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この世界は切なくて、やさしくて、美しくて、泣けてくる。 齋藤陽道さん個展


日本橋三越で、ろうの写真家、齋藤陽道さんの写真展が開催されてます。
コロナ急増中だし、行くか迷ったけど…行って本当に良かった…!!

私の愛するよしもとばななさんが、ご著書で齋藤さんを紹介されてたので、作品を見たり、出演された映画を観に行ったりしてたんだけど、
写真展に行ったのは初めて。
今回は、夕暮れ時の逆光のもとで撮った写真の展示でした。

「目の前にいるあれは、あなたではない。
ただの存在としての「あなた」だった。
「あなた」と、光の中で出会い直す」

「肩書きや職業、種族、民族、性差、年齢、障害名といった
言葉のレッテルを通して、
いのちをまなざすことをしたくはない」

「いのちを言葉で区別することの無意味さを、
私自身が、思い知らされる作品として生まれました。」

齋藤陽道 写真展『絶対』ステートメントより

言葉と思想が美しい…。

夕陽は今日の終わりの光。その中で微笑む人たちの写真。
私は、夕陽をバックにトランペットを掲げた少女の写真が好きでした。
高らかで澄んだ音色の力強さと、暮れていく光が、どうにも切ない。

会場にあった過去の作品集も拝見。
障がいや病を抱えた人や動物、亡き人を囲んだ食卓など、
一見、痛々しいモチーフもあるのに、
「かわいそう」とか「頑張って生きてる」とか思わせない。
哀しみを突き抜けて、深く澄んでいる。

何が起きようと、いのちは、ただここにある。
終わりが来るのは知っている。ただ、今を生きているだけ。
そのことが、切なくて、強くて、やさしくて、美しい。

久しぶりに、美しさに触れて涙が出ました。

途中で、齋藤陽道さんご本人が会場にいらっしゃったので、
写真集を買ってサインもいただいちゃった!!
お礼も伝えられたし、手話で「ありがとう」を表現できて嬉しかったです。

私は、いのちや、この世界の美しさに触れる時が、一番好きだなぁ。
もっと、見つめていたいし、知りたいと思う。

齋藤さんの世界観に触れたおかげか、
帰り道は、見慣れた風景も美しく、やさしく感じました。

日本橋三越(本館)6階にて、11月30日(月)まで開催中です!
他の方と十分距離をとって、ゆっくり鑑賞できたので、
安心してご覧いただけると思いますよ〜。

齋藤陽道 写真展『絶対』







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