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お姫様と名建築

■ ひとこと概要

世界中のお城の話だけでなく、空想のお姫さまや幽霊城に纏わるお姫さま、ゴシック文学、ロリータの歴史を辿るようでもある野ばら節満開の本書。「世界の美しいお城」本を副読本に楽し過ぎる時間を堪能しました♡

■ 感想

「お姫様と名建築」嶽本野ばら(株式会社エクスナレッジ)P295

お姫さまと言われて多くの方が想像する西洋のお姫さまだけでなく、推古天皇や西太后、楊貴妃、千姫などアジアのお姫さま、人魚姫やオフィーリア、ラプンツェルなどの空想のお姫さま、アン・ブーリンやメアリー・スチュアートなど幽霊城に纏わるお姫さま、ゴシック・ロリータの歴史を辿るようでもあるお姫さまとお城がズラリとラインナップされた野ばら節満開の本書。

「お城に住むからお姫さまなのでなく、お姫さまが住んでいるからお城なのです」の言葉もうっとりと心を満たしてくれる。

毒殺魔のお姫さまとして語られるルクレツィア・ボルジアのボルジア家が所有していた毒薬<カンタレラ>。藤本ひとみをその血に濃く深く宿す者のひとりとして「天使のカンタレラ」!と銀薔薇テンションが上がり、アンボワーズ城で「愛の迷宮で抱きしめて」!とマリナちゃんが脳内を疾走する脱線バラ色回想で高揚していたら、野ばらさんもルクレツィアとチェーザレに「ポーの一族」のエドガーとメリーベルを重ねていて、私もそう読んでた~と本題そっちのけで盛り上がる事しばしば。

シャルル・ペロー「眠れる森の美女」が生まれた、ロワール川とアンドル川を望み豊かな緑に包まれたユッセ城はいつか見てみたい。ホレス・ウォルポール「オトラント城奇譚」や、メアリー・シェリー「フランケンシュタイン」、ガストン・ルルー「オペラ座の怪人」の話などもあり、ゴシック文学のルーツを辿る側面も愉しく、ジェーン・マープルやエミリー・テンプル、MILKなどのお洋服に絡めた話など好きが詰まった楽し過ぎる時間に。

お城の写真もあると更に楽しみが膨らむので「世界の美しいお城」本を副読本に堪能しました。

■ 寄り道読書

「世界の美しいお城」(学研プラス)P128

世界中の有名なお城や城郭の写真だけでなく簡単にお城などに纏わる話な読めて、訪れる為のガイド本としても使える充実本。ひとつひとつのお城を詳しくという本ではない為お城に詳しい方には物足りないかもしれませんが、沢山の美しいお城とともに逸話や歴史などを読みたいという方にぴったりです。

この本を片手にお城巡りしてみたいなあ。

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