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【妊娠記録】「子供の個性」を本当の意味で受け入れられるか?

「ん〜、ちょっと小粒ちゃんですね」

26週と1日、妊娠7ヶ月を迎えた健診時に先生に言われた。お腹の中にいる赤ちゃんが、週数平均に比べてだいぶ小さいということらしい。

心拍確認当初からやや小さめではあったものの、ここにきて成長速度のペースが少し落ちてしまったようだ。※「胎児発育曲線」という、赤ちゃんの発育を見る表に当てはめても、ギリギリ正常ラインくらい。といっても、母体から胎児への血流や胎児の各種臓器にはなんら問題がない。ただ小さい、それだけ。

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※日本産婦人科学会「推定胎児体重と胎児発育曲線」保健指導マニュアルより

「胎児発育不全」
その言葉が脳裏をよぎった。最悪の場合、お腹の中で亡くなってしまう。しかし、小さくても健康で病気のない赤ちゃんが産まれてくる可能性は十分ある。診断は慎重に行わなければならないため、1週間後にもう一度エコーをすることになった。

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1週間後。エコーの結果、赤ちゃんは相変わらず平均よりは小さいけれど、しっかり1週間分大きくなっていた。胎児発育不全ではないということだ。

「この子の個性ですね」

先生はそう言った。1週間抱えていた不安が取り除かれ、ホッとした。その一方で、何か異常があった時のことをふと想像したのだ。

もし発育不全や他に異常があったら、私は受け入れられていただろうか、と。

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「子供に何か異常があった時、親なら受け入れるべきだ」

そう考える人はいるかもしれないが、実際親になろうとしている身としてなかなか難しいことだと思う。これから、長い人生を共にする親だからこそ誰より不安だし、簡単には受け入れられない。

育てるという責任がある以上、たくさん悩むし、考える。命を授かるというのは、だたハッピーなことだけではないということだ。

今は羊水検査や超音波でのスクリーニング検査、母体血清マーカー検査など、多くの出生前診断がある。気軽に行えるものもあるが、どちらにせよ医師のカウンセリングは必須だ。異常がないことを確認して安心するためのものというよりは、もし何か異常が見つかった場合、どうするのかまでよく考えるためのものだと、私は思う。

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私の場合、幸い異常はなかったが、親になる責任の重さを改めて考えた出来事だった。


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