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初めてのパターゴルフ

先日、ゴルフ好きの父とパターゴルフに行ってきた。
前々からゴルフに興味があったのだが、重い腰が上がらず、
まずパターゴルフで慣れてみようというところから始まった。
パターゴルフとは短いホールを9ホール1セットで回る。
珍しく自分の出番が来たと、
意気揚々と教えてくる父がなんだか暑苦しい。(笑)

初めてクラブを振ってみるたものの、なかなか上手くいかない。
よくみるゴルフ選手の動きをイメージしながら、打った後大きく振り切ってみる。
少しでも遠くに飛ばそうと力任せに振る、すかす。
まっすぐ打っているつもりでも、曲がる。
通常まっすぐ打てば”フェアウェイ”と呼ばれる芝が短く、ボールが転がりやすいゾーンのまま、進んでいく。
しかし私は自分の思った方向に飛ばないので、フェアウェイの両脇の”ラフ”と呼ばれる芝生が長く、ボールが転がりにくいゾーンに入ることが多い。

いきなりゴルフの洗礼を受ける。

見かねた父がアドバイスをくれた。
ただボールをクラブの中心に当てることだけを意識するように、
とのことだったのでその通りにやってみる。
が、そもそも芯に当てる感覚が難しく四苦八苦。飛距離もでない。
自分には向いてない…と早くも心が折れそうになる。

ふと周りを見ると自分よりも遥かに歳上の
70過ぎぐらいのおじいちゃん・おばあちゃんがすこーんと
40mほどの距離をぶっ飛ばしてる。
どうしてあんなに軽く飛ぶのだろうと思い、観察。

見ていてこれは力の問題ではない、コツがいるのだと思った。
よく映画で見る、ひょろひょろの武道の達人がマッチョの男性をえいっと簡単に倒すシーンが思い浮かんだ。
ちゃんとボールもクラブの中心に当たって快音を響かせている。
ゴルフは力じゃない、と目の当たりにした瞬間だった。

それからは特別飛ばそうと思わず、芯に当てることだけ考える…。
振り切るスピードはひとまず置いておいて、中心に当てる!!
結果、思った以上に飛んだ。
感覚としては振り子のような力加減。けっしてギュッと振り切らない。

中心に当たりだして、何とか出だしは上手く打てるようになった。
そしてホールを繰り返すうちにコツも掴み、勢いも出てきた。

ところが一難去ってまた一難。
次にたちはだかったのはグリーンに乗ったあと問題。
グリーンとは、ボールを入れるカップがあるゾーン。
フェアウェイよりも芝が短くボールが転がりやすい。
よって、軽ーく打たないと勢い余ってグリーンの外にボールが出てしまう。
かといって弱いとカップに入るまでに打数を重ねてスコアが悪くなる。
この力加減が難しい。

せっかくグリーンに入るまですこーんと打てるようになってきたのに、
グリーンに入ってからなかなかホールに入らず、グリーン内をいったりきたり。短いショットの力の配分が分からず悪戦苦闘。
父に「力を抜いて」と言われたものの、思うように体が動かない。

グリーンに乗ったらできるだけ少ない打数で、
1点でもスコアをよくしたいという欲が出てくる。
集中しなければと思えば思うほど、緊張する。

もっとリラックスして打てばいいのにと自分でも思うけれど、
『ここまで上手くできたから無駄にしたくない』という邪な気持ちが強く出て、これがなかなか難しい。

人生往々にして「うまくやらないと」と思うと力が入り、結果上手くいかない事が多い。ふとそのことを思い出して、自分が思っているよりも2割の力で打つというより転がしてみた。

ころころころ~

なんと入った。
え?こんなんでいいの??
みんなこんな感覚なの??

と自分のイメージと程遠すぎて信じられなかった。
が、一度成功体験を持ったことでイメージがしやすくなる。
失敗を繰り返しつつ、このくらいだと入る、入らないが分かるようになってきた。

はじめは初心者ながらも負けず嫌い精神を発揮していたものの、
徐々に上手くいかないことすらも楽しめるようになってきた。
色々力加減を試し成功と失敗を繰り返し、精度もあがってきた。
ホールを重ねるごとに少しずつスコアが上がり、
前の自分を越えたようで嬉しかった。
(もちろん父の足元にも及ばない(笑))

今回ゴルフを初めて経験し、学ぶことがたくさんあった。
まるで人生みたいで面白かった。

・自分の感覚や考えに縛られず、自分よりもうまく言っている人の言うことを素直に実行することが上達の早道
・力が全てではない。必要最小限の力で効果を発揮する点を見極める。
・「上手くやろう」と思うと上手くいかない
・はじめから完璧を求めず、少しずつできるようになればいい

この日は4セット回った。
次来たときはまた振り出しに戻っているだろう。
楽しかったのでまた来たい。
そして本物のゴルフはもっともっとコースが長いと思うと気が遠くなるが、
挑戦してみたい。

最後にいつもすっかり忘れて何もしてないが、
この日のお礼に、今年の父の日は何か贈ろうと思った。

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