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摂食障害を治したくなったきっかけ¦#摂食障害克服

こんにちは!助産師アヤカです。

こんな名前をしていますが、今日は助産師のお話ではなく、摂食障害のお話をしたいと思っています。
「助産師という職業」「摂食障害」
全く関係ない訳ではないと個人的には思っています。

摂食障害で苦しんでいる方、そうでなくても、生きづらさを感じている方にぜひ読んでいただきたい記事になっています。


はじめに

タイトル「治したくなったきっかけ」ということで、わたし自身摂食障害が治っている訳ではありません。(2024年7月現在)
食べすぎちゃったと思ったら吐くし、体重計に乗って数字が減っていたら喜びます(照)

なので、「あんたも完治してないんかーい!」と言われるとそれまでなのですが、
最近すごく生きやすくなったきっかけがあったので、ぜひお話ししたいと思って記事に残します。

いつか完全に治ったら、「治し方!!!!」と豪語して記事にしたいものですね(笑)


助産師アヤカの摂食障害歴

早いもので、10年選手になります。おそらく。
拒食(無自覚)→非嘔吐過食(15kg増)→過食嘔吐(BMI18〜19)
という、教科書かしら?と思うくらいあるあるな経過で今に至ります。

拒食症時代


中学生の頃、誰かに太ってると言われたわけでもなく、何がきっかけかはわかりませんが、
「痩せているアヤカちゃん」にアイデンティティを感じ、体重管理にはまる。
母親がアイスを買ってきたら、「家にあったら食べたくなるやんけええええ!!買ってくんなあああ!!」と怒鳴り、ふりかけのカロリーまで考えたカロリーコントロールを行い、遠目で友人のふくらはぎを見て勝手に比較しては自分は世界一太っていると落ち込む毎日でした。(おそらくBMI17くらい?だった気がします。)

自己紹介の記事にも書かせていただきましたが、勉強によるストレスが原因だったのか、母親からよく成績などを他人と比較されていたので、自分でも体型を比較するようになったのか。
なんせ無自覚だったし原因ははっきりとわかりませんが、自分をコントロール出来ている感覚が心地よかったんだと思います。

非嘔吐過食時代

高校入学(高校受験終了)をきっかけに張り詰めていた糸が切れる感じで、拒食から一気に過食に転じました
「菓子パンうめぇ!リプトンの紅茶うめぇ!!」今までなら絶対に食べられなかったハイカロリーなものがやめられなくなってしまいました。
当たり前にどんどん増えていく体重
ありがたい事に太った事に関しては他人に何も言われませんでした。みんな優しい。あ、おばあちゃんにはお相撲さん見たいって言われたかも(笑)
まあ何より、太った自分を自分が許せるはずもなく
この頃から摂食障害かも?と悩むようになり、SNSで摂食障害の仲間を見つけ、共感をしつつ、過食嘔吐の人に憧れを抱くようになります(地獄の始まり)

SNSで出会った友人の一人とは今でも旅行に行く関係◎

過食嘔吐時代

忘れもしない、高校2年生の5月1日
いつも通り過食した後、お風呂場で喉に手を突っ込むと案外すんなりと食べたものを全て吐くことが出来ました。
「うおおおおこれで食べても太らない体を手に入れた!!!」と大喜び。
当時は喜びしかありませんでした。そこから1ヶ月もしないうちに15kg近く減り、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

この日から大学卒業までの約6年間は365日吐かない日はありませんでした
私の場合は病的に痩せたいという願望はなく、「吐くために詰めて(食べて)吐くという行為」に依存しているという感じでした。

こんなものを毎日何回も詰めては吐いていました。
食費もバカになりませんでした。
実家の子供部屋絨毯が懐かしい。

最初は吐けることに喜んでいたけど、どんどん増えていく食費と虫歯。自分から壊してく人間関係に嫌気がさし、過食嘔吐やめたい、でもやめられない、という負のループにハマっていきます。

高校時代にデート中「過食嘔吐したいから帰る」と言って困らせたり、大学時代にお付き合いしていた方のこともたくさん振り回しました。
それでもそばで見守ってくれて、全力で肯定して愛してくれてありがたかったな。ありがとうね。

マジで今見ると泣ける。愛されている。
でも当時は本気で「こっちは痩せたいんじゃ!!!」って思っていました。

「過食嘔吐をやめたい」とずっと思っていた

過食嘔吐をやめたくてしたこと
❶本を読む
❷食べたもの、吐いたものをレコーディングする
❸受診する
❹摂食障害のテーマで卒論を書く
主に上記4点です。

本を読む
大学の図書館や本屋さんで「摂食障害」と書いてある本はほとんど読みました。
その感想としては、「頭ではわかってるんだけどね。ま、そう簡単には変われないよね〜。」というところ。

食べたもの、吐いたものをレコーディングする
これは、可視化したらどれだけやばいことをしているのか自覚できるのではないか?という気持ちからやってみましたが、「やばいな〜食費。こんなにやばいのにやめられない自分終わってる。死にたい。以上。」って感じ。

レコーディングと一緒につけていた日記の一部が切なすぎて。
辛かったね、がんばってたねってぎゅーしてあげたい。

受診する
これは、今でもあの光景が目に浮かぶくらい鮮明に覚えています。母と一緒に受診し、聞かれた質問ほぼ全てに母が答え、医師に「お母さん黙って」と怒られていました(笑)ウケる。ここでも食事ノートをつけるように言われ(おそらく認知行動療法の一環)食べたものが多すぎていちいち書くのが面倒になって通院しなくなった不良患者でした。

摂食障害のテーマで卒論を書く
過食嘔吐に悩んでいた私は精神看護のゼミに入り、摂食障害をテーマとした卒論を書きました。主に、過食嘔吐の人が回復したきっかけはなんだったのかというテーマで文献検討をし(自分が知りたかっただけ)結論は自助グループに参加したことになりました。しかし、私が自助グループに行くことはありませんでした。なんかハードル高いよね。みんなどうせ私より痩せてるし。


なんやかんやもがいていましたが、心から摂食障害を治したいとは思っていなかったのだと、今ならわかります。いや、過食嘔吐という行動はやめたかった。でも、当時のそれを手放すことは不可能だった。自分が生きるには、過食嘔吐をするしかなかった。

なぜなら、痩せた自分しか愛せなかったから。自分を愛し認めるためには痩せてないといけなかった。

「摂食障害を治そう」と思えたきっかけ

結論から言うと、今の私は「過食嘔吐をやめたい」とは全く思っておらず、「自分が可愛すぎて、大切すぎて、痩せていても太っていても吐いていても吐いていなくてもプリティやん」って思っています(クセ強)

自分のことを条件付きでしか愛せなかった私が、自分のことを心から愛することができたきっかけは、自己分析をしたことです。

転職を検討する中で、自分がどのような人間なのか、どのような助産師になりたいかを考えました。自分の過去や長所、短所、価値観、憧れる助産師像、そうでない助産師の特徴などを細かく書き出し、何が得意で、それを活かして最終的にはどんな助産師になりたいのか、そうなるためには今しなくてはならないことは何なのかを考えました。
できるだけ感情を捨て、論理的に言語化しました。(この考え方は夫に出会って芽生えたかも。人は皆完璧ではなく、向き不向きがあるってこと。)

その中で、私は最終的に「話していてホッとする、愛に溢れる、全てを受け入れてくれるお母さんのような助産師」になりたいと思いました。もちろん、知識や技術は持った上で。(そうでないとただのオカンになってまう)

こんな助産師になりたいと思ったときに、自分が「体型」なんていうちっぽけなことで自分を愛するか愛せないかを評価しているのはおかしいのでは?と気づきました。
そこからマインドが「過食嘔吐(という行為)をやめたい(我慢したい)」から「どんな自分も可愛いんじゃないの?てか、過食嘔吐なんてしなくてもいいよ…!まあしちゃう時もあるけどね〜😉」へと変化しました。

ちなみに私は、今の私(完治していない)も大好きなので、吐いてもオッケーって思ってます。何してても自分、かわちい。

助産師だからこそ、伝えたいこと

助産師だからこそ、摂食障害に苦しむ方が減ってほしい、摂食障害を治そうと前向きに考えてくださる方が増えてほしいとよく思います。

その理由としては、まず妊娠すると必ず体重・体型が変化していきます
つまり、ボディイメージの混乱が起こるわけです。

それに耐えられないと、メンタルの不調であったり、赤ちゃんに対する愛着障害につながると考えます。
また、妊娠中に食事制限を継続していると必要な栄養素が胎児に届かず、胎児が十分に育たなかったり、赤ちゃんが産まれた後、大人になってから生活習慣病になりやすい体になってしまったりします。

何も、妊娠中のことだけではないです。産後のホルモンバランスの変化で最も精神的に不安定になる頃。そこで痩せや体型に固執していると、摂食障害がさらに悪化する要因にもなりうると考えます。産後うつにもつながりそうですよね。

そもそも、妊娠したいと思った時に低体重によって妊娠できない可能性もあります。

そのため、女性の一生、特に周産期に関わる助産師として、摂食障害に苦しむ人が一人でも減ってくれたら嬉しいなと思って、自身の体験を発信しております。

おわりに

一番言いたいことは、あなたは今のままでいいんだよってこと。

摂食障害に苦しむ方って、本当に真面目で、頑張り屋さんなのです。これは本当に。
「まあいっか〜失敗しちゃった〜てへぺろ。」
って思える人は、中々ならない病気です。
そんな真面目で頑張り屋さんな自分をぎゅーっと抱きしめてあげてほしい

痩せていても、食べられなくても、食べすぎても、吐いても、太っていても、自分は自分しかいない。
自分が一番自分を愛してあげられる。自分だけは絶対に裏切らない。そう思って、どんな自分でも愛してあげてほしいと思います。

きっと少し前の私はこんな言葉を聞いても、ふーんとしか思ってなかったと思います。だから、渦中のあなたには
「吐いてもいいんだよ。それでも、生きていたらいい。」
という言葉をかけてあげたいです。

ただ、自分を嫌いにならないで、いつか愛してあげてほしいな。

助産師アヤカ🤱

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