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パイセンのアドバイスを聞け

例えば会社のベテラン社員のアドバイス。
この価値は低減している時代と言えるかもしれない。
世間が目まぐるしく変化し、
数年、数十年で求められるものが変化してしまうこの時代に、
シーラカンスパイセンの増加は免れることができないことかもしれないのである。

そんな私も30代であるが、
大変失礼ながら、パイセンのアドバイスを間に受けないことがある。
私の部下は全員私の年上だ。
そうなれば、パイセンに対して何かを教えることも少なくない。

しかし私はパイセンがMUNOU化していくとは限らないと考えている。
どんなに頑張っても追いつけないもの、それは時間と経験である。
場数というものはたくさんの教えが詰まっているものであり、
パイセンよりも場数を踏もうと思ったらそれはそれは大変なのである。
そう言った経験からのアドバイスで救われたことがたくさんある。
つまりパイセンのアドバイスは排除対象ではなく、
貴重なものとして扱わなければいけないのだ。

昨日は久々に釣りに行き、何と90匹ほどのイワシを釣り上げて帰ってきた。
間違いなく今年最高の釣果であったが、
90匹も釣れると途中から飽きてくるものである。
人間とはわがままな生き物だ。
帰ってからも90匹を下処理するのが大変だったのは言うてもいうまでもない。
魚屋さんに最大限のセンクスの気持ちを伝えたい。

なぜこんなに釣れたかと言えば、パイセンのアドバイスなのである。
イワシなどを釣り上げる際は、
カゴにアミコマセというちっちゃいエビを詰め、
それを海中でばら撒くことで魚をおびき寄せる流れである。

そのアミコマセについて、最近「アミ姫」というイノベーションが起きた。
アミコマセには下記のような課題があった
①冷凍ブロックで売っているので、カチカチですぐ使えない
②エビの匂いがキツく、手に付くとなかなか落ちない
③保存が効かないため、使い切る必要がある

アミ姫はチューブタイプのアミコマセであり手が汚れない。
その香りはなぜかフルーティーな香りである。
常温で保存でき、使いきれなかったらそのまま取っておける。

そんな便利さに惹かれ、私は今年ずっとアミ姫を使用してきた。
昨日は釣れなかった私をみかねてか、
パイセン釣り師が昔ながらのアミコマセを使ってみろと声をかけてくれた。
アミコマセは添加剤が入っているから、魚が食わないと。

遠慮がちに使わせていただくと、
今までは閑古鳥だった海面がまるでお祭り状態のようになった。
アミ姫の集魚力と比較にならないほどの魚が集まってくるのである。
狂ったようなその魚たちをみた私は笑いが止まらなくなったのである。

パイセンおじさんはそんなワイを見て、
あまったアミコマセを少し置いていってくれた。
そう言った太っ腹具合からも、パイセンの寛大さを感じる。

狂った魚たちを釣り上げる事はさほど大変なことでもなく、
あれよあれよという間に90匹釣れてしまった。

アミ姫のイノベーションはテクノロジーの恩恵であるが、
パイセンのアドバイスには勝る事はなかった。

パイセンのアドバイスは聞くべきなのだ。

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