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withコロナ時代のビジネスコミュニケーションスキルの話

6月から比較的「通常営業」に戻る会社も増えてきましたね。
私は変わらず在宅勤務をメインにしているのですが、
お取引先との打ち合わせの予定も入り始めました。
とはいえ「オンラインで」ということがほとんど。
移動しなくていいってのが本当に便利ですね。
さらに、初めてお会いする方と名刺交換もなしに
オンラインで「初めまして」って自己紹介するっていう、
ちょっと新鮮な出来事も起きるようになりました。
いずれはこれが「普通」になるんでしょうか。

そうして徐々に動き始めた経済活動、
でも、もう「もとどおり」には戻らないんだなー、
ということも実感しています。
そして「いまだから」起きている変化もあって、
この「いまだけ感」を備忘録的に書いておこう、というのが、
今回の内容です。

挑戦は必須。それでもハマるオンライン化の落とし穴。

昨年度と同様に予定していたお仕事も、
ほとんどが「昨年度とは形態を変えて実施」になってきています。
誰の目に見てもあきらかに、まあ、そうするしかない状況です。

要するに、誰もが、いままでやったことのない、
「新しいこと」に挑戦しないといけなくなっている。

これはこれで、本当にいいことだと思っています。
やってみたら、きっと新しい何かが生まれるはず。
しのごの言わずに、やってみるしかない。
っていうのは、これまでも何回かnoteに書いてきたことでした。

クオリティはひとまずおいておいて、
緊急度の高い対応はミニマムスタンダードでやってみて、
クオリティはやりながら改善していけばいい。
「完璧に磨き上げて世に出すのが良し」とされていた以前とは、
ちょっと価値観が変わった部分だとも思います。
  *しかしこれは「緊急対応」なので、
   状況が落ち着けば、変化していく価値観でもあるはず。
   そこはちゃんと見極めたいところですな。

でも「昨年度とは形態を変えて」っていうのが意外と落とし穴で。
これもたびたびnoteには書いているのだけれど、
特に私がメイン領域とする教育業界では、
安易に「オンラインに」方法を切り替えればいいかというと、
そうではない。
ていうか、安易に置き換えちゃダメ、なわけです。

「コンセプトは何か?」
要するに「誰にどう感じてもらうのか」を明確にし、
それに対して適切なコンテンツと方法を再構築すべし。

なんだけど、
やっぱりこの落とし穴に人はハマるのだなと、
3月からオンラインの検証をちまちまやってきて、
もう通り過ぎた気になっていた私も、
この時期になってあらためて感じたのでした。
ああ、またか!ここでもまた起きるのか!・・・と。


「受発注の関係だ」って割り切ってたら進まなくない?

こうなってくると、相手がお取引先(発注元)であっても、
「ちょい待ち!落とし穴にハマってまっせ!」
と指摘せざるを得なくなったりします(笑)
方法じゃなくてコンセプトに戻ろうよ!って。

beforeコロナの通常運転の時期であったら、
「これで発注されたら困りますよー」と正面から言っちゃうところ。
後工程で起きるトラブルが想定できてしまってリスクが高い案件です。

が。

ここはコミュニケーションの取り方を変えて臨まんといかんのかも
ということに思い至りました。
「これで発注されても困ります」と伝えたとしても、
言われた方もどうしていいかがわからないんです。

だって、誰にとっても初めての挑戦なんだもん!

で、オンライン会議をしながら思ったのは、
以下のような2つのコミュニケーションのポイントでした。

1.めざす姿をがっつり議論して共有するしかない
要するにコンセプトとかなんですが、
初めての挑戦だから、
必ずしも企画書という書類だけでうまく表現できるとは限らない。
そもそも、誰も見たことがない・やったことがない世界だし。
だから、何をやりたいのか、どんな姿をイメージしているのか、
いろいろ話してイメージをすり合わせるしかない。
ここは、めんどくさがらずに時間かけるしかないんです。
2.発注通りに動くんじゃなくて、フラットに知恵を出し合って進める
これも受発注の関係で考えてたら、なかなかやらないことなんですが、
コンセプトが共有できたら、
それを実現するための方法は、発注元も受注者もフラットに、
本当に何がいいのかを、知恵を出し合った方がいい。
かつ、それをお互いに素直に受け止めるスタンスでいた方がいい。
(そもそも言われた通りにしかできないなんて、
 やっぱりその程度でしかないでしょう・・・)

・・・要するに、これができるだけの関係性構築に
しっかりと時間とパワーを割く必要がある
ってことなんです。

企業組織というよりは、NPOやコミュニティなどの
非営利組織のコミュニケーションスキルが
いまとても役に立つのではないか
と感じました。
そして、男女差別をしたいわけではないのですが、
比較的、女性よりも男性の方が、
このコミュニケーションが苦手なのかもしれない、とも
ちょっと思ってます。(あくまで仮説ね。)


それでも責任を取るべき「誰か」とは誰なのか?

ただ、これにも課題はあって、
ひとつは、かけたパワーとコスト(発注額)が見合うか、という点。
はっきしいって、コミュニケーションコストがかかることになります。
そしてそれって、とっても見えづらい。
この点をどう見ておくかは、検討したいところ。

あともうひとつ。
これはけっこうシビアなんだけど、
初めての挑戦とはいえ、無責任でいいってのとは、全く別だってこと。

仕事=お金をいただくってことなので、
「初めてなんで、うまくいきませんでした」なんて言い訳は、
絶対に言っちゃいけないこと。
これ、関わるすべての人にとって、そう。

うまくいったことも、できなかったことも、
すべて引き受ける覚悟がないと、挑戦なんてできないんだよね。
この覚悟をするのは、いったい誰なのか?

結局のところ、挑戦を避けるのは、
この「覚悟」とか「責任」って言葉が
足枷になってるからなんだろうなーと思う。
そして、誰かに押しつけたがる。
・・・なーんていうのは、もうやめたいなーと思いました。

挑戦を共有して、結果も共有する。
関わるすべての人がその覚悟を持ち合う。
そういう関係性を構築していく。

これも、withコロナ時代のビジネスコミュニケーションスキルなんじゃないかな?
非営利組織のコミュニケーションに、ヒントがいろいろあるように思うんですよ。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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