったのに、器用なふりをしていた。そうしないと出世できないと思ったから。

ブルシットジョブ(くそみたいな仕事。失礼お許しください。)を我慢すれば、そのうち出世できて未来が楽になる、という価値観ではこの先行き不確かな時代に希望を見出せない。

今やるべきは、一生懸命やることじゃなくて、やらないことなんじゃないか。

今、この本をkindleにほりこんで、かじり読みしている。

国が違うのに、私たちは同じような時代を生きているからか、同じような虚しさや固定観念に苦しんでいることに、安堵感と不思議な興味を持った。私だけ、「変」じゃなかったんやなあ。

とりあえず、やさぐれおばさんは面白くないので、当分は、会いたい人に会って、やりたいことしかやらないことにする。隙間につけ込んで、こちらの不安につけ込んで、仕事をねじ込もうとしてくる人には断固NOと言うで。

色々と手放せば入ってくるものがある、という伝説を確かめるべく、心と時間に余白を作ります。

やさぐれすぎて、全然笑いをとれなかったのに、読んで下さったあなたには、装丁を見て勢いで買った本が当たりだった、という幸せが手に入る呪文をお届けします。ホナ!

(写真は、休日に訪れた琵琶湖の風景です。曇り空の下に虹が出ている風景が、やさぐれの先を優しく照らしているようで、選んでみました。)

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