#1-4 プロジェクトマネジメントの分野②後半
プロジェクトマネジメントは、10つの分野に分かれて知識が体系化されています。参考書では、「プロジェクトマネジメント・プロセスの知識エリア」と呼ばれたりしています。
前回(昨日)の記事に続き、独断と偏見で少しジャンル別にまとめてみました。
長くなってしまったので、①前半と②後半で記事を分けています。今回は後半(⑤~⑩)です。
リソース系
「リソース」とは、単語的には「資源」という意味です。
企業経営をするうえで重要な要素や能力を「経営資源」と呼び、特にヒト・モノ・カネ・情報は「4大経営資源」なんていわれたりしています。
プロジェクトマネジメントにおいても、「4大経営資源」をいかにやりくりするかが重要です。
⑤資源
プロジェクト内部のヒト・モノを管理する分野です。
ヒトの管理では、プロジェクトメンバーの役割と責任を明確にして、成果物に対して適切な活動が行われるようにします。
⑥調達
プロジェクトの外部から、足りないヒト・モノ・サービスを調達する分野です。
プロジェクトの目標達成に向けて、欠けているヒト・モノ・サービスがあるとプロジェクトの活動がスムーズに進まないことがあります。
なので、何が欠けていて、何が必要なのか、という分析力も必要です。
外部から調達することには「コスト」という限界があり、際限なく調達することは現実的には難しいからです。
⑥コスト
カネを管理する分野です。
コストの計画、見積もり、財源確保などを行って予算や費用の管理をします。
⑦スケジュール
名前の通り、スケジュール管理をする分野です。
リソースとして考えると時間を管理する分野、ともいえます。
(「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」のような日本のIT情報系試験の参考書では「タイムマネジメント」と表記されてたりします)
進捗管理や計画変更に合わせたスケジュール調整を、どのように行えば予定期間内に成果物(目標となるモノやサービス)が完成するか、といった内容です。
アウトプット系
⑨品質
創造した成果物(モノやサービス)が、どのような基準を達成すればプロジェクトは成功になるのか、といった品質の要求事項を定義します。
また、基準にマッチするようにコントロールする分野でもあります。
作ったモノが定めた基準を満たしているか「品質」チェックをすることで、プロジェクトの目的を達成できたかをレビューします。
例えば、文化祭の出し物で、「お化け屋敷を作る」プロジェクトを行ったとします。
・小学校の子供でも楽しめるようなポップなお化け屋敷にするのか
・高校生以上しか利用出来ない本格的にホラー体験を作りこむか
どのような基準を設けるかで、個々の作業も変わってきます。
小学生向けのお化け屋敷ならハロウィンのポップなキャラクターのようなお化けのデザインになり、高校生向けのお化け屋敷なら音響や照明にリアルにこだわって怖さを演出していくかもしれません。
どのような品質基準を設けるかで、プロジェクト(お化け屋敷)の成功も変わります。
⑩リスク
このnoteでは「プロジェクトマネージャーは問題解決屋である」という持論を何度か展開していますが、その問題と大きく関わるのがリスクです。
リスクというのは一般的にはネガティブな意味合いで使われることが多いと思います。
しかし、プロジェクトマネジメントにおいては、ネガティブな意味でもポジティブな意味でも、どちらの場合でも「リスク」と言います。
プロジェクトマネジメントにおいて、リスクというのは不確実性のことです。
プロジェクトは、独自性のある、それまでになかったモノやサービスを創るための有期的な活動です。未知な活動を行うので、不確実性が伴います。
リスクが発生することが前提なので、発生確率と影響度が重要な要素になります。
プラスのリスクは「好機」(Positive risks)
マイナスのリスクは「脅威」(Negative risks)
と呼ばれます。
リスクは、プロジェクトにポジティブorネガティブな影響を与える可能性があることで、
問題や課題は、既に発生したリスクで、プロジェクトにネガティブな影響を与えるもの、と定義されます。
問題や課題の元がリスクなので、そもそものリスクをマネジメントしておくことは非常に重要です。
リスクマネジメントの内容は、プロジェクトのリスクを識別して、対策を検討する分野になります。
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