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"あんたこんなことばかりしてていいと思ってるの!?"私を真人間にしてくれた幼馴染

Kちゃんという幼馴染がいる。

彼女とは小学一年生で同じクラスになった間柄。
いじめっ子キャラの男子に二人でビビりながら対抗したことをきっかけに急速に仲良くなった。

彼女はお母さんが働いていたこともあり、家の手伝いも小さい時からやっていたので、片付けや裁縫、料理など全てをバッチリとこなす事ができた。

一方、私は真逆のキャラ。
そのため我が母は私の汚部屋を眺めるたびに"Kちゃんが我が娘だったらよかったのに.."と本気で嘆いていた。

学年が上がっても学校は中学まで一緒だったので中学3年生までよく家を行き来して遊んだものだ。

と言っても、我が家に遊びに来た時には、居場所を作るために、私の汚部屋をいつも掃除してくれていた。
だからいまだに彼女が、"みかんの皮くらいゴミ箱に捨てなよ💦"と言いながら掃除機をかけてくれていた映像が色濃く脳裏に焼きついている。

中学3年生が終わろうとしていたある時、Kちゃんに言われた。

"別の高校に行ったら、そんなに片付けに来られないと思うし、そろそろ自分で片付けてみて。 
まずはお気に入りのコーナーだけでも作って、綺麗にしてみるねん。
それで、お気に入りのコーナーを増やしていけば、いずれ部屋は綺麗になると思うわ。


当時の私にとっては、受験勉強よりも難易度の高いアドバイスだったが、Kちゃんが来れなくなるんだから..とまずはアドバイス通りやってみることにした。

やってみると、なるほど、ぬいぐるみや新しいバッグやお気に入りの文房具などを置く場所をかためて、そこを常に整理整頓、美しく見えるようにしていると、片付けが面倒に感じなくなってきた。

そうして少しずつ、整理整頓ができるようになり、汚部屋だった私の部屋は高校の入学式を迎える頃には綺麗なった。

これに一番、驚いたのは我が母だった。
「あんなに私が掃除しなさい、って言っても全くやらなかったのに、Kちゃんはどんなことを言ってくれたのか..」と。

その後、別の高校に行き、お互いアオハルのクラブ活動に邁進していたので、会う回数はぐっと減った。

当時は、ポケベルも携帯もなかったし、元々ものぐさな性格の私は自分から連絡をとることはなかった。

今思えば、あんなにお世話してもらっていたのに、薄情というか、なんというか…💦

一方で面倒見の良いKちゃんは、中学の仲良いグループで集まる時には、しつこいくらいに私を誘ってくれた。

でもダメ人間の私は、クラブ活動や勉強が忙しいことを理由にしながら、誘いを断ったり、行くと言っていても、かなりの確率でドタキャンしていた。

今思えば、見放されても良いくらいの態度や行動だった。

でもKちゃんは他の友人たちに"忙しいみたいやから、大目にみたろ。"とフォローしてくれていたそうだ。

そしてお互い大学や専門学校に進学。
Kちゃんにその頃、一度だけ本気で叱られた事がある。

それは、仲良しメンバーの一人が20歳の誕生日を迎える時のバースデーパーティーを私がいつものごとくドタキャンしてしまった事が原因。

当日、体調不良ではあったものの、頑張ればいけないことはなかった。

Kちゃんに家電話から"調子が悪くて…行けそうになくて"と連絡したら、Kちゃんが珍しく食い下がってきた。

"Eちゃん(その誕生日の主役)の20歳のバースデーだけは全員で祝ってあげたいねん。少しだけでもいいから顔出して。お願い、ね、ね。待ってるしー!!"

私の返事は待たず電話は切れた。

しかし、あんなにKちゃんにお願いされたのに、結局、私はその誕生日会に顔を出さなかった。

その後にKちゃんから誕生日会の様子を教えてもらっていた時に、静かに叱られたのだ。

Eちゃんは、10歳の時に我が近所に引っ越してきて、私とKちゃんはその数年後に仲良くなったのだけれど、彼女が転校してきたばかりの時(10歳)、近所の同級生と仲良くなるため、お母さんが誕生日会を企画してくれたんだそう。

Eちゃんは、クラスメイトに"誕生日会に来てね"と誘ったらしい。
そしてみんなは"行くね"と言ったらしい。

当日、Eちゃんはお気に入りの洋服を着て、Eちゃんのお母さんは、子供が好きそうなご飯やケーキを用意して、お返しのプレゼントまで用意していた。

にも関わらず、誰も来なかったというのだ。。。。。

それからEちゃんは誕生日を友達に祝ってもらうことができなくなった。
誕生日の悲しい気持ちが思い出されるのと、不安になるから。

だからこそ、20歳になる時、
"20歳という記念の誕生日を仲良しメンバー全員で祝ってあげたい!"とKちゃんが企画していたのだった。

"だから枕ノ送信にも絶対来て欲しかったし、Eちゃんにおめでとうって言って欲しかったのに。。。
あんたこんなことばかりしてていいと思ってるの?
そんなんじゃ大学で友達作っても、会社で友達作っても、みんな離れていって最後は一人になっちゃうよ。。。"

企画の背景についてはEちゃんの気持ちを考え、教えてもらっていなかった。とはいえ、企画の背景を知っていたら参加したかもしれないというのは、もはや"たられば"後の祭り。

Kちゃんにそれまで甘やかされていた私にはKちゃんの言葉が深く刺ささり、いつも笑顔で愉快なEちゃんにはどんなお詫びをしようともお詫びし切れないと絶望的な気持ちになった。

それから、約束を理由なくドタキャンすることは無くなった。
むしろ人から誘われたら、無理してでも参加できるように努力するタイプになった。
そしてさらに社会に出たら自分で楽しいイベントを企画するようにもなった。

それから30年以上の年月が経ち、KちゃんともEちゃんとは今でも仲良くつるむ間柄だ。

今思っても、Kちゃんと出会ってなかったら、私は本当にダメ人間の人生を送っていたことだろうと思う。友達も殆どいなかったかもしれない。

でも現実は逆。
このnoteでご紹介している通り、素敵な友達に囲まれ、幸せに暮らせている。

ここに書いていないことも幼馴染Kちゃんからたくさん教わった。
オーバーでなく、私を真人間にしてくれた大切なことばかり。


【枕ノ送信の気づき】
1.友達からは素直に学べる
2.友達にやってしまった酷いことはずっと覚えていること
3.大切な人たちにそろそろ恩返ししていこう


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