#3-7 アクティビティ
前回(昨日)の記事で、WBSの「ワークパッケージ」をどのように作って行くかの作業や活動が「アクティビティ」で、プロジェクトメンバーに個々に割当てられていく「タスク」になる、という話をしました。
↓前回(昨日)の記事
今回は、「アクティビティ」と「タスク」について、もう少し深堀りしたいと思います。
『PM BOK』の内容的には、この領域は「スコープ」ではなく、「スケジュール」と「資源」の領域に入るのですが、WBSが他の領域にどのように関わっていくかの流れをさらっと触れておきたいと思います。
アクティビティとは
基本的に、「アクティビティ」も「タスク」も基本的には同じ意味で、実作業のことです。
「アクティビティ」をさらに細かくしたものが「タスク」です。
プロジェクトメンバー個人レベルだと、「アクティビティ」より「タスク」を任されることの方が多いので、「タスク」の方が馴染みがあると思います。
「アクティビティ属性」と「アクティビティ・リスト」
アクティビティの「作業部署」「作業場所」「前提条件」「制約条件」が「アクティビティ属性」で、それらをまとめた文書が「アクティビティ属性」です。
いわば、アクティビティの説明文書ですね。
また、実行予定の全てのアクティビティとスケジュールを記載したものが「アクティビティ・リスト」です。
アクティビティ資源の見積もり
WBSをアクティビティまで分解したら、アクティビティを完了するために必要なリソース(「ヒト」「カネ」「時間」「情報」)の見積もりが出来るようになります。
ここで見積もった情報を基に、スケジュールとコストの設計、タスクの指示という次のステップに進むことが出来ます。
「プロジェクト憲章」を作成している段階では、詳細な見積りまでは取れないので、このタイミングで取る見積りと乖離が生じることもあります。
その場合、スケジュール短縮技法を駆使して間に合うようにしたり、乖離による問題が大きい場合は、「プロジェクト憲章」の変更をスポンサーに承認を得たりします。
アクティビティの順序設定
見積りと同時に行うのが、アクティビティの順序設定。
成果物、ワークパッケージ、アクティビティを、どの順序で対応していくかを決める必要があります。
全ての作業をWBSでまとめた際の順番通りに作業を実行出来れば簡単ですが、基本的にそれだと求められる期日に完成しないスケジュールが出来上がってしまいます。
多くの場合、複数人の作業者によるアクティビティの並列作業で開発は進んでいきます。
そこで、作業開始から終了までの道筋を考える必要があります。この道筋のことをパスと言います。
詳細はまた後日の「スケジュール」に関する記事で触れていきますが、基本的な考え方としては
・成果物(ワークパッケージ、アクティビティ)が、何かが終わらないと次の作業が開始できない関係性なのか
・同時並行出来る関係性なのか
を考えます。
大まかな流れとしては
①成果物の対応順序を整理する
②ワークパッケージの対応順序を整理する
③アクティビティの対応順序を整理する
という感じです。
アクティビティの順序設定されて、やっと個々のプロジェクトメンバーへの作業が割り振られて、実行になります。
個々のプロジェクトメンバーに割当てられたタスクが遅延すると、影響は成果物など大きなものに波及していってしまうので、プロジェクトマネージャー(PM)による進捗管理が非常に重要になります。
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