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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】高校の新科目「公共」は何を学ぶのか?

告示された高等学校の学習指導要領から、
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
新科目をもう一つ、取り上げてみたいと思います。
「公共」です。

公民科のうちの科目のひとつになります。
公民科といえば「倫理」と「政治・経済」がありますが、
「公共」は、「倫理」「政治・経済」の
「入門編」の位置づけになるイメージです。

「公共」が設置されることになった背景には、
次のようなものがあります。

 ・選挙権年齢の引き下げに伴う主権者教育の必要性
 ・グローバル化する国際社会への対応
 ・変化する産業構造の中でのキャリア形成

いずれも、現代社会に見られる変化や、
グローバル・ローカルな課題に対応できるよう
必要な力を身につけようというところから来ています。

そのため、扱われる内容は、
大きく次の3つに分類されています。(新学習指導要領より)

 A 公共の扉
 B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち
 C 持続可能な社会づくりの主体となる私たち

「A公共の扉」では、
個人の尊厳・自立・自律に触れながら、
主体的に社会に参画していくために他者と協働する中での
生き方やあり方の探求。

「B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」では、
法律、政治参画、職業選択や雇用などの現代社会の課題。

「C 持続可能な社会づくりの主体となる私たち」では、
さらに国際社会への主体的な参画へと視野が広がっていきます。

平成28年12月の答申においては、
キャリア教育の観点から特別活動等との連携も示唆されています。
確かに、基礎的・汎用的能力と関連づけて考えると、
「A公共の扉」では、自己理解や社会形成能力・人間関係形成能力
「B 自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」では、
社会形成能力やキャリアプランニング能力、
「C 持続可能な社会づくりの主体となる私たち」では、
課題対応能力の養成にも繋がりそうです。

特に公共は、実社会に直結する学びと言えると思います。

関係する専門家などの外部機関との連携・協働を積極的に図ることも
留意点として記載されています。
グループディスカッションだけでなく、
ディベートや模擬裁判、インターンシップとの連携など、
学校外資源と連携したアクティブな授業ができそうです。

「公共」も、新学習指導要領において、
ワクワクする科目になるのではないでしょうか?


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factoryを設立。
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