中止してないよ！「フランス映画祭」開催中。

Salut! Ayakoさん  せっかく東京に戻ってきたのにすぐに会えないのは残念。
帰国のレポート、ここまで詳しいことはあまり報道されていないのでとてもためになったよ。帰国した人は、公共交通機関は使わないようにと言われているのに普通に乗って帰ってしまう人もいるんだよね。なんだかなぁ。
でもAyakoさんがこの自主隔離生活で得たことが今後きっと役に立つから、この状況をプラスに考えて、過ごして欲しい。もうこんなことないから（と願う）

ところで、現在、「フランス映画祭2020 横浜」が開催中！通常は6月に開催されるのだけどコロナ影響でこのタイミングに。上映作品も少ないし、来日ゲストもいないけど、中止でなくてよかった。近年では、配給が決まってる作品が多いので映画祭で見なくても、後日、観賞できるけど、フェスティバルムードの中で一足お先に堪能できるのが魅力の一つ。ということで、もちろん、全部は見れていないのだけど、私のおすすめ作品をいくつかピックアップします！

フランス国内で40万人の動員の大ヒット裁判サスペンス「私は確信する」

フランスで実際に起こった未解決の“ヴィギエ事件”の映画化。この事件とは、38歳の女性スザンヌ・ヴィギエが3人の子供を残して忽然と姿を消し、
夫ジャックに殺人容疑がかけられるが、明確な動機がなく、決め手となる証拠は見つからないし、いまだに遺体も見つかっていないというミステリー。
家出？誘拐？殺害？認知症という年齢もでもないし・・・。

映画の主人公は、シングルマザーのノラ。彼女は、普通に料理人なんだけど
彼女の息子さんの家庭教師をヴィギエ一家の娘さんにお願いしていることがきっかけで、事件に関心を持つことに。夫の無実を信じ、ただ真実を求めるがために時に仕事も家庭も顧みずにひたすら事件の調査をし、その姿はすっかり弁護士の凄腕アシスタント。

裁判サスペンスとあって、法廷シーンも多くて、愛人やベビーシッターなど証人たちが続々と登場したり、事件によって人生を狂わされたヴィギエ一家も出てきるんだけど、何が本当で何が嘘なのか・・・。

実は、私は、普段、サスペンスを見なくて、複雑なトリックとかも理解できず、あれあれ？どういうこと？とついていけなくなってしまうことも。でも、この作品は、さすが、フランス。人間ドラマになっているので、知識も必要なく、ただただ、心が揺さぶられた。それは圧倒的スピード感や法廷の臨場感の中、登場人物それぞれの立場による思い、尊厳的な人間としての倫理的な側面が問われるから。細かいトリックよりも「正義」ってなんだろう、さらには、『私は確信する』という強いタイトルからも分かるように「確信する」とか「信念を持つ」ことは最強だと感じた。

大女優カトリーヌ・ドヌーヴ×監督セドリック・カーン フランス「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」

こういうシーン、フランス映画では頻繁に登場し、カトリーヌ・ドヌーヴもよく出てそうだけど、新作。いろんな問題あって対立したり、喧嘩もするけど、それって家族の愛があるからだよね的な話もよくあるんだけど、もうこれは、キャストの豪華さが素晴らしい。トラブルメーカーの長女クレール役は、監督としても活躍するエマニュエル・ベルコ。『モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由』同様トリッキィーだけど真っ直ぐで魅力ある女性を演じたら抜群。売れっ子俳優、ヴァンサン・マケーニュ、もう彼が名を連ねているだけで「見たい！」と思わせる癖もの。以前は、彼の不器用さが愛おしいと思っていたけど、なんなら、最近は、イケメン枠の主役級的存在。さらに注目なのが、以前 noteにも書いたフェミニズム小説 『三つ編み』の著者、レティシア・コロンバニも出演してその多才さを発揮していたり、最近公開になったばかりの「燃ゆる女の肖像」にも出ているルアナ・バイラミも出ていたり、（今後ブレイクの予感）とにかく、豪華！

フランス映画といえば、ラブよね！
キュンとなるLOVE系もランナップ。両方とも個人的には、ロマンティックすぎてしまったんだけど、冬だし、こういうのは需要ある！

「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」は、立場が逆転した＜もう一つの世界＞に迷い込んでしまうファンタジードラマ。

「マーメイド・イン・パリ」は、パリの街で恋に落ちた人魚と恋をすることができなくなった男の恋愛ドラマ。まじで、人魚だったので、「えーー！」だけど、これはおとぎ話。パリのマジック！この前、書いた「SKAM FRANCE」のマノン役のマリリン・リマちゃん見たさに観賞。彼女の白い肌に赤リップが似合いすぎて最高に可愛い！

その他にもアニメもドキュメンタリーも上映される「フランス映画祭」。
毎年、その多様さと豊さはフランス映画ならでは！さぁ、映画業界に活気を取り戻すぞ！来年はゲストもいっぱい来日してくれますように！

フランス映画祭2020