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#1-1 「プロジェクト」とは?

プロジェクトマネジメント。略して、プロマネ。

「プロジェクト」も「マネジメント」も良く聞く単語なので、何をすることなのか、なんとなくのイメージをしやすいと思います。

一応、プロジェクトマネジメントの世界では、「プロジェクトとは何か?」というところから、きちんと定義があります。

ビジネスにおけるプロジェクトのイメージが強いかもしれませんが、「プロジェクト」は、どんな方の日常生活でも行われています。

「プロジェクト」とは?

いきなりマニアックな世界の話で恐縮ですが、「PMBOK(ぴんぼっく)」という、プロジェクトマネジメントのナレッジを体系的にまとめた教科書のような本が、アメリカで発行されています。
「PMBOK」は、Project Management Body of Knowledgeの略です。

定期的に改訂版が発行されていて、最新版は第7版(2021年発行)です。
「PMBOK」の知識をベースにしたアメリカの試験(民間資格)が、PMP(Project Management Professional)です。

PMBOKにおいて「プロジェクト」とは、独自の製品・サービス・所産を創るための有期的な活動と定義されています。

キーワード1 独自の

他と差別化が出来ている何か、という意味です。
独自性のある何か(モノやサービス)を作るための活動が、プロジェクトです。

ユニークであることが条件なのですが、「ユニークなものを作る」というのは「これまでになかった製品やサービスを開発する」ということなので、上手くいくかどうかは未定ですよね。
つまり、不確実性が高いといえます。

こういった不確実性をコントロールして、決められた目標を達成するのがプロジェクトマネージャー(PM)の役割です。

キーワード2 有期的な

プロジェクトには、明確な始まり終わりがあります。

予定通りに製品やサービスが完成したら成功して「終了」、
プロジェクトが上手く進まなかったとしても、中止として「終了」します。

逆に、反復的・継続的な活動は「定常業務」とカテゴライズされていて、プロジェクトではありません。
一度きりの仕事が「プロジェクト」で、ルーティンワークは「定常業務」です。

企業の営利活動は、「プロジェクト」と「定常業務」で構成されていることが多いです。

例えば、カフェにおいてマニュアルに従って行う”接客”は、ルーティンワークと言えるのでプロジェクトの活動ではなく、継続的に行われる活動です。
一方、”カフェの店舗拡大”は、「新たに店舗をオープンして利益を上げること」を目標にした有期的なプロジェクト活動と言えます。


まとめると、「プロジェクトは唯一無二の価値を創る、期間限定の活動」と言えます。

「独自で」「有期的な」という2つの定義に沿っていたら、どんなことでもプロジェクトです。

本質的な部分では、会社で行われる必要も利益を上げている必要もないのです。
ただ、会社の営利活動の中で行われるプロジェクトが、規模もインパクトも大きいので、一般的にプロジェクトは会社の事業の一つ、という印象が強いですよね。

また、企業においては、決められた期間内に限られた予算でビジネス的な成功を収めることがプロジェクトの成功条件(目標)になっていることがほとんどです。
したがって、仕事として求められるプロジェクトマネジメントはシビアで難しいことも多いです。


しかし。
「文化祭の出し物」や「友人へのサプライズ」など、”プロジェクト”と定義できるコトは、日常生活の中に沢山あります。


例えば、私は旅行が好きなのですが、ひとり旅の活動を「自分自身に独自の有期的なサービスを提供する」と定義すれば、ひとり旅も”プロジェクト”です。

誰しも、日常のルーティン外で、期間限定で、何かしら(価値のある)アウトプットを出すことは生活の中で起こります。

ヒトの活動を管理・コントロール(マネジメント)して、何かしらの成果を出すのもプロジェクトマネジメントです。

なので、職業としてPMとして働いていなくても、多くの方はプロマネ(プロジェクトマネジメント)の活動をしたことがある、と言えるかもしれません。

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