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がんも感染症も自己免疫力次第

いままで、ガンの診断、治療、副作用軽減の中医学ケアについて書いてきました。

いつからガンになったとは定められず、徐々にがん細胞が増殖していった結果、腫瘍として存在し、がんと診断されます。

では、最終的にその診断が下る前に何か日ごろからできることはないかと思います。

品行方正な生活ががんを避けるという確信はなく、ただ養生は大切です。
国立がんセンターががん予防ガイドラインを作成しています。

ガイドラインは小冊子になっています。↓↓
https://epi.ncc.go.jp/files/02_can_prev/23_0222_E7A791E5ADA6E79A84E6A0B9E68BA0E381ABE59FBA.pdf

中医学では気虚が発がんの基礎といわれます

中医学で正気不足が発がんに繋がると言われます。
正気とは、人間の生命活動を支える気のことで、
正気が不足(気虚)すると、邪気が入りやすくなるとしています。

邪気が入るとともに、五臓六腑(臓腑)機能の低下にも繋がります。
臓腑機能が低下すると、気血水の生成や運行の低下となり、病理産物の痰湿・瘀血が発生して、ガンの発症と増殖や転移へと繋がっていきます。

数十億個の細胞の人体は、細胞分裂の際に遺伝子変異などのエラーが出て当然ですが、正気(がん化を阻止する能力)ががん化能力(邪気)に負けることで細胞のがん化が進んでしまうと考え、”がん毒”を解毒し排泄する力が低下すると、邪気を溜まらせてしまいます。

気虚の原因は?

加齢が免疫機能の低下につながることは良く知られています。

異物を認識して異物に応じて攻撃方法を記憶する免疫の仕組みを獲得免疫といい、その能力は40歳以上で急激に低下します。
風邪をこじらせたり、治りにくかったりするのは、そのためです。

気虚になると、疲れやすい、だるい、風邪をひきやすいなどの症状が出ます。
「かぜは万病のもと」、確かに免疫老化により、かぜが引き金で病気になります。

自己免疫の調整をするには

私は薬屋ですが薬を出す前の段階、すなわち薬が入るような体でないことを感じることがあります。

食事・運動・睡眠はもちろん大切。

その中で食事は現代社会では、簡単調理や時短料理が忙しい人には便利ですが、本当に栄養吸収できているのかと疑問になります。

栄養吸収できない体で薬が吸収できるか?
その答えをするまでもないです。

プロテイン、ビタミン剤など合成サプリは、咀嚼をせず胃腸に入れても、すべて吸収できないでしょう。

免疫の約7割は腸(小腸5割、大腸2割)が担うとされることから、胃腸のコンディションはとても大切で、中医学でも重要視しています。

気を生成する脾の力

中医学で消化器全般を”脾”といい、”脾よわ”を「脾気虚」として、脾を強くする生活、食事が”後天の気”を作ります。

脾は肺の親、肺は腎の親として、脾が弱くなると、肺を養えず、腎虚を続きます。

中医学では、大腸と肺は表裏関係、大腸フローラが腸活のカナメとして注目され、免疫調整に関わるとのこと、表の大腸が元気になれば、裏の肺も元気になります。

感染症の最前線は粘膜で、粘膜は肺が支配していると考えます。
肺の力は免疫力と関係します。

気を生成する脾が消化器全般の機能を制御していて、胃から小腸にかけては消化・吸収器官で、その力がない”脾よわ”では、血や肉を作れません。

よほど、脾の機能が大切であることは、中医学で耳が痛いほど言われます。

精も根も尽きると腎虚が進む

脾肺の二臓が弱り、さらに加齢による腎虚は先ほどの獲得免疫低下もあり、免疫機能が下がる一方になります。

腎虚は加齢だけでなく、若腎虚といわれる「精も根も尽きた」くらいの過労と不眠が続いた現代人は、がん・感染症に陥りやすくなっています。

がん細胞を抑える力は気虚では弱く、腎虚ではさらに加速します。
先天の気を腎が蓄え、その蓄えが徐々に細まった40代から気虚が進むと考えます。

脾・肺で後天の気を補充できなければ、腎に蓄えている先天の気を使い果たしたら、生命の終わり(寿命)になります。

慢性炎症が、がん化のプロモーターに

がん・感染症以外に、糖尿・高血圧・高脂血症の生活習慣病も内臓の慢性炎症を起こします。

小さな火事が体で起きていることで、この火事はできれば鎮火させて、穏やかな環境を保つことが健康であることだと思います。

生活習慣病は慢性炎症を放置している状況で、種火がそこかしこにあり、火消しで免疫細胞も大わらわです。

本当にすべき仕事ができず、がん・感染症・傷の修復などの火消しがすぐに作動できない状態になります。

日ごろの養生は慢性炎症を改善し、小火事を減らしておくこと。
がん細胞は気虚の体で活発になり、小火事を消せなくなると、がん化まっしぐらになります。

火消しは大火事に備えておきたいものです。

慢性炎症の末に発生するものは、痰濁・瘀血です。
「化痰・活血」は体の火消しやデトックスとして、解毒できる体をつくるために必要な対策です。

慢性炎症に必要な化痰・活血

老化でデトックス力が低下していることは、発汗力や排泄力の低下から自覚することがあります。
デトックスは、肝・腎が関係しています。
新陳代謝の低下は肝腎の低下からで、デトックスができず、解毒低下による老廃物の停滞が、毛細血管内外に置かれることが、むくみ・腫れなどに表れます。

中医学では、新陳代謝の低下による病理産物を”痰濁”としています。
痰濁は高血糖・高コレステロールとして、血管内や脂肪肝・肝腎ののう胞などに停滞させます。

痰濁は機能低下になりますから、とにかくお掃除して、デトックス力を上げることがが大切です。

お掃除は”化痰”で、デトックス能力を上げるには肝腎機能を上げることになり、肝腎を補う漢方薬はアンチエイジングに良いとされています。

また、活血は人の体の99%を占める毛細血管の血流を改善すること。

毛細血管がゴースト化して、栄養運搬がされず、老廃物の回収もできなければ、組織が再生されず退化していきます。

小火事が起きても、炎症を抑える白血球が駆け付け鎮火させ、さらに血流があってこそ組織が再生されます。

すべて毛細血管が行き届いているから、抗炎症・再生ができます。
これこそ、活血という中医学の考えが大切であることの証明です。

「長生きしたければ、枸杞を食え」
と牧野富太郎先生は言いました。補肝腎の効能がある枸杞の実は簡単に食べられるアンチエイジング食材です。肝腎の強化はデトックス力を高めることも期待できると思います。

最後にまとめ

がんにならない養生法は、それぞれの体質を知り、年齢に合わせて対応していくしかありません。

ご自身の生活の中でがん化になるきっかけが見つかれば中止して、気虚を補う食事睡眠、化痰・活血にもなる運動は、養生の三原則。

正気を高め、邪気を寄せ付けないために、気虚の改善、痰濁・瘀血の除去が大切です。

具体的な養生は、まず睡眠。約7時間の睡眠は粘膜免疫のIgAを増やします。

食事は加工品を避け、レンジの過熱・焼く・揚げるなどの調理は避けることで、体の酸化を防ぎ、老廃物の痰濁・瘀血を溜めないこと。
適度な解毒ができるよう尿や便の排泄ができているかは重要です。

さらに、体質改善の漢方薬や養生法を見つけていくことは、漢方専門家とじっくりお話することから見つけられると思います。

まずはお話をじっくり聞いてくれる漢方専門家を見つけてください。

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