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元カレにブロックさせた日

ちょうど一週間ほど前、元カレと喧嘩をしていた。
同じ職場の元カレとは、彼氏である頃から喧嘩が絶えなかった。

そらそうだ、私は極度のメンヘラで彼は極度の童貞なんだから。

彼氏がしてたら嫌なことも嫉妬も、彼が理解できるわけもなく、だからと言って私がそれを許容できるわけがなかった。

私は別れを切り出された時、彼に2択を迫った。
「私かあなたが会社を辞める」もしくは「女性社員との距離を一定に保つ」
そのどちらかでないと、もう一緒には働けないと伝えた。

別に彼が浮気をしたわけでもなんでもない。
ただ童貞が処女にちょっかいかけられて喜んでしまっただけだと頭ではわかっている。
ただそれが心底気に食わなかったのだ。

それで何度も喧嘩をした、終いには自殺未遂までした。
人を自殺に追い込むのなんて本当に簡単なんだな、と改めて思った。
彼らが私の自殺未遂をどう捉えたかは知らないが。

話が逸れてしまったが、彼は結局「女性社員との距離を一定に保つ」方を選んだ。私が今の会社を辞めることは勿体無いんだと。

そして契約を結んだ上で同棲していた家は解約し、それぞれ同じマンションの別部屋に引越した。
何故同じマンションなのかは明確である。「共依存」であり私が「自殺未遂をする精神病患者」だからだ。

結局彼も私から手を離すことはできなかった。それが「共依存」なのか「自分のせいで自殺未遂した女」にしたくなかったからなのかはわからない。

ただ、「俺はあなたの介護をする」そう言って同じマンションを選んでくれた。

だけど日々を過ごしていくうちに、私の彼への想いはぐちゃぐちゃになって募っていく一方だった。
仕事も繁忙期を迎え、朝帰りなんて当たり前の日常で、彼が私の介護ができる余裕なんてなかった。

私もそれを理解していたつもりで、あまり負荷をかけまいと必死だった。
躁鬱のせいで莫大に膨れ上がった怒りの感情を出してたまるかと必死に唇を噛んでいた。

その矢先だった。彼は私に報告せず、ちょっかいを出してきた女と二人で倉庫に向かったのだ。

もう無理だった。限界だった。ただの仕事だとわかっているのに。
今まで我慢してきたじゃないか。裏切るなんて酷いじゃないか。
そんな思いが溢れ止まらず、今までの怒りを全てぶちまけるかのように彼を怒鳴りつけた。
彼も負けじとキレてきた私にキレ返していた。

しばらく怒鳴り合いを続けた後、冷静に話を始めた。
今回は事例だけ見たら契約違反だから謝る、だけど俺もしんどかった、と彼は言った。そうだよ、私もあなたも今、本当にしんどいんだよ。

わかってる?だから一緒にいたらいけないんだよ。
それが共依存なんだよ。ねえ元カレ、わかってるの?

「もう会社を辞めるよ」「あなたを苦しめたくないし私ももう限界」「離れたほうがいいよ」「会社もやめてあなたのこともブロックするからさ」
そう淡々と離す私に彼は涙をこぼして言った。

「それは自分ルールがあるからできない」と。
「介護はする」「あなたがこの仕事でやりたいことをやりたいだけできる姿をみる、そのために一緒に働く」これが彼が決めた自分ルールだった。

側から見たら勝手に思うだろう。私も思う。
だけど彼のセリフを聞いて安心してしまったんだ。
あぁ、まだ彼と一緒にいられる、と。

自分が依存していることに嫌というほど気づいている。
そのせいで周りに迷惑をかけていることもわかっている。
だけど、彼を求めてしまって仕方がないんだ。

どうにか少しだけでも前進したくて「出張中だけでも私のことブロックして、忘れてよ」「気が楽でしょ」と提案した。
最初渋っていた彼だったが、前進したい気持ちは同じだったようで受け入れてくれた。

そして出張最終日にこの記事を書いている。
なぜかというと、ラインが来ないことが心底不安で吐きそうだからだ。
強がってブロックさせて、「離れなきゃだよ」なんていったくせに
この日を待ち望んでしまっていた。本当にそんな自分なんて死ねばいい。

待ってはいけない、連絡してはいけない、思い出すな、寝ろって思っているのに思考は全然いうことを聞かない。
理性と感情を2人の人間に分けたとすると、感情の人間だけ力が強すぎるだろう。圧倒的に感情が勝つ。むしろ感情しかない。理性の家出。

怖くなって手が震える。もしかしたら明日会社で会うまで連絡なんて来ないんじゃないか。彼は今日が終わるまでを出張と捉えているんではないか。でもそうだとしても、もう私には彼を責める元気も彼と向き合う勇気も残っていない。ただこの空白の時間を埋めるかのように文字を書き、自分を責め、自傷し、薬を飲んで眠りにつく。

今の私にはそれしかできることがない。
何でこんなにも弱い心で生まれてきたのか。
何故他人に自分の生死を委ねないと生きていけないのか。
何故彼を選んでしまったのか。
私が彼を選ばなければ、きっと彼が泣くことは無かったろうに。

それでも明日は来てしまうので、死ぬスレスレのルーティーンで
彼からの連絡を待ちながら寝たいと思う。
明日はもう少し苦しくないといいな。

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