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enfant terrible:恐るべきこどものドランが大人になった!

ちょうど、Ayakoさんの前回のミネラルウォーターがポストされた時に
わたしは、国内初の紙パックナチュラルウォーター「HAVARY` S(ハバリーズ)」を取材していたんだよ。ありそうでなかった紙パック。デザイン性もよくて、おいしくて、環境にいいだけではなくて、リサイクルや、継続性など全体として、地球にことを考えたお水。しかもこのナチュラルウォーターを手がけたのは、27歳の女性!ほんと若い方から学ぶことが多いよ。


ところで、日本では、9月25日からグザヴィエ・ドラン監督の最新作「マティアス&マキシム」が公開されたよ。30歳の幼馴染であるマティアスとマキシムの青年同士の友情と、揺れる恋心に焦点を当てた青春ラブストーリー。公開時には謎のイラストが炎上したりとなんだかなぁなスタートだったけど、個人的にほんとにドランの中でもトップレベルで好きな作品だった。

映画批評などは、プロの方におまかせするとして、ドランといえば、19歳でデビューし、カンヌ国際映画祭では早くから注目され、その enfant terrible:おそるべきこどもっぷりで一躍スターになった監督。カンヌに愛された神童はその後も続々と作品をコンスタントに発表して、『わたしはロランス』を初めて見た時は立ち上がれないほど衝撃的だったし、『たかが世界の 終わり』ではギャスパー・ウリエル、ナタリー・バイ、マリオン・コティヤール、レア・セドゥといったフランスのスターたちが出演したり、『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』ではハリウッドの豪華キャストとタッグを組んで、勢いをどんどん増しているんだけど、今作は、原点回帰というか、これぞドラン!って感じ。期待が加熱してますます派手でインパクトあるものを世界は求めていたと思うけど、それに比べたら地味。でもそれで勝負するとは、さすが。

今作は、舞台も地元カナダ・ケベックだし、“仲間役”には本当の友人たちを登場させているので、出演俳優さんの先入観もないし、より自由でストレートで強くて、芯が通ってる感じがしました。そして、6年ぶりに自らが出演しているのも大きいかも。デビューした時のドランは、若くて、かっこよくて、うまくて、もう怖いものないじゃんって思っていたけど、今回、久しぶりにスクリーンで見ておもったのはどんなにスターになっても、驕らず、彼自身が昔から抱えていた問題やコンプレックスは変わらないし、届けたいこともブレてない。原動力はいつもそこ。30代を迎えた今、それがますますリアルになっていった。

個人的にこの頃のビジュアルが好きで、なんてかっこいいの、こんな人、神様が与えたスペシャルな映画人だと当時は、感じたけど、よーく見ると、今はより人間らしいし、なんなら、わたしのまわりにもいそう。キャリアを重ねれば重ね、成功を収めるほど、逆に身近に感じるから不思議だ。かつては怖いものなさそうな感じがしたけど、そんなことない、普通のおにいちゃんじゃん!

毎回、音楽とのクロスも安定的にすばらしいし、ケベック人だって英語が苦手な人もいるという格差なども知らなかったし、やっぱりケベコワアクセントのフランス語は意味不明だしで、感情を揺れながらも発見も多いのがドランの良さ。

これから40代、50代どんな作品を作ってくれるのか、楽しみ。ずっと追いかけていきたい。そして一度でいいから会ってみたい。では、またー。



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