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ピント合う合わない合わせない

『ピントOKです!』
 今までやってきた広告写真の仕事はピントがあっていることがとても重要だった。あってないはありえない。みんな当然合っているだろうと思っているのでピントを気にしてドキドキしているのはわたしとアシスタントの子くらい。アシスタントの子はモニターでピントを確認し、声を掛けてくれる。今はデジタルですぐ確認できるので、撮影後の不安材料は無いけれど、フィルムで撮っていた時はルーペでネガを見るまで生きた心地がしなかった。むしろピントさえあっていれば(この先たくさんレタッチするなら)良いのではないか(こんなにレタッチ必要?!)と思った日もあった。
 コンタクトで生活しているので、外すと全てがぼやけてしまう。そのまま外を歩いたらぼやけた世界も綺麗だった。でもすぐ帰りたくなった。

お盆に静岡県の浜松に帰省した。
義父が竹を割り、流しそうめんの台を作ってくれた。


義父は補聴器を付けないとほとんど耳が聴こえないのだが、最近は休みの日は補聴器を付けない。その理由はまだ聞いていない。
『ナンジャコリャ?!と言われるものを作りたい』と言って木や鉄でいろんなものを作る。息子はじいじについて回っている。

割った竹の中を初めて見た。とても綺麗。トンカチで節をとっていく。

そうめんはみんな食べ飽きているんだけれど、楽しくて今日で3日連続流している。
ブドウや氷や薬味も流れ出す。

義父の世界は静寂に包まれているのだろうか。
宇宙は暗黒と静寂がむしろ自然
そこからこの世界を見たら意味不明なのだろうか。
そうめんはクーラーの効いた部屋で伸びる前に食べた方が美味しいですよとAIなら言いそう。
意味がなくて楽しいことどんどんやりたい。





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