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バリアブルバリケードは恋する乙女にすごく優しい世界だった。

お久しぶりです!綾鷹です!


突然ですが皆さんは4人のイケメンから同時に求婚されたことはありますか?


綾鷹はあります。

このバリアブルバリケードという乙女ゲームで。

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綾鷹はあまり乙女ゲームに詳しくないし、プレイしたことのある乙女ゲーは薄桜鬼くらいしかないパンピーなんですが、基本的にこういうゲームの攻略対象キャラといえばまず顔が良いというのは大前提、その上である程度本人の社会的なステータスも強いのがイメージとしてありました。

例えば財閥の御曹司、例えばマフィアの若頭、例えば新選組鬼の副長とか。

しかしこのゲームに登場する攻略対象は全て成人しているにも関わらず、全員が無職!

負の情報しか書いてない。

その上でギャンブル狂だったり借金持ちだったり結婚詐欺疑惑をかけられていたりとガンジーでも助走つけて殴るレベルのマイナス属性が付加された男達。それが今作の攻略対象達!

女子高生を校門前で出待ちしてせーのっで求婚!イカれてんのか!!!

しかもこの中から自分の結婚相手を選ばなければいけない!!!!



しかもその間はひとつ屋根の下で共同生活を送らなければならない!!!!


良いのは顔と声だけ!いったい私、どうしたらいいの~~?????


というゲームです。

もちろんそれから色々あって花婿候補達の人となりや求婚に至った動機だったりが個別ルートで明かされ最終的に山場を乗り越えて誰か一人とくっつく所はいつもの乙女ゲーって印象ですが、このゲームの魅力はまた別の部分にあるのではないかと綾鷹は思っています。


このゲームの真骨頂!それは一見クセの強すぎる男連中に負けず劣らずクセの強い性格をした主人公、東条ヒバリの人間性にあると思ってます。


東条ヒバリ

乙女ゲームの主人公はプレイヤーの感情移入がしやすい為なのか、平凡な町娘だったり学園の一生徒だったりとあまり存在感を強調するキャラ付けはされていない印象がありました。

しかし今作の主人公であるヒバリはそんなお約束なんてどこ吹く風!!!

作中有数の財閥である東条家の跡取り娘という、生粋のお嬢様という属性!

高飛車な態度に裏付けされる数々の努力とプライド!!

そして箱入り娘ゆえの、極端すぎる人見知りと依存体質を併せ持ったおもしれー女である。

他の乙女ゲーならあれよあれよと流されていきそうな場面でも、彼女はこの手のゲームの「主人公はプレイヤーの分身」というお約束も忘れる勢いで負けじとガンガン自己主張していく。フルボイスで!!(cv藤田咲)

基本的に男連中の誘いは頑として断り、貧乳と言われればブチ切れ、時には攻略対象が相手だろうと全力でグーパンする。
なまじ頭が良いだけに相手の下心を瞬時に察知して警戒心をマックスまで跳ね上げる、そんなハリネズミのような気性の彼女に公式から付いた二つ名が

「全方位型バリケードレディ」お前恋愛する気あるか???

こんなクセの強すぎる主人公に対しても「おもしれー女…」「ヒバリさん素敵だ…」と構わずアプローチをかけていく男連中はさすがとしか言いようがない。



しかしそんな彼女にも、もちろん良い所はある!!!
あるからこそ綾鷹はこの記事を書いている!!!!!!


まず挙げられるのは、ゲーム序盤のほぼ初対面だった花婿候補達の人となりを知る為に一人ずつ面接をしようというシーン。
準備に時間がかかるのを不信に思った執事の春日が様子を見に来た所、ノリノリでスーツ姿に着替えていたヒバリの茶目っ気に綾鷹はゲームプレイ開始早々ハートを打ち抜かれた。

女子高生の出していい色気じゃない。


他にもあります!
攻略対象の一人が生まれ育った孤児院の子供たちのゼッケンを毎晩徹夜して縫っていたことが分かり、思わず手伝いを申し出てしまうシーン。

子供達のために彼らしくない醜態をさらしてまでゼッケンを作る姿に、ギャップ萌えを感じて株が上がったのかわかりやすいツンデレ発言で手伝いを申し出るヒバリ。


結果的に孤児院の子供達に懐かれるという慣れないシチュエーションにたじたじになってる眼福なオチまで含めて、彼女がそれまで関心の少なかった周囲の人間のために動いた結果良い方向へ変わりゆく環境がわかりやすく提示されてて一つのエピソードとして完成されてる。個別ルートは彼女の成長にもフォーカスが与えられてて見所が多すぎるっ…!

みんなかわいい


ストーリーが進む毎に少しずつ人間味が出てくるヒバリの可愛さはとどまる事を知らない!!
映画館デートでここぞとばかりに距離を詰めてくるかと思いきや意外と紳士的な対応をされて拍子抜けしつつもどこか残念がるヒバリ。

いや可愛すぎか!!!!!!!!!


普段高飛車でツンツンしてる彼女が、時折見せる年相応の表情や情に厚い男前な部分にギャップがあってとんでもなく可愛い。
本当に乙女ゲーの主人公か?ギャルゲーのヒロインじゃなくて?
このゲームは攻略対象一人の一点特化型ギャルゲーだった!!!????

もはやプレイヤーの分身であることも忘れ、誰よりもバリバリ世界に馴染んでいくヒバリ。主人公というより、他のキャラより内面描写が豊富なだけのバリバリ世界の一登場人物として立派にキャラが確立してしまっている。


しかしそんなに彼女が魅力的なだけであれば「全方位型バリケードレディ」なんて訳わからん二つ名で呼ばれたりはしないしそもそもこの物語は成立しません。


彼女のめんどくさい部分、それは恋愛が絡むと途端にめんどくさい思考になること。

具体的に言うと、彼女は自身の恋心を頑なに認めようとしません。
顔を見るとドキドキして耳まで真っ赤になってまともに話が出来なくなるし授業中もどこか上の空になっててもそれは恋ではありません!
じゃあ何なんだよ!!!!!!!!!

恋仲に向けて距離が縮まっていく個別ルートに入るとそのめんどくささはどんどん頭角を現していきます。この辺の詳細な描写はルート毎に若干違ってくるんですけど、根幹の設定として主人公にも攻略対象にも立場の違い以外にもスムーズに恋愛成就とはいかない問題をそれぞれが抱えており、終盤の大きな山場となってきます。


「彼の告白に頷きさえすれば全て解決することも分かっている。」

「でも――――――」

「……この胸に残る恐怖は消えない」

これはとあるルートの終盤、どう見てもお互いに両思いである事は周りから見ても明らか。女友達にもそれを指摘されており主人公自身にもおぼろげに相手が好きであることの自覚が出てきている状態。
さらに相手から拙いながらも飾らない真っ直ぐな言葉で思いを伝えてもらった後に出てくる台詞です。これを見て、皆さんどう思いますか??


め…めんどくせ~~~~~~~!!

自分でもよくわからない理由で相手を振ろうとすな!


でも確かにわからないでもない部分もあるといえばある…!
「女子高生の身でいきなり結婚相手を選べ」って言われて冷静に相手を見られる人がどれだけいるでしょうか?
しかも自身は初恋すら無縁だった生活で、環境も相まって周りから急かされるようにさせられる恋愛に先行きのわからない漠然とした不安を感じても仕方のないことかもしれません。

そしてそれは周囲の大人たちも同じ考えだったようで、ストーリー終盤はあの手この手でアドバイスやフォローを入れてくれます。
主人公を取り合う恋のライバルだろうがお構いなし!ギクシャクした関係につけ込んで二人の間に割り込もうとする男なんて(ほぼ)皆無!

男連中の中だと綾鷹は大我推しです。

いつの間にかプレイヤーの手を離れ、こじらせた思考で自分も周囲も振り回してしまうので必然的に恋愛難易度が高くなっている主人公、東条ヒバリの幸せを願って周囲の大人が立場を問わず全力でサポートしてくれる。

時には諭すように。時にはあえて憎まれるよう立ち振舞ったり。
決して直接的なアドバイスはせず、本人に気付かせ成長を促すスタイルで。
そんな世界にいつの間にか引き込まれる我々プレイヤー。

こんな登場人物同士の絆が感じられる乙女ゲームを、綾鷹は知らない!


恋する乙女に優しい世界、それがバリアブルバリケードというゲームの正体でした。

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