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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】国の施策を知ることと個別の学校に寄り添うことと

教育の仕組みって、理解しづらいですよね。
誰しもが学校には行ったことがあるからこそ、
知ったつもりになってしまう部分も
わかりづらさを助長しているのだと思いますが、
見えないところの仕組みの複雑さもあります。

そこで、私自身が教育に関わるようになって感じた
「ここらへんが複雑だよなー」という部分について
書いてみました。


●国の施策や予算などの仕組みなんて考えたことがない
 最初にキャリア教育に関わることになったのは、
 経済産業省の事業(いわゆる公共事業)を
 受託した団体での仕事でした。
 案件によって違いはありますが、
 公共事業を受託する団体は公募制で
 その審査は簡単に悪いことができない公平性が担保されているし、
 経費の精算はかなり厳密というか、
 民間企業からみたら面倒で無駄も多い。
 税金を使うんだからそりゃそうか。
 なるほど、国の予算ってこういうふうに使われていくのかー、
 と、この時に初めて仕組みを知りました。
 こうした公共事業を提案する民間の人たちもいて、
 思ったよりも官民での連携もある。
 そして公共事業も予算についても、
 実はWEBサイト等でかなりの部分が公開されているのです。
 でも、自分の払っている税金の使われ方や国家予算についてなんて、
 考えたことがない、っていうところが、
 教育・学校の仕組みのわかりづらさにつながっているのかもしれません。

 *次年度の文部科学省の概算予算は
  下記のようなところで見ることができます。
  https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00003.htm 


●個別の学校の状況は金太郎飴じゃない
 文部科学省が学習指導要領をつくり、
 各都道府県、市町村には教育委員会があり、
 その下に学校があり・・・って、
 学校は全国のどこにも同じものがある、
 というようなイメージを持っていました。
 金太郎飴のイメージです。
 ですが、これも、全く違うんだなーというのが、
 関わるようになって初めてわかったことでした。

 文部科学省などの中央省庁の役割は
 法整備と大きな指針や施策の予算措置。

 実際の現場でどうするかの権限は現場にある。
 各教育委員会によって違ったり、
 地域性もあるし、
 学校ひとつひとつが全く違うんですよね。
 コミュニティスクールなどの文部科学省の事業でも
 地域によって全くあり方が違っていて
 びっくりした記憶があります。
 GIGAスクール構想のように、全国で一斉に
 タブレットが配布されるというような大きな動きもありますが、
 仕組みや施策を理解することだけではなく、
 最終的にはひとつひとつの学校や先生の状況に
 寄り添っていくことがとても大事だと実感しています。


こういうことがわかっている人が増えてきたら、
学校にいろいろな方向から関わる人が増えるんじゃないかな〜と思います。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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