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Pay Forward ありがとうの届け方

うちのおばあちゃんの口癖は「ありがとうありがとう」だった。必ず2回連呼する感謝の言葉。スタスタと歩く。子どもの私と背丈が変わらない小ささなのに、めちゃくちゃ歩くのが速いばあちゃんだった。

そういうふうに人の記憶に残るのは素敵なことだと思う。おばあちゃんは100歳をゆうに超えてから亡くなった。亡くなってからもう15年ほどになる。

最近、お礼の仕方について考えている。

今、すごくありがとうを届けたいファミリーがいる。お礼を言おう言おうと思っているうちに半年が経過してしまうことに気づいた。ありがとうに何を添えようか。それを考えると、初めはアイデアが浮かぶたびにワクワクするのだが、段々と憂鬱になる。困ったものだ。

感謝を言葉だけでなく態度で示せ!と誰かに言われたわけでもないのに、感謝を表現する時にお礼のブツがないとどうもカッコがつかないように感じてしまう。だが、もらう側になると、それをくれることについては本当に心から嬉しいけれど、そのブツ自体は正直に言うと要らないんだよねぇ…となることが少なくない。

クリスマスが近いこともあって思い出す。子どもの頃はプレゼントが大好きだった。今の子どもたちもそのようだ。もらうこともあげることも楽しいのだ。確かに、今もそれは分かる。

私が今「物」に対して猜疑心の塊だから、思考をこじらせているのだろう。

Pay Forward はお礼の仕方について考える中、思い出した昔の映画の題名だ。日本語にすると、「お返しじゃなくて先返し」⁈  お礼をしたい相手に返す代わりに、他の誰かにいいことをしようよ、という話だった。この映画を観てこの精神が気に入って、そう意識するようになった。

とはいえ、返礼も大事だ。ありがとうと言われてイヤな気分になることは稀だ。自分の配慮や苦労をわかってくれること、それを知らせてくれる行為こそが愛情だ。

では、どう伝えるか。ブツを送らないにしても言葉の届け方も難しい。LINEでピッと送るのでは軽々しすぎるように思うが、手紙もそれはそれで相手の負担になるかもしれない。アメリカのカード文化は便利だと思う。Thank you カードにさっとサインして送る。Eカードでも問題ない。そうだ。去年から習っている書道!サッとカッコよく一筆書ければ、一言であっても誠意が伝わりそうで手頃だ!鍛錬あるのみ。

ありがとう。それは思っているだけでは伝わらない、伝えないと意味がない言葉。伝えるチャンスを逃さないようにしたいものだ。


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