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亡くなった人との心残りを解消した悲嘆療法の話(5)

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この記事は私のYouTube動画を書き起こしたものです。
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(承前)

これが基本なんですが、今回の私の悲嘆療法のセッションはちょっと変則的な形で進行しました。というのも、実は、銀髪さんが、セッションの場に出てきてくれなかったんです。その代わりに、銀髪さんの奥様が、伝言係のような役回りで出てきてくださいました。ちなみに奥様はご存命です。私はお葬式の時にご挨拶はさせていただきましたのでお名前とお顔は分かりますが、それ以上でも以下でもない関係、と言いましょうか。

お呼びした相手が出てきてくれないというのは、セッションガイドとしても、受ける側としても初めての経験でした。はっきりと理由は分からなかったのですが、どうやら、銀髪さんの思想信条の影響によるようでした。

銀髪さんはキリスト教徒だったので、一度命が終わると、生きている者たちとコミュニケーションが取れない、あるいはとってはいけない、と定められているのか、そのあたりの事情が関係しているようでした。伝言役の奥様を挟みながらだったので、はっきりとは分からなかったんですけどね。

「伝言役を挟んでも、結局コミュニケーションとってるじゃん、それはいいのか?」と、気になる方もいるかもしれません。銀髪さん本人は厳格にキリスト教の教義の制約を受けているけれど、日本で生まれ育った奥様は銀髪さんほどではない、死後も魂と語り合うということに奥様の方が抵抗が薄いということで、代わりに出てきてくれた、ということなのかなあと私は感じましたが、その辺は正直私にも良く分かりません。

まあとにかく、伝言役の奥様を挟んで悲嘆療法の対話は続きました。

(続く)


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