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今週のおたより:漫画に上手い絵はいらない?

こんにちは~~竹内です!
明日!原稿!上げたいんだけど!!!!!!というわけで、本日もブイブイ仕事しております。
今月は作画がノってきてかなりいい感じです。

はい顔がいい


顔がいいよ

前話のネームが出来た時に、「キャラがどういう人たちか伝わってきた」という感想を複数いただいていたんですが、今回はその上で「このエピソードをどういう風に見せたいか」というのを明確にして描き始めることが出来たので、作画にも意図を持って、一層楽しく取り組むことが出来ています。

ここ数年を振り返っていて、苦しかったな~と思うことのひとつに「漫画にうまい絵は不要論」があります。
特にSNSを主戦場にしていると、下書きみたいな絵でもバズっている作品が沢山ある。
また売れている作品でも「初めは絵が下手だった」なんて言われるもが多数存在している…要は、「絵は描いてりゃ勝手に上手くなる」もんだというわけで…
こういった傾向から、「絵は下手でもいいから、ネームをどんどん作って、作品を世に出していこう」ということをよく言われていました。
でも私にとっては、自分の中で及第点に至っていない作画を世に出すのは、ものすごい苦痛なのです。
あと一部の評価者から、イラストが漫画に劣っているみたいに扱われるのも嫌だった。一枚絵見るの好きな人、いるよね…?(泣)
こうした意見を聞いた時に、私に「絵は後回しでいいなんて、ふざけんなよ~~!」とはねのける強さがあったらよかったんですが、自分の作品に自信がないこともあり「そういうもんなのかな…」という気持ちで、こうした価値観を受け入れて制作を続けていました。

でもね、私そもそも線引くのすきなんだよ~~~
もう「紙に線を引く」という行為そのものが好きなんです。モノクロの原稿だと、太さの違う線で作ってある遠近感や素材の違いなんかを眺めているのも大好きで、永遠に見てられる。人物だけでなく、背景を描いているのも好き。
カラーに苦手意識はあるけど、お手本になる作品を見たり考えたりして構築するのは大好きです。
「絵がキレイ」な作品が好きで、子どもの時から漫画の一コマをただじっと眺めていることが出来ました。
そんな私にとっては漫画の作画は全工程が楽しい!というご褒美ゾーンなのですが、ここ数年は「私がやるべきは作画じゃなくてネームなんだよな…」という気持ちでもって、無意識のうちに作画にコストを描け過ぎないようにしていて、絵に対する執着が弱まってしまってた気がします。

ですが、最近フリーになったこともあり、自分が何を描きたいのかによりフォーカスしながら作業するようになったことで、絵に対する執着が戻ってきて、ハッとする絵が描ける機会が増えてきたように思います。何より楽しいのよ~~!
技術的にはまだまだですが、自分の「好きな絵」が描けるようになってきたという感覚が、すごく嬉しいです。
もちろんネームは相変わらずへたくそで、面白い漫画を描けるようになるためにこの工程もいっそう努力しなければならないんですが、だからといって絵を諦めたり、ましてや「捨てたり」するというのは、私の特質には合わなかったな~ということを改めて感じています。
制作においては、弱いところを補うのも物凄く大事なんだけど、一方で得意な部分や好きな部分を爆伸ばしする意識をいつも持っていたいな~と。
漫画には決まりがなくて、どんな部分も魅力になると感じているので、私が持ってる武器が最大限に生かされる形で、楽しく制作できるといいな~ということを、改めて感じています。

それでね、まだまだ漫画が上手くなりてぇ~という気持ちしかないもんで、最近は仲良しの漫画家さん方ににネームを見てもらいながら制作しているんですが、これがま~~楽しいんだわ!
ネームを見てもらうのも、見せてもらって感想を伝えるのもすんごく刺激になって楽しいです。いつもほんとありがとうだよ…
特にスゲェなと思うのが、みんな当然のように「言葉で表現できなかったから描いた」といってネーム形式で回答をくれること。これまじ感動するんだわ…(うれしいから全部DLして取ってあるw)
自分では描かない展開や構図が知れてすごく勉強になるし、めっちゃ刺激を受けてるので、皆さんにもおすそ分けします。
私の完成原稿とぜひ見比べてみてね!!!

まずは私が初めに描いたネーム。

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