51をとって49を捨てる。
51をとって49を捨てる。
そんなシビれる選択ができるように、なりたいなぁ〜。
あれは20年以上も前のこと。
「僕なら辞める。」と退職の背中を押していただいた、石井さんの部下時代。
シンガポールのぬるい風ただよう路面食堂。
ランチでニンニクたっぷり入の「バクテー」なるスープをタイ米にかけてハフハフ食べていたら、おでこの吹き出す汗をハンカチで拭いながら、石井さんが笑顔で言ったのです。
前後の会話と全く関係ない、つぶやき。
暑さと熱さでぼうっとしてた食事中のことだったし、
「何とおっしゃいました...?」
と聞き返そうとする私の横で、
3年先輩の野上さんは即、大きな声で同意した。
「うわぁー、いいっすねー。渋いっすねー。
俺もキャリア積んでそんな決断ができるポジションにつきたい!」
余談ですが、
上司である石井さんは、一人称「僕」ですが、
同じく石井さんが上司である野上さんの一人称は「俺」。
この上長に媚びない姿勢、
でも年上の皆様から可愛がられている野上さんのこと、
後輩から見て「すごい人だなー」と、いつも尊敬してました(笑)
さて元に戻します。
どうやら「51をとって49を捨てる」という言葉は、石井さんも誰かから教えられたとのこと。
実は食事後、石井さんと野上さんの間で、この話に関連した内容で確か、アツイトークが繰り広げられたとは思うのですが、その後についてはほとんど記憶にない。
ただ、石井さんが言った短い言葉。
51をとって49を捨てる。
そんなシビれる選択ができるように、僕はなりたいなぁ〜。
については、20年以上経った私の中でも、ずっと大切な場所に保存されている。
私はそれから、会社をやめ、個人事業主として少し仕事してから会社を作り、経営者の末席で約20年は小さなことも大きなことも色々と選択・決断したけれど、果たして
「51をとって49を捨てる」
ほどの決断をしたことがあるだろうか、と自分に聞いてみればそんな覚えはない。
一方、石井さんは、ポジションが上がるにつれ、大好きな海外をメインの仕事場にしながら、リストラ、工場閉鎖、事業買収など、色々な選択・決断をされていたと、元同僚達から教えてもらった。
最終的には役員になられ、今も請われて、ある大企業の社長をつとめられている。
石井さんはもう経験されたのだろうか。
「51をとって49を捨てる」ってこと。
いつか再会が叶ったら、このことだけは質問してみたいって思ってる。
一方、私にはきっとそんなヒリヒリするような選択を迫られることは、これからないようにも思ってるけれど(願ってるとも言う)、もし巡りあったとしたら
「コレかっ!」
と覚悟して正面から向かい合おうと思ってます。
一生で1回あるかないかの決断について、今から覚悟できてるって幸せなことだなぁと、石井さんに感謝する梅雨の午後でした😄
いつも最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます❣️
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