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先見と価値

世の中にはエグいくらいの先見性を持つ人々が存在する。
それでも地球は動いてるんすよ。と言った方や、
これからは西洋文化が流行るで!と言いアメリカかぶれになった方、
過去の偉人には色々な先見性を持つ人々がいた。

現代の先見大将軍としてはご存知スティーブ・ジョブズが取り上げられているが、
歴史上の先見性から見ればそれほど大きなことでは無いのかもしれない。
天動説を否定し地動説を唱えたコペルニクスやガリレオがいる。
これはまさに天と地がひっくりがえるほどの先見性であり、
ワンモアシングではどうにもならない部分がある。

そう思うと伸びしろ不足の世界になったものだなと感じる。
せっかくスティーブ・ジョブズが出てきたので、
ミクロ的なイノベーションに目を向けてみる。

iPhone。私も使っている。
確かiPhone4からのユーザーである。
ここ最近のiPhoneにはイノベーションを感じないと日々思う。
カメラや液晶の性能が良くなるなど、どんどん改善されどんどん良くなっている。
しかしジョブズがジーパンでiPhoneを発表した時以上のものでは無い。
ジョブズがノーパンでiPhoneを発表していたら歴史は変わったかもしれない。
あの頃はアップデートが噂されるたびに世間がざわついていた。
このスマートフォンに次はどんな機能がつくのだろうか、
次はどんな形のiPhoneが発表されるのだろうか。
ドキがムネムネしていた。

実際にiPhone自体も新しい機種が出るたびに
見たこともない様な機能を実現し、人々を驚かせてきた。
そう考えれば、大きな意味でスマートフォンという商品自体に進化の伸びしろが
無くなってきていると考えるのが妥当なのだろう。
ジョブズが亡くなったからではなく、これ以上伸ばす部分がないのだ。
と思っているのもジョブズがいないからであり、
もしまだにいたとしたら、
想像できない様なエクスペリエンスを
スマートフォンで提供してくれたかもしれない。
想像できないことを実現するから先見性なのである。

先見大将軍はとても孤独であり、危うい存在である。
ここにAという先見発言があるとする。
天動説と地動説の様な、ひっくり返す系の先見発言だ。
誰も気付いていない様なことを発見してしまった。
どうしようどうしようとなり、部屋を10往復する。
まず家族になはすことにしよう。
妻は一瞬怪訝そうな顔をしたが、ニッコリと微笑み
「あなたが信じていることなら私は応援するわ」と言う。
しかし内心こいつはイカれたなと思い、保険内容の見直しを行う。
背中を押されたと勘違いしてしまったその男は、
SNSや街頭演説を用いてその論を訴え続ける。

この時点で世間の人にとってこの男はただのホラ吹きである。
この男のできることは一つ、立証することだ。
自らが立証できれば良いのだが、立証できなかったとする。
大学の先生とかその道の権威などがしょうがないから研究する。
30年かけて立証できた時、その男はもう亡くなっていた。
つまりその男はホラ吹きのまま死んだと言うことになる。
あのホラ吹きの言っていたことは正しかったと思う頃には、
時すでにお寿司。その男に賞賛を与えることはもうできないのだ。

最悪なのは、30年かけて本当のホラ吹きだと立証できてしまった時だ。
本人だけでなく研究者たちの人生も巻き込んでしまった。
ホラ吹き立証チームの出来上がりである。

こう言う人生もあるんだなぁ。
でもチャレンジや発見はいつもMUDAから始まることを忘れてはならない。
STAP細胞に感謝。

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