見出し画像

愛と魂の旋律 ショパンの世界へ

■ 感想

「愛と魂の旋律 ショパンの世界へ」堀内みさ(世界文化社)P122

18曲をCDで聴きながら39年のショパンの人生を辿る、入門の書としてもぴったりな本書。

ショパンゆかりの地の写真資料も豊富に収録され、耳だけでなく目も美しさで魅了される。生涯を通してポーランドを愛し、ピアノを愛したショパン。詩情に溢れ幻想的に展開されていく曲への理解を深める一助となる構成も素晴らしく、これから曲の背景をより深く知る為に、ショパンとジョルジュ・サンドの人物像をもっと知りたいと思った。

柔らかく銀の鈴が鳴るような澄んだ響きを持ち、溜息のような音まで繊細に表現できるというプレイエル社のピアノでショパンが奏でる「ノクターン第2番変ホ長調」は、どんなにロマンチックな世界だっただろうと想像するだけで夢のような心地が広がる。

生来の病弱さ故に味わった苦しみが少なくなかったことも容易に察せられるが、それでも尚研ぎ澄まされた音色と共に立ち昇る美しい世界を沢山後世の人たちに遺してくれたことに感謝しながら、これからもその音の中にショパンの想いを感じていきたい。

■ 寄り道読書


🔲フレデリック・ショパン──その情熱と悲哀/フランツ・リスト(彩流社)
🔲フレデリック・ショパン全仕事/小坂裕子(アルテスパブリッシング)
🔲ジョルジュ・サンド 1804‐76―自由、愛、そして自然/持田明子(藤原書店)
🔲ジョルジュ・サンドと四人の音楽家/坂本 千代,加藤 由紀(彩流社)

まずは積んであるこの4冊から、ショパンとジョルジュ・サンドを知り、既読のジョルジュ・サンドの小説の久しぶりに再読していきたい。

ジョルジュ・サンドの個人としての人物像はとても惹かれるところがあり、その為人を知っていくのがとても楽しみ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?