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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】「ルーブリック」は評価ではなく指導のため。

今年は探究型の授業づくりのお仕事に参加することが多く、
どこに行っても話題になるのが「ルーブリック」。
今回はこちらをテーマに取り上げてみたいと思います。

まず、言葉の定義から確認です。
ここは文部科学省の資料をベースに・・・

●ルーブリック●
成功の度合いを示す数レベル程度の尺度と、
それぞれのレベルに対応するパフォーマンスの特徴を示した
記述語(評価規準)からなる評価基準表。

主に、プレゼンテーションや小論文などの
パフォーマンスを伴う活動で
評価を行う際に使われる指標です。

本格的に研究している先生方からしたら、
私のやっていることはもしかしたら邪道なのかもしれませんが、
ルーブリックを作っていて、思うことがあります。

ルーブリックを作ることは、
評価をするだけことが目的なのではなく、
学習者には学び方やその手順を知ることもなり、
指導者にとっても学びのプロセス設計になるんだな、と。


弊社の「小中高のキャリア教育実践基礎講習」の中では、
評価や効果測定についてお伝えする際に、
例として「一次方程式を解くまでのプロセス」を出しています。
解を出すために、どんな知識が必要で、
どんなプロセスがあるかをモノサシにすることで、
どこまで理解していて、どこでつまずいたのかが、
学習の次の一歩が明確になる、というのが、
とてもわかりやすい例だからです。

これは企業の世界でも同じことが言えるのではないでしょうか。

新商品の企画をする際にも、
 ・ターゲットを抽出することができているか
 ・ターゲットのニーズや課題分析ができているか
 ・ターゲットの抱える課題の原因分析ができているか
 ・課題を解決するアイデアが提案できているか
などのプロセスに分解することができます。

こういうモノサシが自分の中にあるときは、
部下の指導がラクになった経験はありませんか?
指導される部下にとっても、
このモノサシが提示されていたら、
上司からのダメ出しへの納得度も高まるはずです。

そして、こうしたプロセス分解を行うことは、
指導する側のスキルアップにもつながります。


こうしたこともあって、
これからの学校教育に、
実は企業活動の知見が役に立つのでは?
と感じていたりもするのです。
実践的なPBL型授業など、
実社会の活動をテーマにした取り組みでは、
特に価値を発揮できるのではないでしょうか・・・?


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。
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