石田衣良「眠れぬ真珠」を読んで/本の話
石田衣良「眠れぬ真珠」を読みました。
ストーリーラインはシンプルで登場人物も少なく、話がスッキリしていて読みやすかった。でも面白かったかと言われると、う〜ん、△?な感じ。小説という創作物としてはは面白く読んだけど、登場人物の誰にも感情移入できずちっとも物語には入り込めなかったので何も心に刺さらなかった。
ラストがどうなるのか気になって最後まで読んだけど、それは、あぁなるほどそういうふうに話を展開するんだなとか、構成とかキャラ設定とかのうまさに唸ったりして、石田衣良の創作物として、うまいなぁと思いながら終始一歩引いたところから読んでいた。
石田さんの技量は存分んい感じれたという意味では面白かった。
一方で物語には全然入り込めず。(いや入り込めなかったから一歩引いて作りとかを考えながら読めたとも言えるけど)入り込めかった理由は時代感と登場人物たちのキラキラしさかなと。
初版は2006年の今から18年前。私が高校生くらいの時だけど、もっともっと昔のような感じがした。トレンディドラマがチラついた。あくまで私にとってはということだけど、オシャレすぎた。読みながら頭に浮かぶイメージがずっとセピアがかっていた。
そして、主人公の咲世子はじめ登場人物のだれ一人にも親近感を感じなかった。あぁ小説とかドラマの世界だな、芸能人系の話だな〜と感じてリアリティが感じれなかった。みんな才能に恵まれて、結構いい暮らしをしていたりして、自分とかけ離れていて全然イメージが湧かなかった。
特に恋愛に関してはみんなめちゃくちゃ積極的だし、性にもかなり開放的で、そんな人たちいますのん?っと何度も突っ込んだ。
あとは、登場人物たちの年齢もあると思う。主人公の咲世子(45)と素樹(28)の年の差の恋愛の話で、私は今35歳。ちょうど二人の間。だから45歳の咲世子のような人生の折り返し地点を過ぎたちょっと達観した感じにも、28歳の素樹の危ういくらいの真っ直ぐさにも寄って立つことができなかった。
石田衣良さんの本は、たぶん2冊目。昔池袋ウエストゲートパークを読んだ気がする。その時「すごい面白い!」って思った、、、と思う。ちょっと自信がない。というのも内容をさっぱり覚えていない。ストーリーのかけらも思い出せない。そんなに面白いと思ったものをこんなに綺麗に忘れるもんだろうか。読んでないのかもしれない。
でも表紙を見た記憶はある。その表紙はハードカバーで年季が入っていた。しかし手元に本はない。
という状況をよりあわせると、おそらく図書館で借りたのではないかと。そして一部だけ読んだ説が濃厚。
この「眠れぬ真珠」はあまり自分の好みではなかったけれど、石田さんの表現とかストーリーテーリングはうまいなぁと思うので、またそのうち別の本も読んでみたい。
あ〜本は面白いなぁ。
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