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SIGMA dp2Quattroは楽しい

foveonセンサーという、カメラ愛好家でもあまり馴染みのないセンサーを搭載し、カメラ自体も独特の形状をしているSIGMAのdp Quattroシリーズ。発売した当時は気にはなっていたものの、当時は高感度性能命だった自分はISO400程度までしか使えないこのシリーズは所有欲こそくすぐられたものの購入しようとまでは思わず、そのまま今まできました。
ところがLeica Q2を購入し、これ一つでそれなりに満足してしまった自分がもう一台所有したいと思ったとき、じゃじゃ馬と評判のこのカメラが選択肢に上がりました。『金沢シャッタガール』という漫画に出てきていて、そうだこれがあった、というのが切っ掛けで、調べてみると高解像度命の自分には合っているのではないか、ということが分かったことが大きかったです。
フィルムカメラも購入の選択肢に入っていたのですが、どうせ買うならライカのM4かM6かなあ、というところもあったのと、そもそもフィルム1本の値段の高さでランニングコストを意識すると簡単には手を出せない、というところもあって、結局dp2 Quattroの購入に至りました。
dp2にしたのは、まずLeica Q2が28mmであること、以前のメインレンズがDR Summicronで50mmであったこと、手ぶれ補正がなく、あまり焦点距離の長いのだとぶれそうだと言うことで、4本あるラインナップの中からdp2の購入となりました。


まず見た目が格好良いよね

この独特のデザインにやられてしまった人は、発売当初は多かったのではないでしょうか。横長でグリップ部分が少し飛び出していて、ボディ自体は薄めで、メリハリのあるシェイプがなんとなく持ちやすそうなそうでないような、なんとも興味を惹かれる形です。

持ってみてどうなのか?

実際撮影しようと持ってみると、そんなに持ちにくいというわけではないです。正直ソニーのα7なんかとそんなに差はないと、自分では思っています。ただ、結構横長なので、入れる鞄を選ぶのには困りました。結局新しい鞄を新調することになりました。一方で横長であるというのは両手で構えるときにあまり縮こまってしまうことはないので、持ちやすさに繋がっているとも感じています。

持ち運びの時はどうなのか?

アンカーリンクを付けて、ハンドストラップとネックストラップをその時々に応じて付け替えられるようにしていますが、ハンドストラップを付けて持ち歩くには問題ないと思います。実際、首からLeica Q2をぶら下げ利き手手首にdp2 Quattroをぶら下げながら両方を使って撮っていましたが、それほど不便には思いませんでした。
問題はファインダービューを付けたときで、ハンドストラップを付けていたときもその大きさに振り回されましたし(重さはそれほどでもないけれど)、ネックストラップでぶら下げるとレンズが上を向くので、見た目があまりよろしくないし、パッと持って被写体を追いかけるにも不便でした。ビューファインダー用のハンドメイドのケースがあるのは知っていますが、値段もそこそこするので、時たま付けるためだけに何万も出すのはなあ、という気もして、購入には至っていません。
ともかく、ファインダービューを付けたときはあまり頂けない感じです。もちろん良い写真を撮るためには必要なものなので、使わない、という選択肢はないのですが、あちら立てればこちら立たず、で難しいところです。

撮れる写真は個性的

私もくわしいわけではないにわかなのですが、それでも写真を撮ってみるとこのカメラの独特の写りはすぐに分かります。

解像感がすごい

foveonセンサーというのは、詳しいところは他のブログの諸兄の記事を見ていただくとして、高精細に写るのがこのセンサーの特徴と言われています。


京都タワー


上部を拡大

展望デッキ上部を拡大してみると、落下防止ネットの網目や階段?の手すりなどがくっきりと判別できます。これだけ拡大しても見られるだけのものが撮れるのは、自分にはありがたく感じます。

色味が独特

色味に癖がある、というのは購入前のブログやレビュー巡りで見知っていたのですが、実際に写真を撮ってみるとこれはなかなか、と改めて感じました。

この椿の花の色も、色味についてはほとんどいじっていなくてもこの状態で、鮮やかな赤が好きな私も、これにはさすがに「ぅわぁ」という声が漏れてしまいます。

緑の鮮やかさ

この写真の緑の鮮やかさなんかはとても好きですし、綺麗だなあと思うので、被写体を選びますね。

高感度性能?高感度って何?

ISO400を超えるとそれまで緻密だった描写が途端に崩れ始めます。おかげでテーブルフォトを撮るのはなかなか難しいです。ミニ三脚を机の上に立てて、最短撮影距離が28cmなのでそれなりに離して…となるので、Leica Q2ほどの気安さで撮れるものではないです。(マクロモードで17cm)
単なる記録写真としてなら1600位まで上げても良いのでしょうが、普段使いなら上げても800くらいまでです。まあ、フィルムを使うと考えれば100~800くらいまでが普通なのでしょうから、そういう意味ではフィルムカメラを使っている感覚で行けば良いのかもしれません。

RAWファイルが独特

RAWファイルの形式が独自のx3fというもので、これを普通に現像できるのはSIGMA Photo ProというSIGMA独自のアプリしかありません。フォトショップ用のプラグインがあるという話でしたが、対応のバージョンが古いらしく、今のフォトショップでは使えませんでした。iPad用のアプリにも一応読み込めるソフトがあるのですが、実際に使ってみるとこれもかなり不正確な現像しかしないので、おすすめしません。(アフィニティフォトというソフトです)
一応新しいファームウェアを当てると、カメラ内でJPEGに現像できますが、それなりの枚数を現像するのはかなり面倒ですので現実的ではないとやってみて感じました。
結局久々にSurfacePro7のi5のものを購入しましたが、重いと評判のこのソフト、やはりこの程度の性能では力不足で一つ一つの作業で待たされます。手っ取り早く現像だけして後はLightroomで、とも思いましたが、やはり細かいところは直接RAWファイルから現像する方がやりやすいし良い結果も出るので、ここも難しいところです。
iPad版のアプリ、出ないものでしょうか。

結局撮っていて楽しい?

そんなもの人それぞれ、と言ってしまえばその通りなのですが、やはり事前に色々なレビューや作例に触れて自分の撮りたい写真が撮れそうなのかを調べておくのは大切だと思います。

見た目で選んで大丈夫?

正直、見た目だけで選ぶのはやめておいた方が良いかも。特に撮れる写真にそれなりにこだわりがある人は、買ったはいいけれどすぐに使わなくなりそうです。

撮れる写真で選んで大丈夫?

これはちゃんと把握していれば大丈夫です。折しもオールドコンデジブーム、独特の写真が撮れることを楽しめる人にも良いカメラではないでしょうか。(それにしては高い買い物ですが)
開放2.8がどうなのか、というところはありますが、21mm、28mm、45mm、75mmの4種類のレンズが付いたdp0~dp3までバラエティ豊かなシリーズですから、自分の感覚に合うものを見つけやすいのではないでしょうか。

操作感も意外とストレス?

撮影してから確認できるまで10数秒待たされる、と言うのはなかなかストレスではないでしょうか?メニュー構成などは特に変だとは感じませんし、ダイアルも2つありますので操作感に関してはそれほど私はストレスを感じませんが、撮った写真の確認に10数秒も待たされるのはなかなかストレスです。ストレスなく思うままに操作できるかどうかというのは、そのカメラを好きになれるかどうかで大きい部分ではないでしょうか。

さいごに

ちゃんと調べて、ある程度個性をつかんだ上で買ったのであれば、このカメラは良い相棒になると思います。色々なサイトを見て、自分の撮りたい写真が撮れそうか調べてみてください。発売から10年、中古でも新品同様の値段が付くものが多くなっているのを見ると、それなりに人気が続いているのでしょう。良いものを適正価格で買うためにも、購入するのなら早めの方が良いのではないかと思います。
これからもdp2 Quattroの写真を上げていきたいと思います。よろしくお願いします。


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