#4 Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―
MaaSとは「マイカーに代わる自由な移動手段をより安価に提供することである」と理解した。
より広義、もしくはMaaS革命と呼ぶときには「移動手段が自由かつ柔軟になることで起こる都市設計やビジネス環境の変化」という意味のようだ。
マイカーを買うかわりにサブスク
「MaaSは儲からない」と言う人は、手数料ビジネスだと誤解している。
既存のバス・電車・タクシーを一括で予約できる代わりに手数料を抜くだけではもちろん儲からない。
MaaSの本質は「移動の自由」のサブスクリプション。
1日の1~2%しか使わないマイカーに相当する自由を提供するから、その分お金を払ってねということらしい。
今までMaaSが儲かる絵が見えていなかったけど、この説明で納得した。
MaaSコントローラー
本書ではMaaSのプレーヤーとして交通事業者、MaaSオペレーターなどが登場するが、特に興味を持ったのがMaaSコントローラーというプレーヤー。
このプレーヤーが担うのは、
1. データ収集、分析・予測機能
ユーザーの移動実績、イベント情報、人口統計、天候データなどの収集・解析
2. モビリティ連携機能
ドライバーへ需要予測提示
3. MaaSアプリ(ユーザー)連携機能
需要と供給のバランシング
私の所属先である株式会社Mobility Technologiesが目指す立ち位置はこれが一番近いように思う。
ちなみに、日本と欧州のMaaSの違いも興味深かった。
現在はMaaS黎明期
インターネットの興隆と照らし合わせて、著者は以下のように予測している。
2019 日本のMaaS元年
2022? MaaSにおけるGoogle誕生
2024? MaaSにおける鉄板のビジネスモデル確立(Googleが検索連動型広告に出会ったように)
とすると今後5年そしてその先はもっと面白くなりそうで、今いる会社がうまいこといけばかなり面白いことができるんじゃないかと期待している。
今後読みたい
移動が変わる = 都市やビジネスの形が変わるということなので、スマートシティ関連の本も読みたい。
コロナという巨大な横槍が入ったけれど、これで方向性が変わるのではなくむしろ変化の速度が加速することになるのだろうな。
その他見ておくとよさそう
TOYOTAのスマートシティ構想(Woven City)
官民ITS構想 ロードマップ2019
スマート東京(東京版 Society 5.0)
Sidewalk Labs(スマートシティに取り組むGoogleの姉妹会社)
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