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音感ゼロのピアノ弾きが身につけた仕事術の話

「あなたは計画的にやる派?それともギリギリ派?」

・・・こんな質問で思い出しました。

私は「計画的にやる派」です。
ただ、性格的にきっちりしているのではなく、
むしろ、いろいろな能力が不足しているので、
ギリギリで何かをやったところで
パフォーマンスが上がらないという「消去法」です。

これ、社会人になる前からそうだったのですが、
子どものころの経験で思い当たったのが
ピアノでした。

小学校卒業と同時にやめたピアノ教室。
でもピアノを弾くのは好きでした。
合唱の裏で動く伴奏のピアノのメロディーが
むしろ合唱パートよりも好きでした。
なので休み時間の音楽室で
遊び感覚で弾いていたところ、
それを見ていた音楽の先生から
文化祭の合唱コンクールの伴奏に指名されました。
中学2年生と3年生のときのこと。
それもけっこう難易度の高い曲でした。

ピアノは5歳から始めたものの、
私には絶対音感がないので、
楽譜がある状態で、
音源などでどんな曲かを把握して、
その上でがっつり練習する必要がありました。
それこそ、身体が覚えるくらいまで。
小学校卒業の段階でソナチネ程度だったので
技術的にも上手いわけでもありません。
とにかく練習するしかない。

合唱の伴奏は、
本番に間に合えばいいわけではありません。
合唱の練習が始まるときには
最後まで通せる状態にしておく必要がある。

仕事で言うなら、
伴奏だけは納期が3−4ヶ月早い。
音感も技術が伴っていないのですから、
ギリギリになってナントカなんて、
ありえないわけです。

ということで、どうするかというと、
合唱の練習が始まるまでのゴールを
以下のようの設定することになります。

・最後まで止まらずに弾けるようにすること
 ただし弾けないところはあっていい
・弾けないところはごまかす方法を考える

・・・ごまかす!(笑)

中学生にして、
「ごまかしも実力のうち」と開き直ってました。

が、ここから本番までのあいだ、
弾けないところを弾けるようにするため、
毎日毎日毎日・・・練習を続けます。
身体が覚えるくらい、
ぼんやりしてても指が動くくらいまで。
それでもどうにも弾けない部分もありつつ、
でも本番はミスすることもなく乗り切り・・・

と、こんなところから、
仕事につながる学びを得ることになります。

「早い段階で7割を仕上げてしまった方がいい」
「クオリティをあげる努力に裏切られることはない」

ついでにいうと、
変な度胸もついたように思います。
40人いる中で自分だけが違う音を出しているという
プレッシャーがかかる状況は本番だけではありません。
練習が始まったら本番までの毎日が、
ずっとプレッシャーのかかる状況だからです。
もちろん本番は本番の緊張がありますが、
プレッシャーにつぶされるようなことは
ありませんでした。
たぶん、それが日常だったから、なのでしょう。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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