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デパコスは、ジャングルもしくは迷宮

普段は、していないに等しいくらいの、ほんの申し訳程度の化粧を施し、外出している。施し、とか言っちゃいけないくらいのもの。

マスクをするようになってからは、もはやあんまり見えないし、保湿だけしとこ、えーい、みたいな感じ。


そんな私が、結婚式にお呼ばれしたので、ある程度化粧品を揃えようと思い、百貨店へ行ってきた。

より洗練された身なりで参加したい気持ちもあるが、新婦の友人代表として出席するのだから、彼女や彼女の知り合いから見たときに、彼女が胸を張れる友人でありたい、と思ったのもある。


さて、個人的に百貨店の化粧品売り場はジャングル、もしくは迷宮だ。色んなブランドがあって、これでもかと目眩がするほどに、様々な商品が所せましと陳列されている。そして、それを迷いなく(🔰の私にはそう見える)手に取り、遠慮なく吟味し、怖気づくこともなく颯爽とお買い上げしていく女たち。そんな作法、どこで習ったんだ。身に覚えがないぞ。


一人では心もとないので、化粧の先輩である妹におすすめをピックアップしてもらって、いくつか店を見て回る。販売員さんが丁寧だった1店目で、不慣れな私は、財布を出しかけるが、彼女に押しとどめられる。

「こういうのは、後で来ます言うて一回離れるんや。みんなやってる」

そうだな。気がはやってしまった。いいカモになった気分だし、実際取って食われそうだ。


2店目で、思わぬ対応を受ける。ビビッドな配色のブランドだったのだが、販売員さんの接客が塩過ぎる。塩過ぎて、笑けてくるくらいだった。彼女からすれば、見るからに化粧のうっすい初心者は、たとえカモであってもお呼びじゃないのかもしれなかった。

名の通るアパレルに、ボロ布を纏ってあらわれた客みたいなものなのかもしれない。もしくは、もはや裸やん、と思われているのかも。裸といえば、ハダカデバネズミですね。裸の野郎に、着せる服などないわ!って…コト!?


3店目で、良いアイシャドウに出会えた。他にも抱き合わせで、いくつかグッズを勧められ、またしてもカモネギな私は手に入れるべきなのか、と乗せられかけるが、妹のささやきに止められる。

右側からは販売員さんの熱心な売り込み、左側からは妹の的確なささやき。

「他でも買えるで。そんなん半額以下で売ってる。部分的にプチプラにせんといくらお金あっても足りんで」

ささやき女将を想起させる、暗躍ぶりであった。販売員さんも、何か逆サイドから邪魔が入っているなと分かっていただろうな。


とにかく、その後、プチプラでもいくつかアイテムをゲットし、無事に帰還することに成功した。

妹、大活躍の回でした。

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