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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 大学入試センター試験がなくなる?

学習指導要領改訂を、
“超好意的にとらえて”紐解いてみよう、というシリーズ第6弾。
前回は、高校の歴史科目の変更を取り上げましたが、
今回は学習指導要領からちょっと離れて、
その後の「大学入試」に触れてみたいと思います。

小中高校の学習指導要領が変わったとしても、
大学入試が従来通りのものだったとしたら・・・・
「入試対策」に力を入れる高校であれば、
その授業はなんら変わることはないでしょう。
学習塾も同様です。

ですから、いま進んでいる教育改革では、
学習指導要領の改訂だけでなく、
「高大接続改革」というのも大きなポイントになっています。
「大学の学びの質の改善」についても、すでに取り組みが進んでいます。

大学入試改革のトピックとしては、
大学入試センター試験がなくなり、
「高等学校基礎学力テスト(仮)」
「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」の
2つが始まるというのは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

平成28年3月に公表された高大接続システム改革会議 「最終報告」では、
求める力として、以下の3つをあげています。

(1)十分な知識・技能
(2)それらを基盤にして答えが一つに定まらない問題に
   自ら解を見いだしていく思考力・判断力・表現力等の能力
(3)これらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

・・・ここでも「学力の3要素」が大事であることが示されています。
「学力の3要素」のうち、「高等学校基礎学力テスト(仮)」では、

“基礎的な「知識・技能」を問う問題を中心としつつ、
「思考力・判断力・表現力」を問う”

「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」では、

“知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、
 「思考力・判断力・表現力」を中心に評価”

となっています。

また、その後の、いわゆる二次試験、大学別の個別試験でも、

“知識・技能」「思考力・判断力・表現力」の十分な評価とともに、
「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」 についての
 評価を重視すべき“

と示されており、これまで以上に、調査書・大学入学希望理由書・面接などをしっかり行う大学が増えそうです。

これらの大学入試改革に伴い、高校段階までに
探求型の学びで知識・能力をつけることに加え、
様々な活動を通して実社会と触れ合い、
自身がどのように社会と関わるために何を学ぶのかを
深く考える機会が必要になることでしょう。

これまでも行われてきているような体験活動やキャリア教育が、
重要な役割を果たすことになります。

こうして表現してしまうと、
「入試対策として体験活動を行う」ように見えるかもしれませんが、
学習指導要領の改訂と同じく、
これからの時代に求められる資質・能力を持った人材になる、
という本質的な目的を忘れてはならないと思います。
学校も社会も、私たち大人も、認識を変えていく必要がありそうです。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月、個人事業主から法人成り。(株)ax-factoryを設立。
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