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女性も男性も愛す、ロンドンの自由な女の子の世界

見るからに美しく女優のような顔立ちの彼女は、その場所にいる男女みんなが大好きになってしまうチャーミングさと自分の揺るぎないスタイルがあった。

彼女の世界はとても自由で、感情的で、いつも話を聞いているだけでおもしろい。

ロンドンに来てばかりですべてに緊張していたわたしはネイティブのみんなと上手く話せないことに落ち込んでいたけれど、彼女にそのことを話すと「あやかが英語を話せないなんて気付いてなかった!coolなだけだと思ってた、話せてるよ🤍」と返ってきた。

なるほど英語を話せないという見方ではなく、わたしの一つのキャラクターとして捉えられているのか、と彼女の何気ない言葉に安心したことを覚えている。

わたしが心を開くと、元々オープンな彼女との距離はどんどんと近くなっていった。

彼女とはよく恋愛の話もした。

「前のガールフレンドはね、大好きだったんだけど、大変なことがあって別れたんだよね」「あれは大変だったね」と、一緒に暮らす親友と彼女は会話をしている。

なるほど彼女がいたんだ。毎日のように男性たちに口説かれているけど、女性のことが好きなんだなと思っていたら、今はデートをしてる彼がいるのと写真を見せてくれる。

なるほど、どっちも好きなのね。

それにしても好きな人の話をする時の彼女はとにかく可愛い。

もちろん彼女にとっても周りの人にとっても、あまりにも自然な会話で、わたし以外気にも留めていない。特にロンドンでは当たり前の日常。

わたしは近くで彼女の恋愛を見ていて、素直に、女性も男性もどちらもこんなに等身大で愛せるなんていいなと思った。

そもそもわたしはなぜ好きにならないのか?本当になったことないのかな?もし世界中が同性との恋愛も異性との恋愛も当たり前の社会だとしたら、わたしは女性に対して自然と恋愛感情が生まれていたかもしれない。

そう思うとやっぱりわたしは社会のなにかしらの意識に影響されているのだろう。

異性同士の恋愛が当たり前という意識が強くある日本だからこそ、どちらも好きになる可能性があっても、無意識にまずは男性との恋愛を選んでいたのかもしれない。

だけどもしわたしがこのままずっとロンドンに住んでいるとすると、どこかで自然と女性のことも好きになると思う。

この場所では、性別に関係なく人を好きになることが自然なことだから。その素晴らしさと豊かさを楽しんでいる人たちがたくさんいるから。本当に純粋にそのピュアな愛を見た時に、愛おしい気持ちになるから。

わたしはとにかくこのロンドンの空気が好き。なんでもいいよというこの空気。多様な愛が、多様な価値観が受け入れられてハグされている空気。違いを超えて、個人の個性が常に尊重されていること。それ以上に大切なことってあるのかな。

それぞれの土地にはそれぞれの文化があり歴史があり、その上で今の社会の制度が成り立っていることはよくわかる。だけど自分が生まれ育った土地の文化や社会と、自分が完璧に重なることはなかなか難しい。

時代に合わせて社会の制度が変わっていくことは大切なことだけど、それ以上に、社会の意識と自分の心は別の場所にあってもいいんだと知っておくことは、自分の心を守るために必要なことだと思った。

社会の中で隠れていた自分の一面を知れることや、自分の中に自然と宿る感情や感覚を肯定できることは、外の世界では全く見えない部分だけど、自分の人生にとってはとても大きなことである。

それぞれの感覚は、その人が持って生まれたギフトでもあると思う。ひとつひとつ自分の中で大切にしたいし、大切にしてほしい。本当に、どんな感情であっても。自分の中だけでも。

きっともっと、わたしたちの愛の世界は自由なんだと思う。


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