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「怒らない育児」は続けられるのか


私は、子どもを産む前から決めていたことがある。

それは

「子どもに対して、絶対に怒らないこと」


それが今日、崩壊した。


まだ、2歳なのに。

育児は何十年と続くのに、この目標は2年で崩壊した。


絶対に怒らないと決めた背景には、自分の幼少期に感じた思いがあった。

母はよく怒る人で

無視されたり、謝っても許してくれなかったり、家に入れてもらえなかったり。

今思い返すと相当やばいけど、その当時は普通のことだったと思う。


それでも、幼いながらに私は、自己否定されている気持ちになった。

母の顔色をうかがうようになった。

それは、今でも同じ。


だから、息子には「自分を愛する」ことを自然にできる子に育って欲しいと思った。

怒る=否定とは思わないし、それぞれの教育方針があって当然だが、

私は怒るのはなく、その場で、一旦落ち着いて、冷静になって説明したいと思っていた。


ただ、今日ばかりは怒りが沸点に達してしまったのだ。


きっかけは些細なこと。

息子が飲みたいと言ったはずのジュースを注いだ後に、

やっぱり飲みたくない
いや、やっぱ飲みたい

を繰り返して呆れていたのがきっかけ。

やっとコップを手に持ったかと思いきや、そのまま床に投げつけ

リンゴジュースは四方八方に飛び散った。


その瞬間、私はため息をついた。


怒るまいと子どもにYoutubeを見させながら、

黙って床掃除をした。


「今話しかけたり、関わったりしては、いけない。」

「今接したら、必ず怒ってしまう」


そう思ったから、距離を撮った。

しかし、夕飯を食べていると

口に入れたものをわざと出したり、食べ物を投げたり・・・

その都度黙って、床を掃除していたが

ついにヨーグルトが床に飛び散った時に

私はカチンときてしまったのだ。


「ママ、怒っているからね。もう食べないんだね、ご飯下げるね。」

「そんなことしていると、お化けくるよ」


顔も見ずに、言った。

だめだ、と心の中でわかっていても抑えきれない。


「もう知らないから」


子どもの時、言われて苦しかった言葉を、放ってしまった。


息子はお化けというワードに怯え、私に抱きついて泣いた。

そのとき
きつく私の服を握りしめ、これ以上ないくらいの大粒の涙を流す息子を見て

私まで涙が出た。



そうだ、2歳。まだ2歳だ、この子は。

小さい体で、痛いほどきつく抱きしめるその手を、私はそっと握った。

「ごめんね。怖い思いさせてごめんね。」

「ママもまだ、ママを始めて2歳なんだ。」


私も息子の背中をぎゅーっと抱きしめ、2人で丸くなって泣いた。


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