Book Melody BasKet
■ ひとこと概要
時空の国のアリスのような不思議で謎めいた展開が面白く、黒曜石の地図が出てくることから、アリスと銀河鉄道の夜を大事なモチーフとして物語を想像していくことができる。乙女心の原点への旅ができる銀河ステーション本。
■ 感想
「Book Melody BasKet」嶽本野ばら(絵)松下さちこ(株式会社ジェイジョリー)P80
誰にも懐かず、森の中でひっそりと暮らしている一角獣の<Bus>と<Ket>。そんな2匹はただ一人<Melody>という少女だけには心を許していた。
Melodyと呼ばれるその少女は本当の名前を含め自分のことを全て魔法使いの呪縛によって忘れていた為その名は仮の名前であり、BusとKetは彼女が何者なのかを探す探偵の旅のお供をすることに。時空の国のアリスのような不思議で謎めいた展開が面白く、途中で「コーカスレース」が登場したり、時空を旅するアイテムで黒曜石の地図が出てくることから、アリスと銀河鉄道の夜を大事なモチーフとして物語を想像していくことができる。
物語の最後にまたひとつ厄介なことが降りかかるも徹頭徹尾サラリと不幸な影はなくドライで幻想的に展開していき、かわいい世界の中で肝の据わった凛々しさと無邪気な毒気が世界の中心を貫いているところも永遠の少女性を象っていて心地いい。
松下さちこさんの描く少女の強いかわいさと一角獣の美しさが三方金、タイトル箔押し、ベルベット調素材の装幀に収められた、乙女心の原点への旅ができる銀河ステーション本。
■ 寄り道読書
「100%Shirley Temple Book―30th ANNIVERSARY ISSUE」
「お姫様と名建築」に続いて嶽本野ばらさん本を読めば、振り返って眺めたくなるかわいい世界。
シャーリーのノベルティや懐かしいファブリックもいっぱい掲載されているので、宝箱みたいなアルバムブックとして永久保存本。
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