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遂に来たぜ、ブリブリ君!

ブログを読んでもらう時間は指定できないので、せめて自分が書くときは時間と場所をわきまえよう。わきまえた上で今回のテーマは、たー坊のう〇ち事情について。

さかのぼること半年ちょい前、たー坊が離乳食を開始した生後半年頃のこと。たー坊は、お殿(我が家ではう〇ち君への敬意をこめてこう呼んでいる)がブリブリできない問題に直面した。

たー坊はダウン症で、一般的にダウン症の子は筋緊張が弱いという。なかでも腹筋が弱い子が多く、便秘がちになりやすいと。ただでさえ、一般的に離乳食が始まると便秘がちになりやすいらしい。

どうにもこうにもお殿が下界に出てこなくなったので、便秘外来なるものに通い始めた。便秘外来には1か月~1か月半ごとに行って診察を受けて、エコーで大腸の中の様子を確認し、次の1~1.5か月分の浣腸を大量にもらってくる、そんな日々の繰り返しでここまで来た。

1か月分の浣腸を目の当たりにすると結構それなりにインパクトがあるもので、最初はそれらをそのままベビーカーに載せて持ち帰っていたのだが、電車の乗り口などで車輪が躓いてしくじったり、例のノンステップじゃないノンステップバスにのってひっくり返ったときにばらまいたら大変恥ずかしいことこの上ないので最近はちゃんとショッピングバックにくるんで持ち帰るようになった。

ちなみに、現在通っている病院には都内でも珍しく「便秘外来」なるものが独立して存在している。なんと言っても私はこの先生をとにかく信頼している。お世話になる前、ネットで「赤ちゃん 便秘 浣腸」と検索すると、浣腸悪い説が出てくる出てくる。そうなんだ、と思って途方に暮れていたとき、今の先生と出会った。便秘の理由は先天性の疾患や病気が理由だったり、個性だったりで様々だけれど、本当に多くの便秘に悩む子供たちを治療してきた先生の話には説得力があった。そして、毎日浣腸して習慣化して4-5年計画で便秘を治しましょう、という先生に最後の望みを託した。たかが便秘、されど便秘。

さて、そこのクリニック、便秘外来以外にもアレルギーとか通常の小児科もあって、とにかくひたすら激混みする。

ネット上で事前予約ができるのだが、平日枠のみで土曜日枠が出てくるのを一度たりとも見たことがない(土曜日枠もあるらしいのだが・・)。10月に復職してからは、「通院は土曜日に」を合言葉になるべく土曜日に家族そろって病院に詣でるのが最近のマイブーム。でも、ここの病院は土曜日に通うときは事前予約ができないので、当日予約になる。

この当日予約がまたすごい。何がすごいってその競争率たるや半端ない。朝8:00からよーいドンでネット予約が開始するその瞬間、全集中で今年中の運を全部使い切るかのごとく、指をカカカと動かし予約に翻弄するのだが、自称「予約王」の私でさえ、8:03には午前枠があっという間にいっぱいになって満席になってしまことがほぼ毎回。8:00ちょうどにログインしてもよくわからないマークがくるくる回っていっこうに次のページに進まない。

こういうとき、せっかち母はここで止まって「ステイ」ができない。つい、F5キーで更新を押したり何度も「次へ」を押してしまう。

わかっている、急がば回るな、留まれ。でもそれができない。結果、ページが時間切れ、もしくはフリーズ、もしくはログアウトされてしまって再度ログインでもたもたしているうちに3分があっという間に過ぎていく。前回もそれで予約が取れず、8:05にはイライラの雄たけびが我が家に鳴り響いた。

病院が開く時間を目指して、半ば泣きべそで病院に電話。お情けで午前中の診察の最後の最後に入れてもらった。毎回こんな調子で病院まで電車だと1時間半くらいかかることもあり、最近は受付の優しいお姉さんが憐れんでか、キャンセル枠が出るとその枠に入れてくれるようになった。本当に感謝してもしきれない。ちなみに、この便秘外来、診察は本当にシンプルでわずか3分弱で終わる。

先生に挨拶、エコーでたー坊のお腹を見てもらう。大抵「1日分くらい溜まってますね」と言われる。「毎日浣腸してますか?どうですか?気になることありますか?」と聞かれるが、本当に何も特に変化がないので、「いえ、ありません。」と。

先生は、「いいですね。淡々とやってくださいね、淡々と機械的に」という。でも不思議とそれが嫌ではない。

以前のブログに書いたように、「やる気ありますか?」と覚悟を問われて、やりますといった手前、淡々とやるしかない。癖になるんじゃ、とか、腎臓に負担がかかるんじゃ、とか不安な声がネット上で渦を巻いているが、たー坊の場合、出ないものは出ないので単純に選択肢が他になかった。

そんなこんなで毎月1回通っている便秘外来。前回10月に見てもらったときのこと。

「自分で出せることもありますか?」とふときかれた。耳を疑った。いやいや、とんでもない。うちの殿は頑固一徹ですから。

「全然そんな気配みじんもありません。。」

と答えると、

「そうですか。じゃあ引き続き淡々とやりましょう、淡々と」

といって終わった。

それから約1か月。つい先週、保育園に迎えにいったら、なんだかんだ話した最後に先生が、「そういえば、たー坊君、今日うんちもしてね」とさらりとすごいことをおっしゃった。早く仕事に戻りたくて今にも帰ろうとしていた母は立ち止まって耳を疑った。

「キョウウンチモシテネ」

ですと。それは本当にたー坊のお殿なのか、なんてまぬけなことを聞いた後、事の重大さが分からずきょとんとした先生を横目に、「たー坊、良くやった!今日はお赤飯だ!」と雄たけびをあげた母なのでした。

先生もようやく事態の凄さがわかったのか、「あーそういえば、園でしたのは初めてでしたね」と。いやいや自力で出来ることが奇跡ですから。そんなこんなで奇跡に感謝してホクホク1日が終了。

次の日の土曜日、家族で過ごしていると旦那さんが突然奇声を上げた。

「俺の膝が温かい!」

いつものことながら、何言ってるのか良く分からない。よくよく注意深く聞いてみると、たー坊を乗っけていた膝が急に暖かくなった。乗っているたー坊を見ると「うーん」と鼻を赤くしてうなっている。そしてプリプリとどこからともなく音がした、と。そしてほどなくしてやってきた独特の匂い。

旦那さん、「これはもしやもしかして!!」とルンルンでおむつをあけてびっくり仰天。そこには、大人ばりのブリブリ君がしっかりと存在感あらわにたたずんでいたのでした。あまりの感動っぷりに思わずブリブリ君をおむつの上からツンツンする旦那さん。アラレちゃんに改名したろか。

からの翌日曜日、たー坊のブリブリ君が止まらない。朝ごはん食べてブリブリ、お昼食べてブリブリ、何と1日に2回も!!毎日無心に同じ時刻に浣腸を続けてきた母としては、この奇跡がこれから生涯続けばいいのに、と祈らずにはいられない。1日2回なんてそんなもったいないことせずに、1日1回を2日続けてくれとさえ願う。

そんな思いもしらずにたー坊さんはブリブリ祭りで大フィーバー!「食べたら出す、出したら食べる」の良い循環が出来ているよう。

旦那さん曰く、これは自分が離乳食をあげるときに水を多めに飲ませるようになったからだ、と言い張って聞かない。いやいや、毎日浣腸を続けた結果、習慣化された土台に腹筋がついたからでしょ、と手柄を横取りしたい母。すったもんだの小競り合いの末に、最後は発熱後に飲んでいる抗生剤と一緒についてくるビオフェルミンの整腸剤効果ではないかという悲しい結論に至ったのでした。

それでもなんでも、殿が下界に再来したのは喜ばしいこと。一般家庭ではきっと何でもない普通のブリブリ君が、我が家にとっては心底尊い存在なのでした。こんなことでドヤ顔してはいけない。日本らしい謙譲の美徳はどこいった。でも嬉しいものは嬉しい。今週ワンオペ地獄の我が家だが、ブリブリくんのおかげで来週も頑張れそう。

【浣腸1ヶ月分。なかなかな迫力ですこと】

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【ブリブリ祭りだ、わっしょい!】

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