指先を飾る仕事から、女性をいろどる仕事へ。有香さんがライターになった理由
転職することや複数の仕事を持つことが当たり前となっている昨今ですが、それでも自分の人生が変わるかもしれない選択には、勇気がいりますよね。
今回のインタビューのお相手、高尾有香さんの前職はネイリスト。そのキャリアは20年以上にも及びます。
それから一転、Webメディアの世界へ飛び込むまでには大きな葛藤があったといいます。
その葛藤を乗り越え、「この働きかたにして良かった」と笑顔で語る有香さんに、転職のきっかけと現在の思いをインタビューしました。
多くの女性と向き合って仕事をする傍ら、女性としてのキャリアに悩み、試行錯誤してきた有香さん。
そんな有香さんのお話は、同じような悩みを抱えて立ち止まっているあなたをきっと後押ししてくれるはずです。
一歩踏み出す勇気がなかったネイリスト時代
ーー率直にお聞きします。長く続けてこられたネイリストから転職したのはなぜですか?
私、ネイリストになったのって、大きな目標とか野望を達成したかったわけではないんですよ。ただネイリストっていう職業になりたかったんですよね。
なので、ネイリストになった瞬間に、目的が達成されてしまって……。
その後は、目の前の小さな目標をひとつずつこなしながら前に進んで、気づけば20年以上になっていた、という感覚です。
でも、30歳になったとき、35歳になったときと、人生の節目を迎えるたびに「私、このままの働き方でいいのかな?」とは思っていました。
それでもネイリストを辞められなかった。一歩踏み出す勇気がなかったんです。
ずっとこの仕事だけをしてきたので、これ以外に自分の生きる道がないって思い込んでいたんですよね。
そうして40歳を迎えたときに、やっと一念発起してWebマーケティングの起業塾に入りました。
同期は職業も経歴もさまざまで、彼らと接するうちに、世の中にはいろんな働き方があるということを実感したんです。
今までネイリストしか経験してこなかった私にはとても衝撃だったし、同時に感動もしました。
女性の伝わり切っていない魅力を正しく伝えたい
ーー働き方の概念が大きく変わった有香さん。そこでWebデザインのお仕事を選んだのはなぜですか?
起業塾で多くの女性起業家とかかわるうちに、人柄やサービスはとてもすばらしいのに、それが伝わってこないな、もったいないなって感じるようになったんですね。
そこで、「女性たちの魅力を正しく伝えるお手伝いをしよう!」と、ブログやSNSのデザインを請け負うようになったんです。
次の一歩を踏み出してライターへ
――そうだったのですね。さらにライターのお仕事をはじめられたきっかけは?
デザインの仕事であっても、言葉選びってとても大切で。デザインを通じて、言葉の面白さを知り、文章を書く仕事にも興味を持ちました。
以前の私なら、「どうせ私にはできないだろうな」と思って何も行動せずにいたと思うんです。でも、このときは「やってみよう」とすんなり踏み出せました。
――有香さんの中で挑戦へのハードルが下がっていたからですね。
それからいくつか記事を執筆されていますが、「私、ライターの仕事に向いてるな」と思うところはどこですか?
気になったり疑問に思ったりしたことを徹底的にリサーチするところと、その作業がまったく苦ではない性格ですね。
例えば、「〇〇に効く筋トレ」という記事を書くときには、本当に効くのかどうか、実際に自分でその筋トレをやってみるんです(笑)
あとは、わかりやすく伝えるのが得意なところ。
ネイリストのキャリアのうち、13年はネイリスト育成のための講師業をしていたんです。生徒一人ひとりの年齢や性格にあわせて教える経験は、読者にわかりやすい記事を執筆することに活きています。
毎日に小さなハッピーを届けられるように
ーーネイリスト時代の経験が今も役に立っているんですね。
ライターとしてのキャリアを歩みはじめた有香さん。読者の方やクライアントさんに、どんな部分でお役に立ちたいですか?
前職がずっと女性とコミュニケーションをとる仕事だったので、女性の気持ちがよく分かるんです。なので、女性の気持ちに寄り添った記事を書くのは、私の得意分野です!
私自身も、1人の女性として働きかたを変えたいと思いながら、ずっと一歩踏み出せずにいました。起業塾に入ってからも、ネイリストの仕事を並行していたくらいです。
娘が入院することになり、ネイリストの仕事を現実的に続けられなくなったことで、やっと踏ん切りがついた。そこから、私の働きかたは方向転換したんです。
きっと多くの女性たちが、私と同じように働きかたや生きかたに悩んでいると思います。彼女たちにとって、私の記事が、いろんな選択肢を持てるきっかけになったらうれしいです。
ーー20年以上、数多くの女性とかかわってきた経験と、ご自身の今までの歩んできた道が、有香さんの強みにつながっているんですね。
最後に、有香さんがこれからどんなライターになりたいか教えてください!
誰かの人生を変えたいとか、そういう大きな志はないんです(笑)
でも、読んでくれる人の毎日に、ちょっとした「ハッピー」を届けられるライターになりたいなと思っています。
例えば、私の書いたコスメや美容法のおすすめ記事を見て、「これ試してみようかな」「これなら私もできそう」と、日常に小さな楽しみを見つけてもらえたら良いなって。
ーーそう控えめに話す有香さんですが、言葉の端々から「女性を応援したい」という熱い思いが伝わってきました。
ライターという仕事は、キャリアや子育てなど、女性特有の悩みを間近で見て、体験してきた有香さんだからこそたどり着いた「天職」なのかもしれません。
画面越しでも伝わる有香さんのあたたかい雰囲気とテンポの良いレスポンスが心地よく、インタビューはとてもスムーズに進行しました。さすが女性とのコミュニケーションに長けていらっしゃる……!
有香さん、ありがとうございました。
有香さんのnoteはこちら。
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