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親友が担任と「嫌い」と主張し合った話

今まで見る専門だったnote。
いつか自分も書こうと思いながらなかなか手が出せなかった(出なかった)note。

はじめての記事は自己紹介やこれからやりたいことを書くのがおすすめです。
とnoteさんも言っておられますが、わたしが今から書こうとしているのは自己紹介でも、これからやりたいことでもなんでもない。

ただちょっとおもしろい話を思い出したから、書き留めておこうと思った。それだけ。

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少し前に、実家に帰って夜ごはんを食べた。
結婚してからというもの、実家に帰る際には旦那さんも一緒であることが多かったので、わたし単身で実家に帰るのは久々であった。
「たまには人の作った家庭のごはんが食べたい」きっかけはただそれだけだ。

決して良い生徒ではなかったわたしは、旦那さんがいる前で昔話はあまりしたくなくて避けていたので、この日は久々に昔話になった。

わたしの親友にみっきーという子がいる。
彼女ももう二児の母。大変立派である。
職業は保育士でとても明るくて能天気というか、一緒にいてとにかく元気をもらえる。

そんなみっきーも昔は少々ヤンチャだった。

わたしたちが中学3年生のある朝、いきなり7組の担任が教室にやってきた。
わたしたちは4組。コの字型の校舎では4組と7組は対角線上にあった。
そんなもっとも遠い教室の担任がはるばる4組までやってきて一体何の用なのか、誰もが疑問に思っていたように思う。

7組の担任、T先生が重々しく口を開いた。(ちなみにこの時わたしたち4組の担任は教室にいなかった)
「このクラスでいじめがあると聞いている」

ふーん、そうなんだ。
これがわたしの正直な思いだった。
クラスの中で目に付くところにいじめはなかったし、自分がいじめられたり、いじめたりはもちろんなかったからこう思ったんだと思う。

T先生が続ける。
「自分がいじめをしていると思ったやつは正直に手をあげろ」

もちろん誰も手をあげない。わたしも他人事のように聞いていた。

誰も手を上げないことに痺れを切らしたのか、T先生がいきなり声を荒げて4名の名前を呼んだ。
そこにはわたしと、みっきーと、仲が良く、いつも一緒に行動していた2人。わたしたち仲良し4人組の名前が呼ばれた。
鳩が豆鉄砲を食ったようとはまさにこのこと。4人ともキョトンとしていた。
当たり前だ。心当たりがみじんこほどもない。

詳細は覚えていないが、何やら私たち4人がクラスのとある男子をいじめているという告発があったとのこと。

・いや、そもそもいじめてないし
・いじめるにしてもなんでこの男子?(特に仲良いでも悪いわけでもない男子だった。仮にいじめるとしたら他にもっと目につくやつがいた)
・ていうかだったとしたらうちの担任が話したら良くないか?
・なんで対角線上のいちばん遠いクラスからわざわざお前が来たん?
・うん、なんでお前が来たん?でしゃばりか?

もう20年近く前のことなので覚えていないが、T先生は諦めたのか納得したのか、とにかく教室を出て行った。その矢先、みっきーが声をあげた。

「そもそもなんでTが来るん。いっちゃん遠い教室やん。アイツ関係ないやろ」(関西弁&少々言葉遣いが悪いのは若気の至りということで赦してほしい)

いや、まじそれな!
なぜかいじめの犯人にされたわたしを含めた3人が相槌を打つ。

バァァン!

教室のスライド式の扉がすごい音を立てて開いた。
そこには鬼の血相のT先生。どうやら先ほどのわたしたちの会話が聞こえていたらしい。

T先生はみっきーの胸ぐらをつかんでこう言った。

「お前、先生のこと嫌いかァァァァ!!!」

すかさずみっきーが答える。

「嫌いじゃァァァ!!!」

「俺だって嫌いじゃァァァァ!!!」

いや、何これ、なんの茶番。
先生と生徒が大声でお互いを嫌いと言い合う、何この状況。

とにかく笑った。笑いすぎて立てなくなるぐらい笑った。

そのあと、わたしたち4人は教育指導室に連れていかれたが、特に咎められることもなく、帰されたように思う。
みっきーに関しては親に連絡が入ったのか、覚えてないが、いまだにうちの母とみっきーママはこの話をして爆笑しているらしい。(お互い寛容な親でよかった)

当時は「あー、笑った」という感じだったけれど、今思い出すと相当レアな出来事だったように思う。
いまの時代だと先生が生徒の胸ぐら掴むことも、声を荒げることもしにくいだろうしね。
当時のT先生は27歳ぐらいで、今のわたしよりも年下だし、なんだか可愛く思えた。
T先生、お元気ですか。

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なんてことない小話。久々に3人に会いたいなぁ。

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