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実は逆プロポーズだった話

私たち夫婦は2019年3月11日に婚約した。


「プロポーズされた」のではなく「婚約した」のである。

何を隠そう、プロポーズをしたのはわたしなのだ。


***

3月11日は、わたしたちが付き合った記念日だ。

その日は付き合った日に行ったお店でお祝いの約束をしていた。
とっておきのプレゼントを用意して、手紙を書いた。

実はわたしは彼を下の名前で呼ぶことを未だに照れてしまうタイプなので、
手紙は節目の記念日には書くことにしている。

手紙を書こうとした時に、思った。


「この人と結婚できたらな」と。

同時に、プロポーズを待つのはわたしらしくないし、
わたしが結婚したいと思っていることくらいは伝えよう、とも思った。


***

「結婚はタイミング」とよく言うが、じゃあいつなら良いのだろうか。


仕事で成功したら。
年収が◯万円になったら。
付き合って◯年経ったら。

人によって様々な基準があると思う。

よく聞くのは、「いずれはこの人と結婚したいと思っているけど、今じゃない」という理由である。


個人的な見解だが、これには、「今はあなたが一番だけどまだ他にいい人がいるかもいしれないから決めきれない」という意味も含んでいる気がするのだ。


女性だからといって、男性が結婚を決めてくれるのを待たなければいけないという決まりもない。

付き合っているという対等な立場でありながら結婚が絡むと急に男性の立場が優位になることに疑問をもったわたしは、逆プロポーズへと踏み切ったのだ。


***

そして迎えた3月11日。

思い出のお店で、美味しい料理と美味しいお酒。

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「1年ありがとう」
と言い合って、プレゼントを交換した。

手紙を読んだ彼は、涙ぐみながら即決してくれた。

一旦は持ち帰られると思っていたので、即決は少々驚きもあったが、嬉しかった。


***

もし、「この人と結婚したい」と真剣に考えているなら、その思いを伝えてみてはどうだろうか。


すぐに結婚という結論に至らなくても、相手も真剣ならば、向き合ってくれるはずである。

結婚する、しないの決定権を持っているのは男性だけではない。
二人でするものなのだから、女性もその決定に加わる権利がある。


「プロポーズは、もっと多様で自由でいい」


自身の経験を通して、そう感じた。

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