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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 「世界史・日本史が暗記科目じゃなくなる?!」

学習指導要領改訂を、
“超好意的にとらえて”紐解いてみよう、というシリーズ第5弾。

「大学入試で世界史のカタカナの人名が覚えられなかったなぁ・・・」
なんていう思い出が残る高校の歴史ですが、この歴史科目、
学習指導要領改訂では科目編成が大きく変わるのです。

科目編成の中で特に特徴的なのは、「歴史総合(仮称)」ですが、
扱う内容が「近現代」に絞られている点が、
大きな特徴と言えると思います。

歴史を学ぶ際に重要な見方・考え方は、
日本と世界の相互関係(ヨコ)と、
時間軸での推移・変化(タテ)という
「タテ・ヨコの関係を理解すること」とも言われています。

そこで、「歴史総合(仮称)では、歴史の中でも特に、
「近代化」「大衆化」「グローバル化」という
現代の課題につながる「大きな転換点」に着目。
それらが「なぜ」「どのように」起こったのかという「問い」を通して、
事象同士の因果関係や、比較して差異・類似点を明確にする、
などの「学び方」をつかんでいきます。

「問い」の事例としては、
近代化においては「工業化と政治変革は何をもたらしたか」
「大戦を経てどのように社会は変わったか」など、
事象からその因果関係を読み解いていくものが挙げられており、
歴史の大きな転換点が現在とどのように関わっているのか、
をつかんでいくことになります。

近現代史は私たち大人が授業を受けてきた時代も、
駆け足になりがちだったのではないでしょうか?
また、「因果関係の読み解き」「多面的・多角的な考察」は
大人である私たちも身につける機会が少なかったように思います。

学習指導要領改訂は、大人も学びなおすチャンスになるかもしれません。

ちなみに、「歴史総合(仮称)」は必履修科目ですが、
ここで「歴史の学び方」をつかんだ後の選択科目も
「日本史探究」「世界史探求」(いずれも仮称)と、
探究型の学びになってきます。
総合的な学習の時間も、「総合的な探究の時間(仮)」に。
「探究」がキーワードの一つになります。
大学入試改革ともつながる部分ですが、
これに関しては、次回以降で触れていきたいと思います。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部社会学科卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月、個人事業主から法人成り。(株)ax-factoryを設立。
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