ツイステで露呈するコスプレの不都合な真実(前編)
自身は、今こうしてnoteに記事を書くことを趣味の中心にしているが、元々趣味は字書きだけでなくコスプレ写真も有った。それは15年ほど続けてきたが、今回書く記事は、自身の記事で度々槍玉に挙がるスマホゲーム、ディズニーツイステッドワンダーランド…略称ツイステの件を機に、コスプレの闇の一部に触れる。それは一部と云っても、大きいのだが。
さて、マナー違反だの何だのと日常茶飯事で学級会が発生するコスプレ業界。しかし、コスプレイヤーの9割以上がマナー以上に遵守すべきルール違反を犯している事実は、業界全体にとっても不都合な真実だ。
ディズニーは著作権管理に五月蠅い、それは周知の事実だ。それは公式画像の使用に関して、グッズに関してもそうだ。その上で現在一部のコスプレイヤーを中心に話題になっているのが、ツイステのコスプレの話題だ。
コスプレには最低限、衣装が必要だ。今は最低限、それにキャラに髪色と髪型を寄せるためのウィッグ、キャラに寄せるためのメイク、キャラの身長に寄せるための厚底ブーツ、キャラの目の色に寄せるためのカラコン、そしてキャラの顔型に寄せるためのサージカルテープが必要とされる。
そこまで施してディテールにこだわることが「原作様からキャラをお借りしている…但しほぼ全てのケースで無断だが…以上失礼が無いように配慮し」、「キャラ愛とリスペクトを持ってコスプレをする」ことだと云う認識が強い。但し、それの本質が他者へのマウントであることが多く、甚だ滑稽だ。そもそも、何を以てキャラ愛なのか、曖昧過ぎる。
さて、その衣装も自作派と購入派で分かれる。自作することがキャラ愛なのか、購入することがキャラ愛なのか。不毛ではあるが、この争いは事実起きている。
バンナム…バンダイナムコが配信するアイドリッシュセブン…以下アイナナは、共に業者製衣装をNGとした。
「衣装買う金でミシン買お?布も買って自作しよ?」
と、遠回しに自作こそ愛だと息巻く自作レイヤーもいる。
ただ、ここがポイントで、この業者製とは「非公式品」、簡単に言えば海賊版のことを指す。これが、コスプレ業界の闇なのだ。つまり、公式衣装であればクリアする。
Amazonを初めとする各ECサイトでも、業者製は売られている。その各ストアの説明で見られるのは「(キャラ名)風」だ。わざわざ「風」を付けるのは、著作権対策だ。
あくまでも「(特定のキャラっぽいが)あくまで店のオリジナル衣装」と云う説明をしたい。そうすれば
「購入者が、当社のオリジナル衣装を特定のキャラっぽいと言って着ているだけ」と云う、版権管理者へのエクスキューズができる。
一部サイトでは、堂々と特定のキャラの衣装だと書いているが、この海賊品がコスプレ衣装と云うカテゴリーで市場を築き上げている。
公式衣装を購入しない理由は、価格が高いことと市場に出回るのが遅いと云う理由が挙げられる。
縫製などの品質は公式の方がよいが、その分高く、しかもライセンス料が嵩む。公式衣装1着の値段で海賊版を2着購入できることはよく有る話だ。
また、市場に出回るまでの遅さは仕方ないことではある。極端な話、海賊版の場合は売りたいと思えばデザインを調べ、材料を選び、型紙を準備して生産に入るだけでよい。だから最新の衣装でも出回るのが早い。
一方、公式衣装の場合はまず衣装販売を企画し、版権元とライセンス契約を結ぶ。それからの生産準備、生産となるが、その契約が1日や2日で終わるワケではなく、更にライセンス料も含めたコストに対して利益が出せるのかの計算もしなければならない。
つまり、生産にゴーサインが出るまでの時間が掛かり、結果として製品が出回るのが月単位で遅い。これは正当な手続きを踏んでいるために仕方ない。
しかし、ゲームは多少なり息が長いが、アニメの場合は1クール…3ヶ月でひとまず完結するものが多く、公式衣装が出回る頃には放送が終わり、次の作品が始まっていることも少なくない。
コスプレは好きなキャラや作品をやるものだと云うが、一方で旬な作品に注目が集まりやすく、やるなら周囲がアツいうちにやりたい。そして、半ば消耗品として安く調達したい。
そうなると、早く出回り価格も安い海賊版は、そのニーズを満たしている。そして、多くのレイヤーはそれが海賊版だと云う認識は有るが、その上で購入する。一部は、その認識も無かろう。
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