2020 北陸旅行

旅行記第2弾!ということで2020年の年末に敢行した1泊2日の北陸旅行について書きたいと思います。これは僕の住んでいる東京から福井県小浜市へ別で旅行に行っている家族に北陸経由で合流しようとしたものです。ちなみにこの旅行にはコスパの化け物こと青春18きっぷを利用しています。朝の8時ごろに荷物をまとめて旅に出発。京王線で高尾へと向かい(さっそく中央線に乗らずに18きっぷの無駄遣いをしていますね)、甲府行きの各停に乗り込みます。
上野原、大月を通り過ぎ、笹子トンネルを抜けると、進行方向左側に甲府盆地を一望できます。ここが中央本線の絶景ポイントの一つです。なお写真は撮り忘れました。甲府で松本行きに乗り換え、しばらくすると進行方向左側にもう一つの絶景ポイント、南アルプスがその雄大な姿を表します。「無名な2位」としてセミナーで使われすぎたために有名になってしまった北岳を始め、3000m級の山々を数多く擁する山脈です。僕が訪れた時期はちょうど冬だったので、南アルプスは雪化粧をしており、山の偉大さをなおさら強く示していました。なお写真は(ry。しばらくすると長野県に入り、諏訪神社でお馴染みの諏訪湖の北岸を弧を描くように迂回し、トンネルを抜けしばらく経つと、長野第2の都市・松本に到着しました。

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松本城


松本ではお昼ご飯に名物のそばを頂き、松本城などの観光地を巡って腹ごなししたのち、大糸線の列車へと乗り込みました。大糸線は長野県の松本から新潟県の糸魚川へと至るローカル線で、沿線にある大町と終点の糸魚川の頭文字を合わせて命名されました。松本から大町までは通勤・通学需要があり利用者も見込めるのですが、大町以北の利用状況は壊滅的で、1日あたりどれくらいの人数が平均してその区間を利用しているかを示す平均通過人員は600人ほど、途中駅の南小谷以北の区間に至っては100人ほどの数値です。わからない人のために説明しますと、これは廃止してバスに転換してしまった方がマシなレベル、100ぐらいになってくるとバス転換しても採算が取れるか怪しい区間です。
松本近郊の段階では列車は人でごった返していましたが、次第にその人では減っていき、大町からは乗ってる乗客はお年寄りと、同族である18きっぱーぐらいになってきました。列車は南小谷駅で一旦乗り換える必要があります。実はこの南小谷駅でJR会社の管区が変わっており、今までのJR東日本からJR西日本の管区へと変わります。そのため、ここで乗り換えが必要なのです。南小谷以北の乗客はさらに減り、JR西日本特有の何十年使い回したのか小一時間問い詰めてみたいオンボロ気動車が唸りを上げながら曲がりくねった道のりを北上していきます。

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南小谷駅


終点である糸魚川に着いた頃にはもう夜でした。ここから今日の宿泊地である富山へと向かうのですが、ここからは18きっぷは使えません。JRの在来線区間限定の18きっぷですが、ここから乗るのはえちごトキめき鉄道というネーミングセンスを疑う(個人の感想です)別会社の路線だからです。かつてはこの路線も北陸本線というJRの路線の一つでした。しかし北陸新幹線が開業した際、並行する在来線は切り離してもいいよ、という決まりがあるのでJRはここを切り捨て、北陸本線はそれぞれの県が管理することになりました。よって、「JRの在来線乗り放題」である青春18きっぷの利用範囲外になってしまったのです。
さて、話を旅行に戻しますが、糸魚川で私は一つミスを犯してしまいます。トキ鉄18きっぷという、18きっぱー限定に1000円でえちごトキめき鉄道全線が乗り放題になるという切符を買ってしまったんですね。当時の私はこれで富山県の第三セクターも乗り放題になると思っていたのですが、えちごトキめき鉄道は新潟県の会社なので、県外では無効になってしまうのです。糸魚川〜市振(えちごトキめき鉄道最後の駅)までの運賃は550円だったので、450円の損失をこきました。サイゼリアなら一品注文できる金額なのに…
気を取り直して列車に乗りました。日中なら見れたであろう日本海の景色も、日が暮れてしまっては見ることができません。列車は終着駅の泊駅に到着します。ここでえちごトキめき鉄道からあいの風とやま鉄道という、これまた微妙なネーミングセンス(個人の感想です)の会社の路線に乗ります。会社名から分かる通り、ここから富山県です。本当の会社の境界は県境に近い市振駅なのですが、この駅は日本海の波打ち際に作られたロクに列車も交換できない狭い駅なので、富山県に入った泊駅が交換駅に選ばれたのです。泊は富山県朝日町の中心駅でもあり、ある程度列車の交換が可能です。ここからは富山行きの列車に乗り、本日の最終目的地である富山に到着しました。
富山に着いたのは19時半だったので、夕飯を食べようと思っていたのですがほとんどの店は閉まっていました。ギリギリ営業していた丼物屋さんに滑り込み、ラストオーダーにご当地名物である白エビ丼をいただきました。揚げられたご当地名物の白エビをたくさんご飯の上に載せた一品で、サクッとした衣と中身のプリプリした食感がいいコントラストをなしていました。

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翌朝は9時ごろに富山発金沢行きの列車に乗り込みました。石川県からは第三セクターであるIRいしかわ鉄道が運営する線区となります。今までの三セク会社では最もネーミングセンスがマシ(個人の感想です)な会社ですが、IRはIshikawa Railwayの略なので、「IRいしかわ鉄道」というのは「頭痛が痛い」と同じじゃないかというツッコミはひとまず置いておきましょう。ちなみにこの鉄道はあいの風とやま鉄道と同様に、在来線から転換された三セクとしては珍しく他社路線とガッツリ乗り入れており、そこら辺は便利です。
そうこうしながら金沢に到着しました。旅程組みながら思ったんですが、北陸本線の接続って微妙に悪くないですか?毎回30分近く待たされてしまいます。時間見て観光しろっていう自治体の思惑なんでしょうか?ただ30分あったところで大した観光には行けませんけどね。特に中心街が駅から微妙に離れている金沢市、聞いてるか?大した時間はなかったので金沢観光は駅前の例の門を見るに留め、福井行きの列車に乗り込みました。

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例の門


金沢からは現役の北陸本線を名乗る路線に入ります。現時点では北陸新幹線は金沢止まりですので、ここからは三セクに移管することができないからです。しかし、間もなく北陸新幹線は福井県の敦賀駅まで延伸する予定ですので、開業すればこの区間は同様に三セクに移管され、JR北陸本線は敦賀〜米原間という、北朝鮮の正式名称レベルに名が体をなしていない路線になることでしょう。相変わらず福井駅で30分程度の待ちぼうけをくらった後、敦賀行きの列車に乗り継ぎます。しばらく南へ行くとあたりは山で囲まれ、雪がちらほら見え始めます。日本海沿岸よりも山間に行くと積雪が多くなるのが、北陸地方の気候の特徴です。南今庄という小さい駅を過ぎると、列車は長い長いトンネルに入ります。このトンネルの名前は北陸トンネル。嶺北と嶺南という、福井県の二つの地方を結ぶトンネルです。このトンネルは在来線の陸上トンネルとしては日本最長で、その総延長は14,000mに及びます。かつてここで発生した列車火災事故も名を知られています。食堂車のボヤに端を発したこの火災は、当時の国鉄の杜撰な対応が原因でいたずらに被害を拡大する結果となりました。トンネルを抜けるとすぐに、嶺南地方の中心地敦賀に到着します。
ここで北陸本線に別れを告げ、小浜線に乗り換えます。なお、敦賀駅にはもう数年したら開業するであろう新幹線の駅舎が建設されている様子が見えました。話を小浜線に戻します。小浜線は福井県の敦賀駅から京都府の東舞鶴駅に至る路線で、原発銀座と呼ばれる若狭湾沿岸を走行します。この地域の過疎化により利用人数は減少の一途を辿っており、将来的に北陸新幹線が敦賀以南に延伸した際に三セク化される様子ですが、その時期まで存続しているのか疑わしいです。ただ沿線は海の幸が豊富にとれる地域でもあり、三方五湖などの観光資源にも恵まれるため、乗車をお勧めしたい路線でもあります。海沿いの景色を眺めながら、家族が迎えに来てくれると言っていた大鳥羽駅で下車しました。ちなみにワンマン列車で途中下車したのは初めてだったため勝手が分からず、運転士に切符を提示するのにかなり手間取っていたのは内緒です。
以上で、北陸旅行の記事を締めたいと思います。長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。

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