ツイステコス動画事件の余波を探れ

数日前に投稿した記事、ツイステことディズニーツイステッドワンダーランドのコスプレ動画で踊ってみた件…ここではツイステコス動画事件と呼ぶ…の問題点を探る記事は、たった3日で前後編合わせて2千もの閲覧数を叩き出した。それだけ、センシティブな話題であったことが窺える。
記事を投稿した後、当事者の1人がコメントを出した。別に読んではいないが、休止するにも復活するにも茨の道だろうとは容易に想像つく。ただ、多少なり有名人だ、それ相手に個人情報を特定したり私刑に走ったりする連中は
「有名人相手には何をしてもよい」
と云う、敵国条項のような歪んだ正義を振り翳したい、簡単に言えば知能が可哀想な奴らだと思う。

さて、本来この件に関しては、書きたいことは書いたし、これ以上言及する必要は無いと思っていた。しかし、その余波が急速にコスプレ業界に押し寄せてきたことは、触れなければならないと思った。

今回の記事の発端は、ツイステコス動画事件とは全く無関係のメンバーで、鬼滅の刃か何かのコスプレで踊った動画を盆休みの期間中にアップしようとしていたコスプレイヤーが、アップを延期すると云うツイートをしたことだった。
日本語…2バイト文字では1ツイート140字が上限のTwitterにおいて、長文になる場合は連投するかメモアプリに書いたものをスクショして画像として投稿することが主流だ。それには、万全の対策も施した上で収録もしたが、今回の事件を踏まえると今アップすることは関係者を巻き込んで炎上するリスクが高い、として延期すると云う旨が書かれていた。
顔出しである以上、どんなに対策をしてもコスプレは問題視された時のリスクが高い。その意味では賢明な判断…とは思うのだが、同時にスタジオ撮影でさえ密集と云う理由で炎上することを恐れ、スタジオのキャンセルが急増していることが判明した。それが、ツイステコス動画事件で最も恐れていたことだ。

何人でやるのか、で規模は変わってくるが、自身はそれが二桁になると大型だと思っている。ただ、最早その規模に限らず、この社会情勢下でコスプレ自体、自らリスクを高めることをしているとして叩かれる。対策をアピールしても、現場で確認しなければその真偽も判らない。
イベントに行こうとするのも躊躇するほど、些か過剰気味に反応している感が有る。尤も、今は過剰反応気味でも足りないぐらいなのだろうが。
物理的な対策をアピールされても、心理的な不安が残る以上は躊躇せざるを得ない。今回の場合、キャンセル料は安全を買うためのサービス料、と言える。
ただ、そのキャンセル料は少なからず入ってくるとしても、新規の予約が入らない以上はスタジオの事業存続は厳しくなる。また、スタジオの管理人はスタジオ所属の有料カメラマンを兼任し、ロケなどの同行で稼ぐ場合も多いが、それでもロケ自体が無いため、その撮影料でスタジオの運転資金に充当することすら難しい。

ただでさえ、緊急事態宣言前から休業に追い込まれ経営が逼迫し、ようやく営業を再開する運びになったが、再度緊急事態宣言が発令されても不思議ではなくなった今、再度経営危機に陥ることになる可能性は大いに有る。
そこに追い打ちを掛ける結果になったのが、ツイステコス動画事件によるスタジオのキャンセル多発だった。完全に貰い事故だが、そのダメージは致命傷になりかねない。

普通、こう云う事件は着火すると一気に燃え広がるが、その分鎮火も早い。以前アコスタで発生した来場客同士の暴行事件も、鎮火は意外と早かった。
しかし、今回は既に鎮火したように見えて別方面に延焼している。
扱ったジャンルとタイミングが最悪の形で化学反応を起こし、この当事者がなまじ有名人だったことが最大の燃料として、これだけの騒ぎになった。恐らく、ここまでコスプレ業界が荒れたのも久々だと認識している。

少なからずカリスマ性と影響力を持つ者としての在り方を問う事件だった、としてこの記事を締めたいが、今回触れた余波が業界にどう影響するのか、見届けたいと思う。自身のカメラ活動にも直結しかねない問題だけに。

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