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版権元って何?『鬼滅の刃』で見る

こんばんわ。AWESOMEです。

今回から、僕の業務知識を皆さんに共有できたらと思います。これから、コンテンツを使用する仕事をする方、アニメ、漫画に興味のある方是非、雑学がてら読んでいってくださいね。あくまで、個人の経験や業務範囲内なので、説明が違うぞ!おかしい!と思ったら、是非調べてみてください。皆さんのきっかけになれば幸いです。

そもそも版権元って何?

はい、良い質問です。簡単にいうとそのコンテンツの権利を所有している会社、個人を示すことが多いです、、、、、は?ってなりますよね。

簡単に漫画の作品だとして説明しますね。例えば、僕が原作者で、『最高!』っていう漫画を描き,週刊誌で連載したとします。これの権利って誰ですかね?そう、僕です。ただし、僕以外にもいるんです、それは『出版社』です。仮に『最高!』を週刊少年ジャンプで連載していたら、版権元は『集英社』になります。ちなみに、版権というのは江戸時代からの言葉で、浮世絵っていう版画がありますよね?歌川広重の富士山の絵とか。あれって、大衆向けに複製画として、売っていたんですよね。当時は、原作者が掘った版画(木で彫った板)を出版社が買い取って、書店でそれを刷って販売していたんですよね。「版画の権利を持つ」これが版権元の由来なんですよね、、、豆知識として是非。

さ、話を戻します。版権元については、作品によって権利元が様々です。例えば、漫画が売れて、アニメ化しました。すると、アニメの権利元は別に派生していきます。さらに、コラボ案件、グッズ、DVDと細かいところまで権利元が分かれる場合も少なくありません。ただ、これに関してはどこか1つに連絡して『飲料とのコラボとグッズ製作を考えているのですが〜』と相談すると、『それならA社さんですね、グッズは弊社管轄なんで、後で商品の企画書送ってください〜』となります。意外に親切な世界です。

版権元のお仕事って?

簡単にいうと『作品を売り出す、作品を守る』立場になります。アイドルを売るプロデューサー、マネージャーに近い存在です。そのため、多くの版権元のご担当様のは、我が子の様に作品を愛している方が多いです。もちろん、例外もありますが...。ここを理解してないで、失礼な提案をする営業は結構います。『朝ドラ目指す清純なアイドル』に対して『深夜の格闘家番組に出演して下さい』って、いきなり営業してきたら、マネージャーからしたら『え?うちのアイドルの事分かってる?なんなのこの人?』って、極端ですが、よくある事なんですよね。『版権元に好かれるコツ』はまた今度お話します。


版権元って、どうやって調べるの?

『この作品、面白い!コラボしたい』『来季のこのアニメどこが版権元なんだ?』結論、ほとんどが、ネットで調べれば分かります。それでは、つまらないので、1つスキルを伝授します。

ここでは、簡単に分かるコツを大ヒット漫画アニメ『鬼滅の刃』(以下鬼滅で表記)を例にあげて伝授します。まずは、手元に商品がある場合、2つの箇所を見る事でだいただい分かります。初心者向けなので、悪しからず。

①コピーライト『©』を見るべし

②証紙を見るべし

①に関しては、別名『マルC(読みマルシー)』と言います。『©』のことです。予測変換でも出ますよ。多くの方は、何か見たことあるマーク、下の方に小さく書いてあるマークくらいの認識かもしれません。お手元にもし商品があれば見てみて下さい。これは、『公式がきちんと認めた物ですよー』の証になります。ここには、版権元が英語または略式で書かれていることが多いです。

鬼滅の場合、『©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable』と殆どの商品に記載されている筈です。今回の場合、頭から『原作者、出版社、アニメ配給、アニメスタジオ』の順番になりますね。これをみれば、『ふむふむ、アニメの権利元はアニプレックか超大手じゃん。集英社の表記があるから、ジャンプ関連の作品かな、ufotableってことは、アニメのクオリティは高いぞ』ということがこれだけの情報から関係者、メーカーは読み解いていきます。面白いですよね?笑 もちろん、これはあくまで例なので、コンテンツによっては、当てはまらないケースもあります。是非、身の回りの物で見てみて下さい。ちなみに、コピーライトのルールは凄く細かく決まっています。半角やスペース等すべてルールが決まっています。これを誤記すると、再生産や回収などの対象になりうる事象なので、メーカーさんは細心の注意を払っているんですよ...ご苦労様です。


②証紙を見る。これも①に近いです。『この商品は公式が認めた商品です』の証になります。主に、グッズ、お客様がお金を払って買うものにつく事が多いです。無料で配布しているものには免除されたり、必須だったりとコンテンツによってルールが違ったりします。証紙には大きく『シール証紙』と『印刷証紙』があります。よくグッズを購入した時に、1円玉くらいの正方形のシールが申し訳ない程度に裏面に貼ってある事ありませんか?会社のロゴや、キャラクターなどが描かれている事が多いですね。これが証紙です。

シールと印刷何が違うの?という質問をよく新人からされますが、簡単にいうと製造数量です。証紙は、版権元が管理しています。そのため、シールに関しては、版権元が所有しています。グッズを製作するメーカーは、版権元から、自分たちが作ったグッズの生産数に応じて、証紙シールを支給して貰います。もちろん、版権元から監修許可を得たグッズです。監修とかの話は、また次の機会に。証紙シールは、無償のところもあれば、1枚1円などの有料のところもあります。そうすると大変ですよね、1,000個〜5,000個くらいなら、シールも準備できますが、何万個、何十万個と作るグッズは、準備する側も、支給されて、それを貼る側もコストが滅茶苦茶かかります。そこで、多くの版権元にはルールがあり、生産数量が多いものは『印刷証紙』が許可されます。これは、証紙のデータを支給し、それを決まった箇所に印刷して良いですよっ。ってことです。もちろん、きちんとした契約を結んだ上で支給されるものなので、取り扱いは滅茶苦茶機密性が高いです。

いかがだったでしょうか?今回は、超基本である、版権元への知識の入門編として書かせて頂きました。今後も、版権元様と向き合う営業で私がやってきた事をお伝えできればと思います。質問や要望もあれば、分かる範囲で発信できればと思います。では、今回はこれにて、お疲れです。

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