【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 「計画」という言葉が失われたコロナ禍の学校現場

2/7のオンラインイベント「キャリア教育コーディネーターの雑談会、公開しちゃいます!」を開催して、あらためて思ったこと・・・(https://peatix.com/event/3115085/view
      ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。)

他地域と比較すると人口の多い首都圏の学校(特に公立)は、コロナ禍で本当に余裕がなくなってしまっているのだということを実感せざるを得ませんでした。

キャリア教育コーディネーターが見たこの半年間でも、いろんなことが起きてました。

●緊急事態宣言のしわ寄せの2学期

多くの学校は、緊急事態宣言が明けるまで校外学習や行事を延期にしてきました。そのため、すべてが10月以降に集中することに。2学期の先生は、本当に!とにかく!忙しそうでした。ひとつひとつにじっくりと取り組むこともできなかったもどかしさもあったはずです。いつもだったら丁寧に準備をする先生ですら、夕方にお電話すると「資料がまだ見れてなくてー!!」なんてことも、少なくありませんでした。

●第6波でさらに混乱状態に陥る

さらに冬休みあけの第6波は、子どもたちの感染による学級閉鎖、先生の感染もあったり、先生のお子さんの保育園が休園なんてことも。実施するはずだったゲスト講師授業が、行ってみたらなくなっていたという事件もありました。通常だったらあり得ない話なんですが(校長先生は平謝りでした)、それほどまでに、学校は混乱状態でした。



台風や大雪なら誰の目にもわかる「休校になりうる災害」ですが、これも「災害」なんだと思いました。ただ、外から見るとイマイチわかりにくい。コロナも2年目なんだからちゃんと計画して対策を、とか、正論を吐こうと思えばいくらでも言えるかもしれませんが、これはそういうレベルじゃない事態です。
そしてこうした状況に加えて、学校外からはわかりずらい特性もあるように思います。


●オンラインにはできない学校の活動の重要性

「知識を伝えること」はオンラインが有効なのですが、特に小学校の授業は単に知識の伝達だけではなく、学習活動を通しての生活指導やひとりひとりの主体性を伸ばすこと、子ども同士の関係構築にも重要な時間です。体を動かす体験を通した学習もとても大事。オンラインでできないこともたくさんあるのです。 感染症対策でいろいろと制約がある中でも、なんとかこうした学習活動を実現しようと、学校ではいろいろな工夫がされていたことも間違いありません。簡単に「オンライン授業化」とは、いかないんですよね。

●思い切った計画変更をするにも見通しが立ちずらい

できれば体験学習や校外学習の時間を大事にしたい、という思いがベースにあるからこそ、思い切った計画変更が決断しづらかった、という背景もあるように思います。全くできないとわかっていたら思い切って違う方向に舵を切ることができたかもしれません。でも、コロナ禍が収まるのかどうか、それはいつなのか、可能性があるならできる時期を探りたい・・・先生たちはそんなギリギリのところで、少しでもできることを、とチャレンジしていたように思います。



学校の外にいる私たちが、まずはこうした実態をどれだけ理解し、共感していくのか。そこからできることを探りたいと思っています。しかし、キャリア教育コーディネーターとしても、無力感を感じた2年ではありました・・・

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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