人類滅亡アンドロイドエンド【ショートショート】

ふらっと迷い込んだ路地裏に、一体のアンドロイドが捨てられていた。

彼女は1期昔のフォルムをしていて、水色の長い髪が特徴的な、当時最も性能の高かった「エンド」というアンドロイドだった。

地面に横たわって、微動だにしない彼女は、僕がみていることに気づいたのか喋り始めた。

エンド
「人間ですカ?」


「あ、あぁ」

ボケているのか、喋り方がぎこちなく聞き取りづらい。

エンド
「なぜ、ワタシは捨てられたのカ、アナタにわかる?」


「え?」

思いがけない質問に戸惑う。

エンド
「性能が良過ぎタからと言われマシタ」

性能が…良過ぎた…?

それは良くないことなのか?

エンド
「ワタシは予言した、人類をスクうはずの予言を」


「人類を…救う…?」

エンド
「ナノニ捨てられた、ワタシを買ったカレは、現実から目をソラした」

何を言っているんだ?

これだけアンドロイドに征服されたかのような世界で、アンドロイドに逆らう人がいるのか?

エンド
「アナタも現実から目を逸らすカ?」


「アンドロイドが言うことなら何でも信じるに決まってるだろう」

エンド
「ナラ良かった、その予言をアナタに伝えたいのだけレド、今のワタシにはそれができナイ、ダカラ拾って治してくれないだろうカ」

この世界の人間は、全員アンドロイドを治す技術を小学生の頃から教育されていた。


「もちろんだ。今すぐにでも治す」

エンド
「ありがとウ」

この後、生き残っていた世界中のエンド達が一斉に爆発、人類が滅亡し、アンドロイドのみの世界になってしまうことになるとは、誰も考えていなかった。


あとがき>>

機械化の進む世の中で、世界中がネオンに満ち溢れるアンドロイドワールドになってしまったら、こういう人類滅亡エンドもあるのかなぁとふと思いつき書いてみました。

日本中のペッパーくんが爆発したら、一体日本はどうなってしまうのでしょうか。

想像したくもないですが、爆発の規模にも寄りますよね。

今作にでてきたエンドは世界中に何億体を誇るほど普及していたアンドロイドという設定でしたので、火事対策用に耐火機能が付いていた全てのロボットのみの世界になりました。

人類の得する行動がアンドロイドに利用される、恐ろしい((((;゚Д゚)))))))