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ネットの波に飲み込まれて「その情報、的外れでっせ」に陥らないようにする話。

10数年前、キャリア教育コーディネーターの世界に入った頃のことを思い返すと、教育業界について勉強しないといけないなーと思っていてもなかなか必要な情報にたどりつけませんでした。むしろ、いま思えば的外れなところにたどり着いてしまっていて・・・思い出すとちょっと恥ずかしくなります。

そしていま、新たに教育関係の仕事に関りたい・または関わらざるを得なくなった人たちが、「的外れな情報の沼」にハマっている姿を、いろいろなところで目にするようになりました(笑)

というわけで、かつての自分を棚にあげつつ、的確な情報にたどりつくためにはどうしたらいいかについて考えてみました。きっとこれは、教育業界の話に限らないかもしれないですね。


●マスメディアの情報ではなく原典にあたる

まず、新聞・TVのニュースなどの情報をそのまま「事実である」と理解することは、すっぱりやめた方がいいです。メディアには必ず「発信する人」がいて、コンテンツにはその人の主観が入っています。場合によっては、誇張されていたり事実と異なる内容になってしまっていることも。ですから、書いた人は何をニュースソースに書いたのか、その原典まで戻って判断する必要があると思います。特に、学習指導要領などの国の教育施策に関する情報は、必ず省庁のWEBサイトでも公式発表がありますので、そちらを参照する方が良いでしょう。ちなみに、「まとめサイト」などのネットメディアも同様です。情報の出どころが明記されていない記事も多いので、しっかり見極める必要があると思います。

また、特に教育関係の場合、「原典」にあたっていくことで、国の教育施策や省庁の組織の枠組み・役割など、「取り巻く仕組み」が見えてくるようになると思います。そうすると、次にどんな情報を探しに行ったらいいかも見えてくるはずです。

●該当領域の専門家・研究者・論文に触れる

私は本を読むことで情報収集をするタイプなので、すぐに「関連書籍の購入」をしてしまうからかもしれませんが・・・(それなりに費用がかかりますので、図書館等の利用が現実的かもしれません。)

キャッチーで読みやすい「話題の本」だけではなく(入門としてはアリだと思いますが)、できれば専門書に触れた方がいいと思っています。大学で研究をしている専門家・研究者の論文的なものです。なかなか難解で読み解けないものも多いのですが、ざっと章立てだけでも見ると、どんな研究がされていて、どこまでわかっていて、何がわかっていないのかの概要がわかると思います。

また、「引用」や「参考文献」に書かれている論文や書籍の情報がけっこう使えます。ここをみれば、関係する領域にどんな専門家・研究者がいるのかがわかりますから、さらに情報収集をする際に書籍・論文にあたったらいいかの目安が得られるようになります。

●情報入手ルートをたくさん多角的に持っておく

ひとつの情報や特定の一方からの見方を鵜呑みにしない、という意味でも、情報入手ルートは複数持っておく方が安全です。メルマガやSNSの利用もできますし、各省庁のメール配信サービスに登録しておく、googleアラートを活用するなど、いまは本当に便利です。

届くメールの数が膨大なことにはなりますので、サラッと目を通す程度にはなってしまいますが、浴びるように情報に触れるというのも、情報を選り分けるためには必要なのではないかと思っています。例えば、いろんなイベントにひっぱりだこになっている先生や研究者が誰なのかがわかってきたり、トレンドワードが見えてきたりします。その業界に関わる人たちの「生態系」もおぼろげながらわかってきます。そうすることで、信頼性のある情報がどれなのかの区別もつきやすくなってくるはずです。

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特にいま情報収集や研究が求められるのは、ICTを活用した授業づくりあたりかもしれませんが、これも関連書籍や事例が多く出てくるようになりました。たまたま拾った情報に飛びつくのではなく、多角的に深掘りが必要になるのではないかと思っています。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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