BTS【花様年華】⑭冷たい瞳と深まる疑念
閉じた瞼に映るコンテナから燃え上がる炎と死んだナムジュンの姿を見ながら、ソクジンは再びyear22.04.11の日差しの中で目を覚ましました。不思議と焦りや恐怖はなく、じっくりとyear22.09.30の状況を振り返ります。
コンテナの火災を防いでとにかくタイムリープを終わらせる。
ソクジンは、例えその過程で問題が生じて誰かが怪我をしたり孤立したりしても仕方がないことであり、そんなことで立ち止まっていては目的を果たすことは出来ないのだと考えながら、ナムジュンが働くガソリンスタンドへと車を走らせました。
この日、テヒョンは数年ぶりに夢の中で姿を見たソクジンの顔をグラフィティに描いていました。
テヒョンが初めて見たその夢は、不吉でゾッとする場面が連続するソクジンが書き換えた本当の現実の出来事です。夢の中のソクジンは、喜びや悲しみのような感情を全て失い、無関心だけが残ったような冷たい瞳をしていて、テヒョンの記憶に残るどんな瞬間のソクジンとも違う表情でその不幸な出来事を眺めていました。
ナムジュンに会いにガソリンスタンドへ行ったテヒョンは、ナムジュンからソクジンが2年ぶりに帰国して、ついさっきこの場所を訪ねて来ていたことを知りました。
テヒョンは、初めてソクジンの夢を見たその日に起きた偶然に、形容しがたい不安を感じ、ふとナムジュンに「今の僕たちの姿は、自分たちで選んだものでしょうか。それとも… 」と問いかけます。
ナムジュンは、テヒョンが言いかけた問いかけの続きが「運命」という言葉であるとすぐに理解しました。そして、自分を訪ねて来た時のソクジンの無表情な顔と、冷淡な口調に覚えた違和感を思い出していました。
その後、これまでのタイムリープと同様に、ユンギ、ジョングク、ホソクの3人が連れ立ってコンテナに集まり、5人は久々の再会を果たします。
数日後、突然の豪雨で警報が鳴り響く中、ホソクは雨宿り客で混雑するツースターバーガーの窓から、あの頃のジミンによく似た学生の姿を見かけます。
ホソクは、下校中に発作を起こして病院に運ばれてから唯一行方のわからないジミンを心配し、気に掛けていました。
ソクジンの帰国を知り、ナムジュンから連絡先を聞いていたテヒョンは、毎日ソクジンに電話を掛けていました。しかし、ソクジンはテヒョンからの電話に出ることなく無視し続けます。
痺れを切らしたテヒョンがソクジンが暮らすソンジュの高級住宅街へ向かうと、路地から2階にあるソクジンの部屋の窓が見え、その窓の中には壁に貼られた大きな地図にポストイットで印を付けているソクジンの姿がありました。
悪夢の中で、ジョングクが転落死をする事故を見ていたテヒョンは、偶然会った下校中のジョングクに「最近高いところに登ってるのか?あんなとこに登るなよ。」と工事中のビルを指差して注意をしました。
ホソクとユンギの意図しない行動によって、本来year22.04.11に起きていたはずの転落事故を無意識に回避していたジョングクでしたが、自分が時々とってしまう危険な行為をどうしてテヒョンが知っているのかと疑問に思います。
その後テヒョンとジョングクは一緒にユンギの作業室を訪ねますが、何かの拍子に機嫌を損ねたユンギが腹を立てて出て行ってしまいます。この日、テヒョンはふと悪夢の中で見た炎に飲まれるユンギの姿が頭を過り、作業室にあるユンギのライターを無断で持ち出していました。
その頃ジミンは、もう二年近くも閉じ込められているキョンイル病院の精神病棟の中で、自分には曜日や時間の感覚がなくなっているのだと考えていました。
全てを諦めているジミンとは対照的に、同じ閉鎖病棟には毎週金曜日の治療の日に必ずと言っていいほど「自分は狂っていない!」と騒ぎ出す一人の男がいました。
達観したようなジミンがその男の叫び声を聞きながら廊下の角を曲がると、急に飛び出してきた誰かと激しく衝突します。その”誰か”は閉鎖病棟から逃げ出そうと閉まりかける扉へ走っていた別の入院患者で、病棟の重たい鉄の扉がガチャリと閉まる音が響くと、その患者はジミンに向かって「お前のせいで全て台無しだ!」と因縁をつけて騒ぎ立てました。
今回のタイムリープでも、ジョングクと口論になって作業室を飛び出したユンギの様子を、ソクジンは車で後を追いながら伺っていました。
数日前にユンギを怒らせてしまったことを謝るために作業室へ向かっていたテヒョンは、偶然、路肩に停められた車の中にソクジンが座っているのを見付けて思わずその場に立ち尽くします。
車の中で携帯をいじるソクジンの表情は、あの日テヒョンがグラフィティに描いた感情を全て失って冷え切った顔そのものでした。そしてソクジンが車を停めているこの場所こそが、ソクジンが部屋の地図に印を付けていた、まさにその場所であると気が付きます。
「刑事さん、キム・テヒョンがまた問題を起こしたら、チョン・ホソクに連絡してください。」
テヒョンが車に近付くと、ソクジンがそう誰かに伝える電話の話し声が聞こえました。急に聞こえた自分の名前に驚いたテヒョンは、まるで先に起こる出来事を予測しているかのようなソクジンの発言に、ふと、もしかしてソクジンも自分と同じような悪夢を見ているのかも知れないと勘付きます。
テヒョンは咄嗟に車のドアを開け、驚いたように顔を向けたソクジンに対して、自分が見ている悪夢や偶然とは思えないソクジンの行動について詰め寄ります。しかしそんな必死なテヒョンを、ソクジンは「お前は何も知らない。」と冷たく切り捨て、そのまま路地の外へと走って行きました。
そして、ソクジンは用意していたユンギの血の付いたティッシュをモーテルの前に置いてジョングクが見つけるように細工し、運び出されたユンギをすぐに搬送できるように救急車を呼びました。
呆気に取られるテヒョンの前に、路地の角からユンギを見失ったまま当てもなく探し回るジョングクが飛び出してきたのはその時でした。すでに煙の立ち昇っているモーテルに気付かず通り過ぎていくジョングクを呼び止めようと、気が動転したまま走り出したテヒョンは、足を縺れさせてその場で転倒してしまいます。
ソクジンの思惑を知らないテヒョンがどうにかしてユンギを助け出さなければとモーテルへと駆け出そうとすると、完璧な計画を邪魔をされては困ると焦ったソクジンがテヒョンの腕を掴み、引き摺るようにして車の中へと押し込みました。
「何するんですか?あっちにユンギ兄さんが!」
「待ってろ、救急隊が来るから。」
痛みが走るほどの強い力で抑え込まれたテヒョンは、何度も何度もジョングクの名前を叫びながら必死に抵抗しました。
そんな二人の押し問答を横目に、結局、これまでのタイムリープと同様、ユンギを背負ったジョングクがモーテルから出てくるや否や、到着した救急隊員によって病院へ搬送され、ユンギは一命を取り留めます。
その一連の出来事を、テヒョンはソクジンの腕の中でただ呆然と眺めることしか出来ませんでした。
ソクジンがこれまで幾度となく繰り返してきたユンギの救済の過程で、テヒョンが声をかけてきたのは初めてのことでした。その予想外の出来事のせいでジョングクの誘導が数分遅れ、その分ユンギがこれまでよりも重い火傷を負ってしまいます。
しかし、ソクジンはユンギの負った酷い火傷の心配よりも、もしここでユンギが命を落としていれば再びタイムリープが起きてしまっていたということを危惧し、繰り返し起こる出来事に慣れ、少し気が緩んでいるのだと反省しました。
ホソクが養護施設の先生の病気を知り、橋の上で発作を起こして病院へ運ばれた翌日、ホソクがメールの通知音で目を覚ますと、そこには数日前に精神病棟の患者と揉め事を起こしたことで一時的に外科病棟に病床を移していたジミンの姿がありました。
過去のタイムリープの経験から、ホソクとジミンの救済には、ただ単に二人が再会するだけでなく、ホソクが自分のトラウマを強く自覚し、同じように幼少期のトラウマに囚われているジミンを病院から連れ出そうと決意することが重要でした。
そしてジミン自身も、ただ退院するのではなく、ホソクに背中を押されて自らの手で病院の扉を開け、自らの意思で走り出す必要がありました。
ユンギを火災から救出するとき、予想外にテヒョンが介入してきたことで計画に若干の狂いが生じたことを反省していたソクジンは、ホソクが見知らぬ女性を母親と見間違えて追いかけ、階段で足を滑らせたところをジミンに救出させるという複雑な工程を、時計の秒針を見つめながら慎重に進めていきました。
ソクジンはホソクが歩く廊下の先にある非常階段の扉をタイミングよく開け、女性が通りかかるのを目撃させると、すぐに別の階の廊下を歩いているジミンの名前を呼んで非常階段を覗かせました。
退院したホソクはそのままナムジュンのコンテナへ向かい、みんなを集めて病院で起きたことの経緯を話しました。
ジミンを病院から連れ出すことが、本当にジミンのためになるのか。そう悩んで決断できないナムジュンの携帯に、まるでタイミングを見計らったかのようにソクジンから着信が入ります。
ナムジュンからホソクが言い出したことを相談されたソクジンは、深く追及することなく「ジミン、当然連れ出さなきゃな。」と即答しました。それからとんとん拍子に話は進み、6人は翌日に病院に集まることになります。
ナムジュンは自分を訪ねて来たときのソクジンの様子を思い返し、大して練られた計画もなく実行される脱出に不安を抱き、コンテナの外から聞こえてくる、ウチャンが蹴るボールの転がる音を聞きながら眠れない夜を過ごしました。
ソクジンの指示通り、警察からホソクへテヒョンを引き取りに来るように連絡があった日、一度ホソクと別れて帰宅したテヒョンは、これまでのタイムリープと同じように父親を刺し殺すという罪を犯してしまう寸前で、戻ってきたホソクに制止されます。
「しっかりしろ!」そう狂ったようにテヒョンを揺り動かすホソクと泣き崩れる姉の前で、自ら引き裂いた掌から滴る血を呆然と眺めながら、テヒョンは父親を殺してしまう自分をソクジンがただ見つめている悪夢の最後の光景を思い出していました。
テヒョンの家を後にしたホソクは、誰もいないダンスチームの練習室へ向かい、無我夢中でダンスを踊ります。音楽に合わせて心を身体に乗せることで本当の自分自身になれると信じていたホソクでしたが、今目の前の鏡に映っているのは、ただ現実の世界で何も出来ずに足踏みするだけの自分の姿でした。
ふとバランスを崩して倒れ込んだホソクは汗だくのまま練習室の床に寝そべり、先生が病気を知って発作を起こした瞬間や、母親の幻覚に囚われて我を忘れて走り出した瞬間を思い出し、テヒョンの怒りと絶望の前で成す術もなく、きっと大丈夫だと無理やり笑おうとする自分に、途轍もない無力さを感じていました。
父親に飛び掛かろうとしたあの瞬間、タイミングを見計らったかのようにホソクが戻ってきたのは、ソクジンが提案した海への旅行に一緒に行くかどうかを尋ねるためだったと知ったテヒョンは、ユンギがモーテルに火を付けた日にソクジンが掛けていた電話や、ソクジンの部屋に貼られた印の付けられた地図、そして何よりソクジンのあの冷たい瞳を思い出していました。
テヒョンには、ソクジンが本当に海に行きたくてそんな連絡をしたのだとは到底思えず不信感を抱きましたが、海に行けばソクジンと何か話が出来るのではないかと考えて、旅行へ参加することを決意します。
翌日、待ち合わせをした廃プールに一足早く到着したテヒョンは、薄汚れたマットレスに寝そべり、悪夢の中では常に不幸な出来事を遠くで見つめているだけだったソクジンが、現実では全ての出来事に介入しているという事実について考え、悪夢と現実の区別を理解出来ずにいました。
そして、実際にソクジンが居合わせて起こった現実の出来事よりも、遥かに最悪の結末を夢に見ていたテヒョンは、もしかするとソクジンが自分たちが知らない何かを知っていて、介入することで特定の未来へと誘導し、自分たちを助けてくれているのではないかと考えるようになります。
徐々に海へと近付くソクジンの車の中で、ユンギはふと、どうして海へ行くのだろうかと、まるで何かに導かれているかのように自然と海へと向かう自分たちに対して漠然とした疑問を抱いていました。
ジミンも学生時代に来たあの海を思い出し、ホソクに「ここ、僕たちが前に来た海ですよ。願いを叶える岩があった所。」と伝えます。
year22.05.22に7人で訪れる海では、これまでのどのタイムリープでもジョングクが「僕たちここで写真撮りましょう。」と提案するのが恒例で、それはソクジンが【花様年華】の記憶を失ったあとの世界線でも必ず起こる出来事でした。
この日も同じようにソクジンの車の前でポーズを取る6人を前に、ソクジンはいつものようにタイマーをセットするのではなく、自らカメラを構えました。ホソクが一緒に写ろうと手招きをしても、ソクジンは硬い表情で首を横に振ってそのままシャッターを切ります。
繰り返し訪れるyear22.05.22の海でソクジンが”7人揃った写真”を撮らなかったのは、今回のタイムリープが初めてでした。
ファインダーから目を離して顔を上げたソクジンと、その背後にある太陽が重なった瞬間、テヒョンにはソクジンのどこか苦しげな表情の中にいくつもの感情浮かんで見えていました。
ほんの一瞬だけ見えたその表情は、直前までの冷たく乾いたものとは違い、いつも弟たちにからかわれて恥ずかしそうにしながら自分たちにとって最善の選択は何かと悩んでまごついていた、2年前までの本当のソクジンの姿のように思えてテヒョンは困惑します。
そして次の瞬間、テヒョンはどうしてか、あの日〈僕たちの教室〉で校長と電話をしていたのをナムジュンに見られたときの、どうして良いか分からないとでも言いたげなソクジンの助けを求めるような表情を思い出しました。
「兄さん、大丈夫ですか?」車の荷台に登ったままはしゃぐ5人を他所に、テヒョンがソクジンに声をかけて近付きますが、ソクジンは頭痛に顔を歪めて頭を抱えたまま、撮ったばかりの6人の写真を丸めて捨ててしまいました。
捨てられた写真を拾い上げたテヒョンは、ソクジンを追い掛けて一緒に展望台へと登ります。テヒョンは、どこか馴染みのある展望台に吹く風に当たり、まるでいつの日か夢で見た光景かのような既視感を感じていました。
展望台の頂上に腰掛けて水平線を眺めたソクジンは、これまで何度も見たはずの景色を忘れているような感覚を覚えますが、すぐにまた酷い頭痛によって掻き消されてしまいます。テヒョンはそんなソクジンに寄り添い、拾い上げた写真をソクジンのポケットにそっと忍ばせました。
自分を追って展望台へ登ってきたテヒョンに苛立つソクジンでしたが、いつかのタイムリープのようにテヒョンがここから飛び降りてしまえば全てが台無しになると考え、出来るだけ声を荒げることなくテヒョンに降りるように伝えます。
しかし、そんなソクジンの苛立ちを他所に、テヒョンは執拗にソクジンが失ってしまった【花様年華】の頃の話をし続けました。
「兄さん、僕たちが初めて会った日、覚えてますか?遅刻した罰に掃除したこと。」
7人で海で願い事を叫んだ日や、登校してこないユンギを探して街中を歩いた日のこと、ナムジュンが風邪を引いてみんなでバイトを代わったことや、テヒョンとジミンの高校の入学式にソクジンがジャージャー麺をおごってくれたこと。
「そんなこと、覚えてるかよ。」そう吐き捨てるように言ったソクジンの肩を掴んだテヒョンは、大きな目に涙を浮かべながら叫ぶように問い詰めます。
「兄さん、そのうち僕のことも忘れてしまうんじゃないですか?自分が誰なのか、それはわかりますか?兄さんが僕たちを助けてくれていること、知ってます。何があったんですか?話してくれれば僕たちも助けられるのに。」
ソクジンにとって単にタイムリープを終わらせるために必要だった行動を、”僕たちを助けてくれている”のだと言ったテヒョンの想いを、ソクジンは理解することが出来ませんでした。
「僕は誰の助けもいらないし、誰も助けない。」
ソクジンはそのままテヒョンを押し退けて拒絶してしまいました。
展望台で言い争う二人の様子を地上から心配そうに見上げていたホソクは、以前にもこんな事があったような不思議な既視感と共に、言葉に出来ない不安を感じていました。
そして突然、展望台を大きく揺らすような突風が吹いたかと思うと、すぐに目を開けていられないほどの激しい砂嵐が吹き荒れ、ホソクは両腕で顔を覆って庇います。
長い砂嵐が吹き止んでようやく顔を上げると、そこには展望台から一人で降りてくるソクジンの姿がありました。テヒョンが展望台から頭を出して呆然としたまま見降ろしますが、ソクジンは振り返ることなく車に乗ってどこかへ消えてしまいます。
「帰ろう。」
心のどこかでこの旅行が続くことを期待していたホソクは、ナムジュンのその一言にがっくりと肩を落としました。ソクジンがいなくなったことで夜を過ごす宿も家へ帰る手段も失った6人は、仕方なくソンジュの街へと歩き出します。
その帰り道、隣を歩くテヒョンを心配したジミンが「大丈夫か?」と声を掛けますが、その声はテヒョンには届かず、ジミンはまたとぼとぼとぎこちなく歩き続けました。
テヒョンは展望台でのソクジンとの言い合いの中で、自分の見ている悪夢とソクジンの言動には何か関係があり、ソクジンが過去の出来事を忘れてしまっているのだという考えに確信を持っていました。これから自分はどうするべきか、ソクジンのために何か出来ることはないかと考え込み、ナムジュンに相談しようと声を掛けます。
「兄さん、頼みがあります。」そう言って駆け寄るテヒョンの言葉に、ナムジュンは無意識に顔を歪めました。その言葉はナムジュンの中に消えずに残る、かつて自分のせいで命を落とした田舎の友人に最後に掛けられた言葉と重なり、ナムジュンは思わず顔を背けて歩みを速めます。
疑う余地のない拒絶のサインに、テヒョンはショックを隠し切れず、遠ざかるナムジュンの背中を見つめたままその場で立ち尽くすことしか出来ずにいました。
5人と別れて一人で帰路についたジョングクは、これまでのタイムリープと同じように人知れず事故に遭い、砂に塗れたような視界の向こう側で、明るく大きな逆さまの月がぼんやりと輝くのを見上げていました。
そして、徐々に遠くなる意識の中で知らない誰かの声が響きます。
「生きることは死ぬことよりも苦しいのに、それでも生きたいのか?」
走り去っていく車のヘッドライトが緑と青の不思議な光へと変わる幻覚のような夢を見ながら、ジョングクはそのまま意識を失いました。
そしてこの日、ソクジンは一人で海を離れてソンジュの街へと車を走らせる道中で、テヒョンに言われた数々の言葉を思い出し、頭が割れそうなほどの耐え切れない頭痛に襲われていました。
そして普段は人通りのない静かな道に差し掛かった瞬間、辺りに緊迫したクラクションが鳴り響くと、突然正面で光った対向車のヘッドライトを見て反射的にハンドルを切り、急ブレーキを踏みます。
ガードレールに車体を擦り付けるようにして何とか急停止したソクジンの車のバンパーには、大きな事故の傷跡が残り、ソクジンはそのまま修理のためにカーセンターに車を預けることになりました。
ソクジンの「タイムリープを起こさず、7人で海へ行く」という目的を達成するためだけの数々の言動は、6人に無視することの出来ない違和感を抱かせるのに十分なものでした。
その結果、year22.05.22を迎えた時点での6人の感情は、これまでの世界線とは全く異なるものとなり、ソクジンに対しての疑念が深まっていきました。
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キリがいいので、次回の記事では再び時系列整理の本筋から離れて、アルバム封入のmini版 花様年華THE NOTES 和訳まとめの第二弾を投稿します。
〈次回〉
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※時系列まとめの次回記事はこちら※
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