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丘の上のパン屋

 先週末、訪れたことのない街を歩いてみたくなり、Googleマップ上を適当にぐるぐる飛び回っていたら、とても気になる名前のお店を見つけた。

 『丘の上のパン屋』

 なんだかジブリを彷彿とさせるような素敵な店名で、これは美味しいに違いないだろうと確信を勝手に抱き、行ってみることにした。

 アクセスだが、東急田園都市線のたまプラーザ駅かあざみ野駅からバスで行ける。「横浜市青葉区美しが丘」という地名がもう素晴らしい。

 いかにも横浜らしい起伏ある道をバスに揺られながら15分ほど。降りてから小道に入り、何度か曲がりながら登っていくと、唐突にパン屋は現れる。

 芝生の小さな丘の上に石造りの建物があって、扉の前に木のプレートで店名が書かれている。様々な素材で作られた素敵な外観だ。童話から出てきたお店のようにも見える。

 店内には、たくさんのパンが綺麗に並べられていた。香ばしい匂いと鮮やかな景色に心を奪われそうになる(いや、奪われていたのかもしれない)。どれも美味しそうだ。

 迷いに迷った挙句、人気No. 1とNo.2のエッグタルトとクロワッサンを購入した。店の外に木のベンチがいくつかあるので、そこで食べることにした。こんなに素敵な朝食は思い出せないほど久しぶりだ。

 まずはクロワッサンを食べる。外はカリカリで中はふわっとしていて、とても美味しい。ほんのりとした優しい甘さが心地よい。
 次にエッグタルト。パイ生地のカリッとした食感とカスタードクリームの柔らかさのバランスが良くて、これも美味しい。人気No. 1なのも頷ける。

 少し気温が低めの日で、食べ終えた後は体が冷えてしまったが、暖かい時期にここで食べたらとても優雅で落ち着いた時間が過ごせるんだろうなと思った。

 丘の上のパン屋さんは、名前の期待に負けないくらいに素敵なお店だった。
 頻繁には通えない場所だけど、もし近くに住むことがあったら常連になりたいし、そうじゃなくてもたまに通って美味しいひと時をまた味わいたい。

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